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筋トレと心臓 [健康短信]

週60分までの筋トレが心臓の健康に良い?

 筋力トレーニングなどのレジスタンス運動を週に60分まで行うと、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが有意に低下する可能性があることが、米アイオワ州立大学准教授のDuck-chul Lee氏らの研究で示された。

 一方で、レジスタンス運動を週に60分以上行っても、これらの心血管疾患(CVD)リスクのさらなる低下はみられないことも分かった。

 詳細は「Medicine & Science in Sports & Exercise」オンライン版に発表された。

 Lee氏らは、レジスタンス運動による健康効果に着目。

 すでに、レジスタンス運動を週に60分まで行うと脂質異常症やメタボリック症候群になるリスクが低下することを報告している。
 
 そこで今回、同氏らはレジスタンス運動の心血管系への影響を調べるため、1987~2006年に2回以上診察を受けた男女1万2591人(平均年齢47歳)を対象に、平均で5.4年および10.5年間の追跡調査を実施した。

 その結果、週に1~3回または60分未満のレジスタンス運動を行った人では、全く行わなかった人と比べて、CVDイベントの発生リスクが40~70%低いことが分かった。

 レジスタンス運動によるこれらのベネフィットは、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動とは独立していた。

 一方、レジスタンス運動をより頻回(週に4回以上)あるいは週に60分以上行ってもCVDリスクはこれ以上低下しなかった。

 Lee氏によれば、これまで筋力トレーニングはスポーツ選手が行うものと考えられ、心血管系への効果についてはあまり検討されていなかった。

 同氏は「ランニングなどの有酸素運動が心血管系に良い影響を与えることは知られていた。

 この結果から、筋力トレーニングにも同様のベネフィットがあることが明らかになった」と述べている。
 
 研究には関与していない、米マウントサイナイ・リバーサイド医療グループのAlon Gitig氏も、

 「筋力トレーニングには見た目をよくするだけではなく、健康へのベネフィットがあるのは明らかで、心血管の状態にも直接影響するようだ」と評価している。

 また、Lee氏は、この研究では、レジスタンス運動の心臓へのベネフィットはBMIが変わらなくても認められたことを指摘。

 その上で、

「運動の健康効果は減量に伴うものだと考えられてきたが、そうではないことが示された」と話している。

 ただし、今回の研究は、筋力トレーニングを行うと心筋梗塞や脳卒中を防げることが証明されたわけではない。

 Gitig氏は「参加者の多くは白人男性で、自ら医療機関を受診した人が多かったため、より健康的だった可能性がある」として、結果の解釈には慎重になるべきだとの考えを述べている。

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玄米効果 [健康短信]

心臓疾患防止

食事で玄米や全粒粉を増やすと、心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症を減らせることが、ハーバード大学公衆衛生大学院が約13万人を24年間追跡した研究で明らかになりました。

バターやチーズ、赤身の肉、ベーコンやハムなど、動物性の脂に多く含まれる飽和脂肪酸は、体内で悪玉のLDLコレステロールを増やす作用があります。

しかし、減らした分のカロリーを何で補うかで、心臓疾患のリスクは変わってきます。

「心臓疾患を予防するために勧められるのは、多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸、精製されていない全粒粉などの炭水化物です」

と、ハーバード大学公衆衛生大学院のフランクフー教授(栄養疫学)は話しています。

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慢性腰痛 [健康短信]

慢性腰痛は精神的なストレス

体の異常がないのに痛みが3ヵ月以上続く「慢性腰痛」は、精神的なストレスが原因であることが多く、ウォーキングやストレッチなどが予防や再発に効果的です。

東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの調査によると、

多くの人が、

「仕事に対する満足度が低い」

「上司のサポート不足」

「週労働時間が60時間以上」

「日常生活や仕事に支障をきたした経験のある人が家族にいる」

 といった問題を抱えていることが判明しました。

「前かがみの姿勢、座位での猫背、腰を反らした状態が続くと、腰への負担が増し、それが引き金になって痛みや違和感を生じやすくなる」ということです。

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減量には朝食? [医学・医療短信]

「減量には朝食が必須」は嘘?

 一般的に朝食を取ることは体重管理で重要だと考えられているが、日常的な朝食の摂取が減量を促すことを支持するエビデンスはない、とのメタ解析結果が明らかになった。

 オーストラリア・Monash UniversityのKatherine Sievert氏らがBMJ(British Medical Journal 2019; 364: l42)に発表した。

 体重の差わずか0.44㎏

 これまで、複数の研究から朝食の摂取は体重管理に役立つことが示されていた。

 しかし、そのほとんどが観察研究で、日常的な朝食摂取以外の健康的な生活習慣や食品選択などが結果に影響している可能性は否定できなかった。

 そこで今回Sievert氏らは、日常的な朝食摂取が体重およびエネルギー摂取に及ぼす影響について検討するため、システマチックレビューとメタ解析を実施した。

 同氏らは、PubMedなどから1990年1月~2018年1月に発表された、朝食が体重またはエネルギー摂取に及ぼす影響について検討したランダム化比較試験(RCT)に関する文献を検索した他、icalTrials.govなどを用いて2018年10月時点で論文化されていないRCTおよび進行中のRCTを検索した。

 注=PubMed(パブメド)は生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を掲載する MEDLINEなどへの無料検索エンジンである。 アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立 医学図書館(NLM)が情報検索Entrezシステムの一部としてデータベースを運用して いる。

 メタ解析には13件のRCTを組み入れた。

 このうち7件で朝食が体重の変化に及ぼす影響が、10件では朝食がエネルギー摂取に及ぼす影響が検討されていた。

 解析の結果、日常的に朝食を抜いた被験者は朝食を摂取した被験者よりも体重減少がわずかに多かった(平均差0.44kg、95%CI 0.07~0.82kg)。

 ただし、試験結果の間に非一貫性が認められた(I2=43%)。

 また、朝食摂取群では朝食抜き群と比べて1日当たりのエネルギー摂取量が多かった(平均差259.79kcal/日、95%CI 78.87~440.71kcal/日)。

 ただし、これらの試験結果の間にも大きな非一貫性が認められた(I2=80%)。

 成人の減量では逆効果となる可能性も

 その他、これまで1日の早い時間帯に食べた方がカロリーは消費されやすく、遅い時間帯の食べ過ぎを防げると考えられてきたが、今回のメタ解析では、朝食を取る人と朝食抜きの人でエネルギー代謝率に差は認められなかった。

 さらに一般的な考えに反し、朝食を抜くことと午後の空腹感の増強に関連は認められなかったという。

 ただし、今回のメタ解析に組み入れられたRCTは全てバイアスのリスクが高く、追跡期間が短かった(平均追跡期間は体重への影響を検討したRCTで7週間、エネルギー摂取への影響を検討したRCTで2週間)。

 以上の結果から、Sievert氏らは「組み込まれた大半のRCTの質が低かったため、解析結果は慎重に解釈する必要がある」と強調。

 その上で、「現在のエビデンスに基づけば、朝食摂取が優れた減量戦略とは言い難い」と指摘した。

「体重管理において、日常的な朝食摂取に減量以外の重要な効果がある可能性は否定できないものの、成人に減量のために朝食を取るよう勧める際には、逆効果となる可能性もあるため注意が必要だ」と結論している。

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朝のウォーキング効果 [医学・医療短信]

「朝30分のウォーキング」に降圧効果

 過体重や肥満の人は、朝30分程度のウォーキングをすると、血圧コントロールに有用な可能性があることが、ベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のMichael Wheeler氏らの研究から明らかになった。

 この研究では、特に女性は、朝の運動に加えて座位時間を頻繁に中断することで、さらに血圧が下がることも示された。

 研究の詳細は「Hypertension」2月20日オンライン版に発表された。

 Wheeler氏らは今回、座りがちな生活習慣の55~80歳の高齢者67人(平均年齢67歳)を対象に、運動と座位時間の中断の組み合わせが血圧に及ぼす影響について調べた。

 参加者には、

 (1)8時間連続して座る(対照群)、
 (2)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座って過ごす、
 (3)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座っている間に30分ごと3分間の軽いウォーキングを行う-という3つの実験を、6日間以上の間隔を空けてランダムな順序で行ってもらった。

 その結果、男女ともに、朝に30分のウォーキングを行うと、運動しなかった場合に比べて、収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)の平均値がいずれも低下したことが分かった。

 特に女性では、朝のウォーキングに加えて、その日の座っている時間を頻繁に中断するとSBP値が大きく低下することが明らかになった。

 一方、男性では、座位時間を中断しても、さらなる降圧効果は認められなかった。

 Wheeler氏は、

 「男女ともに、朝の運動後または座位時間を頻繁に中断した後にみられたSBP値の低下効果は、降圧薬を服用した場合に期待されたものに近かった」と述べている。

 また、今回の結果では、朝の運動や座位時間の中断による降圧効果に男女差がみられた。

 この理由は明らかではないが、Wheeler氏らは、

「運動に対するアドレナリン反応などの複数の因子が影響した可能性がある」と推測している。

 さらに、同氏らによれば、研究に参加した女性は全員が閉経後であり、心疾患リスクが高い時期であったとしている。

 Wheeler氏によると、これまでの研究で、心疾患リスクが高い人は、座っている時間を中断して身体を動かすことは血圧管理に有用であることが報告されているという。

 同氏らは、

「朝に運動したり、座っている時間を中断したりすることが、若者や適正体重の人の血圧管理にも有益なのかどうかについては、今後さらに検討する必要がある」と述べている。


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糖尿病と朝食 [医学・医療短信]

血糖値上昇

2型糖尿病患者が朝食を抜いて昼食まで空腹でいると、昼食と夕食の後の血糖値が上昇しやすくなり、血糖コントロールの悪化につながるという、イスラエルのテルアビブ大学糖尿病ユニットの研究結果が発表されました。

研究参加者は、過体重の2型糖尿病患者22人(平均年齢57歳、罹病期間8.4年、HbA1c7.7%)。

「糖尿病患者が朝食を抜くと、たとえ昼食と夕食の炭水化物の量を減らしたとしても、血糖値の上昇を抑えることはできないでしょう」と、研究チームを主宰する教授は説明しています。

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心房細動指針 [医学・医療短信]

心房細動指針改訂

米国心臓協会、米国心臓病学会、米国不整脈学会は、心房細動(AF)管理ガイドライン(指針)2014年版を5年ぶりに改訂しました。

新指針では、AF患者の脳卒中予防に従来のワルファリンではなく非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬/直接作用型経口抗凝固薬を推奨しています。


「肥満のAF患者に対しては減量を推奨する。
 減量によってAF関連の健康リスクが減少するだけでなく、AFが改善する可能性もあることが複数の研究で示された」

新指針の執筆委員長は、

「AF患者は脳卒中リスクが上昇しており、重篤な転帰をたどる可能性がある。
 AF患者は、脳卒中リスク低下のために血栓形成リスクを低下させることだ」と話しています。

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アスピリンと 心血管疾患 [健康]

アスピリンの常用は?

心血管疾患(CVD)の既往がない患者では、アスピリンの心血管イベント予防効果は小さく、深刻な出血リスクが上昇すると、英ロンドン大学の研究グループが報告しました。

リーダーの教授は、

「心臓発作や脳卒中を予防する目的でアスピリンを使用している患者は非常に多い。

しかし、われわれの研究結果は、アスピリンの心血管イベント予防効果は小さく、深刻な出血リスクの上昇で相殺されることを示している」と述べ、

「CVD既往がない患者に対して、心血管イベント予防目的でのアスピリン使用を推奨するエビデンス(医学的証拠)は不十分」と結論づけています。

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赤ん坊の風呂の湯加減 [健康短信]

赤ん坊の風呂の湯加減、指先では×

 皮膚にはおびただしい感受体の網の目がひろがっています。

 熱い物を押しつけると、3万もある「温点」のいくつかが危険を告げます。

 しかし、脳は2、3個の感受体から通報がきただけでは、あまり注意を払いません。

 熱い針を皮膚に押しつけも、それほど熱く感じませんが、同じ熱さでもアイロンを押しつけると全身に警報がでます。

 ですから、赤ん坊の風呂の湯加減を指先だけでみるのは危ない。

 指先ではお湯があまり熱くなくても、赤ん坊の体じゅうの感受体では非常に熱く感じられるからです。

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果物とがん [健康短信]

がん予防に効く

果物ががん予防に効果があることは、よく知られています。

世界がん研究基金と米国がん研究協会の判定では、口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺のがんに対して、「果物はリスクを下げる可能性が大である」としています。

日本人のエビデンス(科学的証拠)に基づく評価でも食道がんのリスクを下げるのは「ほぼ確実」、胃がんと肺がんも「可能性あり」と判定されています。

果物ががん予防に効果を発揮する要因で最も大きいのは「抗酸化ビタミン」、ビタミンCの存在です。

体内で発生する活性酸素やフリーラジカルといったがんを作り出す物質を消し去ることを「抗酸化」といいますが、ビタミンCは抗酸化作用と免疫力を高める働きも持っているので、総合的にがん予防に寄与する可能性が高いといえるようです。

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