喫煙と黒色腫 [医学・医療短信]
喫煙で黒色腫患者の生存率が40%低下
英・University of LeedsのJoanna Poźniak氏らは、英国の黒色腫患者703例を対象に、黒色腫に対する免疫応答の調節因子について検討。
黒色腫=メラノーマ(ほくろのがん)
結果、環境因子として喫煙が黒色腫患者の免疫応答を変化させ、そのために非喫煙の患者より生存率が40%低下することが示されたとCancer Res(2019年2月17日オンライン版)に発表した。
免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測因子にも
Poźniak氏らによる解析の結果、黒色腫と診断された喫煙者の10年生存率は、喫煙歴のない黒色腫患者に比べて40%低かった。
黒色腫に対する免疫応答が強い患者156例に限定したサブグループ解析では、喫煙者の生存率は非喫煙者の4.5分の1だった。
同氏らは、免疫応答が強い喫煙者で生存率の低下幅が大きかったことから、喫煙が黒色腫細胞に対する免疫応答に直接影響している可能性があると考えており、これらの結果は免疫チェックポイント阻害薬による治療効果の予測因子になりうるとしている。
ただし、この研究では黒色腫患者の生存率低下と喫煙との関連は判明したものの、因果関係について確固たる結論を導くことはできなかった。
喫煙が免疫系に有害作用を及ぼすことは他の研究でも報告されているが、有害作用の原因物質はまだ特定されていない。
喫煙が免疫系の調和を乱す
研究責任者である同大学のJulia Newton-Bishop氏は、
「免疫系は多数の楽器で合奏するオーケストラのようなものだ。この研究は、喫煙がオーケストラの調和を乱し、各楽器の奏者がばらばらに演奏を続ける状態をつくり出している可能性があることを示している。
喫煙者は黒色腫に対抗する免疫応答を維持しているものの、その効果が非喫煙者に比べて低下しているため、生存率が低下していると考えられる」と説明。
「これらの結果に基づき、黒色腫と診断された患者には禁煙を強く推奨すべきである」と述べている。
英・Cancer Research UKの健康情報責任者であるJulie Sharp氏は、
「喫煙が黒色腫患者の生存率を低下させる可能性があることが示された以上、患者が生涯にわたり禁煙できるように、あらゆる支援を行うことが極めて重要」と述べている。
英・University of LeedsのJoanna Poźniak氏らは、英国の黒色腫患者703例を対象に、黒色腫に対する免疫応答の調節因子について検討。
黒色腫=メラノーマ(ほくろのがん)
結果、環境因子として喫煙が黒色腫患者の免疫応答を変化させ、そのために非喫煙の患者より生存率が40%低下することが示されたとCancer Res(2019年2月17日オンライン版)に発表した。
免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測因子にも
Poźniak氏らによる解析の結果、黒色腫と診断された喫煙者の10年生存率は、喫煙歴のない黒色腫患者に比べて40%低かった。
黒色腫に対する免疫応答が強い患者156例に限定したサブグループ解析では、喫煙者の生存率は非喫煙者の4.5分の1だった。
同氏らは、免疫応答が強い喫煙者で生存率の低下幅が大きかったことから、喫煙が黒色腫細胞に対する免疫応答に直接影響している可能性があると考えており、これらの結果は免疫チェックポイント阻害薬による治療効果の予測因子になりうるとしている。
ただし、この研究では黒色腫患者の生存率低下と喫煙との関連は判明したものの、因果関係について確固たる結論を導くことはできなかった。
喫煙が免疫系に有害作用を及ぼすことは他の研究でも報告されているが、有害作用の原因物質はまだ特定されていない。
喫煙が免疫系の調和を乱す
研究責任者である同大学のJulia Newton-Bishop氏は、
「免疫系は多数の楽器で合奏するオーケストラのようなものだ。この研究は、喫煙がオーケストラの調和を乱し、各楽器の奏者がばらばらに演奏を続ける状態をつくり出している可能性があることを示している。
喫煙者は黒色腫に対抗する免疫応答を維持しているものの、その効果が非喫煙者に比べて低下しているため、生存率が低下していると考えられる」と説明。
「これらの結果に基づき、黒色腫と診断された患者には禁煙を強く推奨すべきである」と述べている。
英・Cancer Research UKの健康情報責任者であるJulie Sharp氏は、
「喫煙が黒色腫患者の生存率を低下させる可能性があることが示された以上、患者が生涯にわたり禁煙できるように、あらゆる支援を行うことが極めて重要」と述べている。