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心拍数と心血管リスク [医学・医療短信]

中年期安静時心拍数75超で心血管リスク倍増

 スウェーデン・University of Gothenburg(ヨーテボリ大学)のXiao-jing Chen氏らは、スウェーデン人男性約800人を21年間追跡して安静時心拍数が健康に及ぼす影響を検討。

 結果、50歳時の安静時心拍数が75/分を超えていた男性は55/分未満であった男性に比べ、全死亡および心血管イベントのリスクが2倍に上昇することが示されたとOpen Heart(2019; 6: e000856)に発表した。

 1/分増加ごとに全死亡リスク3%上昇

 この研究では、1943年にスウェーデン・イエーテボリで出生した男性1,450人をランダムに抽出。

 そのうち研究に同意してライフスタイル、心血管疾患(CVD)の家族歴、ストレスの強さに関する質問票に回答した798人を、1993年(50歳)から2014年(71歳)まで21年間追跡した。

 1993年、2003年、2014年の各時点で、安静時心拍数の測定および心電図検査を含む総合的な診察を行った。

 追跡期間中に119人(14.9%)が死亡、237人(29.7%)がCVDを発症、113人(14.2%)が冠動脈性心疾患(CHD)を発症した。

 1993年時に安静時心拍数が55/分以上の男性は55/分未満の男性に比べ、喫煙率が高い一方で身体活動度は低く、強いストレスを受けており、高血圧や過体重などの心血管危険因子の保有率が高かった。

 また、1993年時において安静時心拍数が75/分を超える男性は55/分未満の男性に比べ、全死亡リスク、CVDリスク、CHDリスクがそれぞれ約2倍に上昇していた。

 安静時心拍数が1/分増加するごとに、全死亡リスクは3%、CVDリスクは1%、CHDリスクは2%上昇した。

 心拍数の経年変化なければリスク低下

 一方、1993~2003年(50~60歳)の安静時心拍数の変化が4/分以内で安定していた男性は、5/分以上増加した男性に比べてその後11年間のCVDリスクが44%低かった。

 Chen氏らは研究の限界として、

 ①観察研究であるため因果関係を証明することはできない

 ②研究対象が男性のみ③被験者の加齢自体が危険因子として影響した可能性がある―などの点を指摘。

 その上で、今回の結果について、

 「将来の心血管リスクを特定する上で、安静時心拍数の経時的変化を観察することが重要である可能性を示唆しており、臨床的に重要な意味を持つ」と結論している。

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脳は豆腐 [医学・医療短信]

 長生きのコツを聞かれて、「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」と答えたのは、91歳の天寿を全うした岸信介元首相だった。

 老人の風邪は肺炎に進展しやすい。

 転ぶと、骨折しやすく、太ももの付け根を折って寝たきりになったり、頭を打って大ごとになる例が少なくない。

 脳は、豆腐のように軟らかい組織で、周りを脳脊髄液で囲まれ、頭蓋骨の中に浮かんでいる。

 豆腐の入ったボウルをゴツンとぶつけると、豆腐がゴシャゴシャと動くように、頭を打つと、その衝撃で脳が1秒の10分の1とか100分の1といった速さで振動する。

 頭蓋骨の中で脳が強くゆさぶられ、片方に寄る。

 脳の機能が一時的に障害されて短時間、意識を失ったり、判断力が鈍ったり、記憶喪失を起こしたりする。

「脳振盪(しんとう)」と呼ばれる状態だ。

 たいていすぐに回復して、大したことにはならないのだが、とっさの防御反応が鈍くなった人は、頭をまともに打って、脳の中に血液がたまる「硬膜下血腫」ができることがある。

 硬膜下血腫

 転んで頭を打っても、コブなどはできない。

 頭の外側には何の変化も認められない。

 だが脳の表面が傷つき、出血して、脳の表面と脳を覆っている硬膜の間に血液がたまり、血腫ができることがある。

 硬膜下血腫という。

 出血量の多い「急性硬膜下血腫」の場合、数時間内に意識を失うなどの異常が生じる。

 しかし、チョロッと出血したぐらいでは症状はほとんど出ないと、脳神経外科の専門家、平川公義・東京医科歯科大学名誉教授。

「症状が出たとしても、手足の力がなんとなく弱いとか、歩くときにちょっとふらつくとか、せいぜいそんなものです」

 ──そして1日か2日で元に戻る。出血が吸収されてしまうからだ。

「しかし、2、3日たってもどうも頭が痛い、へんな感じがあるというようなら病院に行ってください。

 何もなければそのまま何もしないで、むしろ1カ月か1カ月半たってなんだかおかしいと感じたら、CTで検査してもらい、確定診断を受けたほうがよいでしょう」

 ──そのとき脳では「慢性硬膜下血腫」が発生している。

 脳の硬膜の内側に血の塊ができる「慢性硬膜下血腫」は、高齢者に多くみられる脳障害で、頭を打ってから1カ月、ときには2、3カ月たってから徐々に症状が現れてくる。

「頭重や頭痛も訴えますが、足がふらつき、体の片側に軽いまひが生じることもあります。

 なんとなく周囲の状況がよくわからない感じで、ボーッとして反応が悪くなります。

 高齢者の慢性硬膜下血腫はよく見逃されたり、誤診されて老年性痴呆と間違われることがあります。

 ぼけてしまったということでほうっておかれると、治る認知症を見逃すことになります」

「また、例えば、正常圧水頭症といって、脳の中の脳脊髄液の循環が悪くなって、脳に水がたまってくる病気でも、ふらついたり、言葉がもつれたり、意識が悪くなったり、失禁したりします。

 お年寄りの頭の具合がだんだんおかしくなってきたら、頭の中で何が起こっているか、詳しく調べて、原因を突き止めなければいけません」

 以上、平川公義・東京医科歯科大名誉教授のアドバイス。

タグ:脳は豆腐
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睡眠障害 [医学・医療短信]

年をとると、寝つきがわるい(入眠困難)、夜中にしばしば目覚めてトイレに立つ(中途覚醒)、朝早く目覚める(早朝覚醒)などの睡眠障害がふえます。

そのため日中ぼんやりしていたり、眠気のためしばしば昼寝をすることにもなります。

そうした睡眠障害の原因はさまざまで、夜間の頻尿、睡眠時の呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)、足の不随意な動き(むずむず脚症候群)、関節痛などの身体的要因、神経症やうつ病などの精神的な要因が挙げられています。

周囲の人が、そうした人たちと接触する時間を多くし、話しかけたり、一緒に作業するなどの手段を用いて働きかける方法など、家庭で実行できることも多く、効果を上げています。

世界睡眠学会が睡眠に関する知識の普及や啓発を目的として「世界睡眠デー」に制定したのは2007年。世界70カ国以上が参加、睡眠障害を予防・治療し睡眠問題が社会に及ぼす悪影響を減らすため多くの活動を行っています。

世界の睡眠優先順位の実態では、成人の92%が、睡眠は健康充足にとって重要であると考えています。

また、82%がたった一晩でもよく眠れないと悪影響を実感し、68%が毎日の睡眠時間を増やすことができればQOL(生命・生活の質)が向上すると考えています。

ぐっすり眠りましょう。

タグ:睡眠障害
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魚の脂肪酸 [健康小文]

アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸が、不安症状の軽減に効果的なことが、国立がん研究センターと台湾の中國醫藥大學研究所の共同研究で明らかになりました。

詳細は米国医師会雑誌に発表されました。

オメガ3系脂肪酸を1日2,000mg以上摂取した場合に抗不安効果がみられました。

「今後は、オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患などの臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施し、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果を検証することが期待される」と、研究者は述べています。

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心拍数と心血管リスク [医学・医療短信]


中年期安静時心拍数75超で心血管リスク倍増

 スウェーデン・University of GothenburgのXiao-jing Chen氏らは、スウェーデン人男性約800人を21年間追跡して安静時心拍数が健康に及ぼす影響を検討。

 結果、50歳時の安静時心拍数が75/分を超えていた男性は55/分未満であった男性に比べ、全死亡および心血管イベントのリスクが2倍に上昇することが示されたとOpen Heartに発表した。

 1/分増加ごとに全死亡リスク3%上昇

 この研究では、1943年にスウェーデン・イエーテボリで出生した男性1,450人をランダムに抽出。

 そのうち研究に同意してライフスタイル、心血管疾患(CVD)の家族歴、ストレスの強さに関する質問票に回答した798人を、1993年(50歳)から2014年(71歳)まで21年間追跡した。

 1993年、2003年、2014年の各時点で、安静時心拍数の測定および心電図検査を含む総合的な診察を行った。

 追跡期間中に119人(14.9%)が死亡、237人(29.7%)がCVDを発症、113人(14.2%)が冠動脈性心疾患(CHD)を発症した。

 1993年時に安静時心拍数が55/分以上の男性は55/分未満の男性に比べ、喫煙率が高い一方で身体活動度は低く、強いストレスを受けており、高血圧や過体重などの心血管危険因子の保有率が高かった。

 また、1993年時において安静時心拍数が75/分を超える男性は55/分未満の男性に比べ、全死亡リスク、CVDリスク(同1.8、1.1~3.0、P=0.014)、CHDリスク(同2.2、1.1~4.5、P=0.025)がそれぞれ約2倍に上昇していた。

 安静時心拍数が1/分増加するごとに、全死亡リスクは3%、CHDリスクは2%上昇した。
 
 心拍数の経年変化なければリスク低下

 一方、1993~2003年(50~60歳)の安静時心拍数の変化が4/分以内で安定していた男性は、5/分以上増加した男性に比べてその後11年間のCVDリスクが44%低かった。

 Chen氏らは研究の限界として、

 ①観察研究であるため因果関係を証明することはできない

 ②研究対象が男性のみ③被験者の加齢自体が危険因子として影響した可能性がある―などの点を指摘。

 その上で、今回の結果について、

「将来の心血管リスクを特定する上で、安静時心拍数の経時的変化を観察することが重要である可能性を示唆しており、臨床的に重要な意味を持つ」と結論している。
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よい睡眠 [医学・医療短信]

睡眠時間が6時間未満の人はメタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇すると、韓国ソウル大学医学部の研究チームが13万人以上の調査結果を報告しました。

メタボや糖尿病のリスクがもっとも低いのは睡眠時間が7~8時間の人で、睡眠不足を解消すると空腹時血糖値の低下、インスリン分泌能の増大などが得られ、2型糖尿病のリスクが低下することが明らかになりました。

「メタボや2糖尿病を予防・改善するために、睡眠習慣の見直しをするべきです」と、研究者は述べています。毎晩ぐっすり眠りましょう。

よい睡眠3カ条

米国睡眠学会は、睡眠時間を十分に確保し、質の良い睡眠を得るために、次のことをアドバイスしています。

1 起きた時に朝日を浴びる

太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされ、夜の一定時刻になると自然に眠る準備がはじまり、寝つきが良くなります。

2 ウォーキングなどの運動をする

適度な運動をする習慣は、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけ、良い睡眠につながります。

3 寝る前にリラックスする時間帯をつくる

睡眠に大きく関わるのが自律神経の働き。

寝る前に体がリラックスした副交感神経が優位の状態に向かう移行期をつくる工夫が必要です。

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友人と糖尿病 [医学・医療短信]

「友人が多いほど糖尿病になりにくい」は本当か

 中高年から高齢になると社会的に孤立している人よりも、付き合いのある友人が多い人ほど2型糖尿病になりにくい可能性があることが、オランダで行われた新たな研究で報告された。

「BMC Public Health」オンライン版に掲載された論文の著者らは、社会的なネットワークを広げて孤立を防ぐことは、2型糖尿病の予防策の一つになると強調している。

 この研究は、オランダに在住する40~75歳の男女を対象とした観察研究(Maastricht Study)に参加した2861人のデータを解析したもので、交友関係の広さや社会的な交流への参加頻度と糖尿病リスクとの関係を調べた。

 参加者の平均年齢は60歳、半数は女性であり、56.7%は血糖値が正常で、15%は糖尿病前症、28.3%は2型糖尿病患者(既往例が24.4%、新規診断例が3.9%)であった。

 解析の結果、付き合いのある知り合いが多い方が、少ない人よりも2型糖尿病の発症リスクが低かった。

 こうした知り合いが1人減るごとに、男女で糖尿病リスクは5~12%高まっていた。

 また、女性では独居であるかどうかは糖尿病リスクに影響しなかったが、男性では一人暮らしをする人で糖尿病リスクが94%高まっていた。

 研究を主導したマーストリヒト大学のStephanie Brinkhues 氏は、

「社会的ネットワークはその範囲が広いほど、個人のライフスタイルに重要な影響を与えるようになる。

 ネットワークが広いということは、必要な時に社会的支援を受けやすく、自宅の外に出る機会が多いことを意味する。

 こうした活動は健康的な食習慣や運動習慣を促し、ライフスタイルに改善をもたらす」と述べており、

 社会的なネットワークを広げることは運動不足や肥満を主たる原因とする2型糖尿病を予防するのに重要なステップになると強調している。

 また、1人暮らしの男性で2型糖尿病リスクが高かった理由について、論文の責任著者を務める同大学准教授のMiranda Schram氏は、

「男性は一人になると、女性よりも自分自身の事に無頓着になり、新鮮な野菜や果物を食べなくなったり、運動をしなくなるなど不健康な生活習慣に陥りやすくなると考えられる」と指摘する。

 そのため、2型糖尿病のリスクが高い人には、新しい友人を作って交流したり、ボランティアや趣味の集まりに積極的に参加することが勧められるとしている。

 両氏はともに、この研究は社会的ネットワークの広さと2型糖尿病リスクとの関連を示したに過ぎないが、これまで他の研究で、独居や社会的サポートの不足が2型糖尿病リスクを高める可能性が報告されていることから、

「これらの2つの因子は2型糖尿病の発症に大きく影響する可能性が高い」との考えを示している。

 一方で、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏は専門家の立場から、

 この研究は大規模で印象的なものではあるが、数々の限界点があると指摘する。

 その一つは、研究デザイン自体の問題で、人生のある時期だけを検討したに過ぎず、人生の中で起こった個々人の変化を考慮していない点にあるという。

 また、糖尿病の発症には多くの因子が関連しており、それぞれの影響の大きさを正確に測るのは難しく、今回の結果を再現するにはさらに多くの研究を行う必要があるとしている。

 同氏は、社会的ネットワークが2型糖尿病の発症に何らかの役割を果たすにしてもその影響は小さく、

「友人の多さや社会的な孤立の有無で糖尿病の発症や進行に影響があるとは考えにくい」と話している。

タグ:糖尿病
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お笑いとうつ病 [医学・医療短信]

「うつ病に効果あるかも」お笑いと健康の関係
石蔵文信 / 大阪大学招へい教授

 明るく楽しく過ごすことが健康につながり、がんや高血圧、糖尿病の治療に良い効果があることはよく知られている。

 例えばがんと診断され、完治の見込みがなく、余命が1年くらいと宣告された時、より良い治療を求めてドクターショッピングを繰り返すとあまり長生きできない印象があるが、逆に腹をくくって、残った財産で好きなことをしようと決めた患者さんは、予想以上に元気でい続けることがある。

 私の知人も末期がんで余命1年未満と宣告されたが、残った人生を楽しく生きるしかないと腹をくくったようで、最後までたばこや酒をやめなかったが3年以上元気だった。

 笑いと健康の関係を調べる研究が進んでいる

 がん患者が楽しく生きることで、がん細胞をやっつけるナチュラルキラー(NK)細胞などの免疫系が活性化され、がんを封じ込めるのではないかと考えられている。

 さらに笑うことで、緊張時の交感神経モードから、リラックス時の副交感神経モードになるため血圧が下がり、血流が改善する効果も期待できる。

 最近は、笑いの健康への効果を真剣に検討する研究者が増えてきたようだ。

 中国の研究者が成人のうつ病、不安および睡眠の質に対するお笑い介入の効果をいろいろなデータベースを解析して検討している(Journal of Advanced Nursing誌オンライン版2019年3月18日号)。
 
 それによると、お笑い介入が成人のうつ病、不安を有意に減少させ、睡眠の質を改善することが示されたという。

 そして長期的なお笑い介入は、うつ病患者により多くの利益をもたらすのではないか? と推測されている。

 難しいのは笑いのツボが個人で違うことや、笑いの質をどのように評価するかだろう。

 お笑いがうつ病に良いかもしれないと思って、患者を無理に演芸場に連れて行くのは、あまりお勧めできない。

 またスペインの研究者は、笑いを誘うようなユーモラスなビデオをうつ病患者と健常者に見せて笑いの質を分析している(Journal of Affective Disorders誌2014年5月号)。

 それによると、うつ病患者と健常者では笑いのタイプに差が見られ、さらに笑いとうつ病状態との間にも強い関連性があることが示唆されている。

 このことから笑いを分析することでうつ病の状態や深刻度を把握できる可能性があるとしている。

 ただ、やはり笑いには個人的な差が大きく、楽しそうに笑っていない場合もあったようだ。

 日本でも、落語家を招いて「笑いの健康作用検証試験」が行われた 。

 見ただけでは病気と分からない「ほほえみうつ病」

 「ニコニコしているからうつ病ではない」と短絡的に考えて診断を誤ることもある。

 通称“ほほえみうつ病”という概念がある。

 中高年男性によくある状態で、診察室に入ってきた時は妙にニコニコしていて、あまり重症なうつ病には見えない。

 症状も軽めに言うので、医師は深刻なうつ病と診断しない場合がある。

 うつ病は血液や画像検査では診断できないので、本人の申告をもとに医師が判断する。

 だから、ニコニコして症状も深刻でなかったらうつ病と診断できないことがある。

「深刻なうつ病と診断されて、休職でもさせられたら大変だ」との思いから、症状をつい軽く伝えてしまう人もいるからだ。

 それを避けるためにも身近にいる妻や親からの聞き取りは重要だ。

 もし妻や親がもっと深刻な状態であると話したら、そちらの方が真実かもしれないと判断した方が安全である。

 ほほえみ型うつ病の男性の表情は総じて硬く、楽しそうでないことは経験豊富な医師なら気づくだろう。

 笑うことが健康に良いのは確かだろうが、しんどい時に無理に笑う必要はない。

 つらい気持ちを素直に出したほうがよい場合もある。

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もち米玄米! [健康短信]

 玄米に血糖値を下げる効果

 玄米は、稲の果実である籾から籾殻のみを取り除いたもの。

 玄米の外皮は栄養価が高いため、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれる。

 琉球大学の研究チームは、玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)-オリザノール」に、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果があることを明らかにしている。

 この栄養成分が脳の中枢に作用し、食欲を抑えることも解明。

 玄米を食べると、自然に食事の好みが変化し、食べ過ぎを抑えられるという。

 このように健康に良い効果のある玄米だが、一般的には好んで食べられていない傾向がある。

 玄米が好まれない原因はいくつかある。

 そのひとつは硬さ(食感)。えぐみや匂いが気になるという人も少なくない。

「もち米玄米」は玄米の欠点を解消

 そうした玄米の欠点を解消する方法がある。

 それは、「もち米玄米」を使うというものだ。

 「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。

 米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。

 聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科は、2型糖尿病患者37人を対象に、「もち米玄米」を8週間摂取してもらう研究を行った。

 結果、24時間平均血糖値および食後血糖値が改善することが明らかになった。

 研究チームは、参加者を精白米を摂取するグループと、「もち米玄米」を摂取するグループに無作為に分けた。

 24時間の平均血糖値は、「白米」を摂取したグループでは144.2mg/dLだったのに対し、「もち米玄米」を摂取したグループでは126mg/dLに低下した。食後血糖値も改善した。

 嗜好性に関するアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示した。

「玄米食のパサパサとした食感を好まない人も多いが、もち米玄米のしっとりと柔らかな食感は日本人の好みに合っている」と、研究者は述べている。

全粒穀物を食べている人は2型糖尿病の発症が少ない、心血管疾患リスクも低下、と、スウェーデンとデンマークの研究チームが、報告している。

 全粒穀物を食べると心血管疾患リスクが低下

 米国ハーバード大学公衆衛生大学院が約12万人を対象とした研究によると、全粒穀物を1日28g以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、死亡率が5%低下する。

 とくに心筋梗塞や心臓発作などの心血管疾患で死ぬリスクは9%も低下するという。

 約16万人を18年間追跡した調査では、全粒穀物が多い人では2型糖尿病の発症リスクが最大で35%低下することが判明した。

 毎日のパンを全粒穀物に代えることを推奨

 全粒穀物を毎日50g(1日に3皿分)以上摂っていたグループでは、ほとんど摂らないグループに比べて、2型糖尿病の発症リスクは、男性で34%、女性で22%それぞれ低下した。

 玄米が2型糖尿病リスクを低下

 玄米にも糖尿病を予防する効果がある。

 1日の摂取量の3分の1に相当する50gの白米を、同じ量の玄米にかえると、2型糖尿病のリスクは16%低下する。

 「全粒穀物を食べることで糖尿病や心血管疾患を予防でき、寿命を延ばせることが示されました。精製されていない穀類を食べ続ければ、長期間で大きな差が出てきます」と、ハーバード大学公衆衛生大学院のキ サン准教授は言う。

 米国の食事ガイドラインでは、成人は全粒穀物を1日あたり少なくとも3〜5サービングを食べることを推奨している。

 全粒穀物のパン1切れがおよそ1サービングに相当し、食物繊維は2g以上含まれる。

タグ:血糖値 玄米
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人工甘味料と血糖値

 人工甘味料は血糖値に影響しない可能性/米研究

 人工甘味料は砂糖の代替として飲料や菓子などの食品に広く用いられているが、人工甘味料を摂取しても血糖値には影響を及ぼさないことが、29件のランダム化比較試験(RCT)を対象に行ったメタ解析で示された。

 ただし、研究を行った米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校食品栄養科学部のAlexander Nichol氏は、

「この結果から、血糖値が気になる場合でも人工甘味料の摂取は安全だと言えるが、人工甘味料入りの飲料や食品を好きなだけ食べてよいという意味ではない」と強調している。

 研究の詳細は「European Journal of Clinical Nutrition」オンライン版に掲載された。

 砂糖の替わりに人工甘味料(非栄養甘味料とも呼ばれる)を用いると、甘みを減らすことなく食品や飲料のカロリーを抑えられることから、人工甘味料は肥満や心臓病、特に糖尿病のリスクを低減させると期待されている。

 米国では、その使用量は急激に増えており、1999~2000年から2009~2012年にかけて子どもでは約3倍に、成人でも約1.5倍に増加した。

 現在では、子どもの4人に1人、成人の5人に2人が人工甘味料を習慣的に摂取しているとの推計もある。

 米国では8種類の人工甘味料が認可されており、これらには今回のRCTで検討対象とされたサッカリンとアスパルテーム、ステビオール配糖体、スクラロースが含まれる。

 また、「無糖(sugar-free)」と表示された食品の一部には、糖アルコールと呼ばれる甘味料(ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イソマルトース、水素化デンプン加水分解物)が含まれている。

 今回の研究で、Nichol氏らは、対象者が人工甘味料を他の食品やカロリーを含む飲料なしで単独で摂取したRCT論文を抽出。

 計741人が参加した29件のRCTを対象にメタ解析を実施し、4種類の人工甘味料(アスパルテーム、サッカリン、ステビオール配糖体、スクラロース)が血糖値に及ぼす影響について調べた。

 対象者のほとんどは健康な人で、2型糖尿病患者は69人、健康状態が不明だった人は150人だった。

 結果、人工甘味料を摂取しても血糖値にはベースライン時から上昇はみられず、人工甘味料は血糖値には影響しないことが分かった。また、4種類の人工甘味料の間で血糖値への影響に差はみられなかった。

 論文共著者の一人で同校食品栄養科学部のMaxwell Holle氏は、

「過去の研究の多くでは、他の食品と一緒に摂取した場合の人工甘味料の影響のみが検討されていた。今回の結果は、人工甘味料を単独で摂取した場合を検討しており、信頼性が高いと言えるだろう」と述べている。

 専門家の1人で米コロンビア大学のMaudene Nelson氏は、

「無糖」表示については誤解が多いと指摘する。

「たとえ砂糖が含まれていなくても、食品や飲料そのものには炭水化物や脂質、たんぱく質が含まれており、摂取すれば血糖値に影響する。

 また、カロリーもあるので体重にも影響を及ぼすことに気を配る必要がある」と話している。

 また、今回の解析には含まれなかった糖アルコールについて、

「(糖アルコールを)摂取し過ぎると、腹部膨満感や下痢の原因になることにも注意する必要がある」と同氏は付け加えている。
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