慢性腰痛 [健康短信]
慢性腰痛は精神的なストレス
体の異常がないのに痛みが3ヵ月以上続く「慢性腰痛」は、精神的なストレスが原因であることが多く、ウォーキングやストレッチなどが予防や再発に効果的です。
東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの調査によると、
多くの人が、
「仕事に対する満足度が低い」
「上司のサポート不足」
「週労働時間が60時間以上」
「日常生活や仕事に支障をきたした経験のある人が家族にいる」
といった問題を抱えていることが判明しました。
「前かがみの姿勢、座位での猫背、腰を反らした状態が続くと、腰への負担が増し、それが引き金になって痛みや違和感を生じやすくなる」ということです。
体の異常がないのに痛みが3ヵ月以上続く「慢性腰痛」は、精神的なストレスが原因であることが多く、ウォーキングやストレッチなどが予防や再発に効果的です。
東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの調査によると、
多くの人が、
「仕事に対する満足度が低い」
「上司のサポート不足」
「週労働時間が60時間以上」
「日常生活や仕事に支障をきたした経験のある人が家族にいる」
といった問題を抱えていることが判明しました。
「前かがみの姿勢、座位での猫背、腰を反らした状態が続くと、腰への負担が増し、それが引き金になって痛みや違和感を生じやすくなる」ということです。
減量には朝食? [医学・医療短信]
「減量には朝食が必須」は嘘?
一般的に朝食を取ることは体重管理で重要だと考えられているが、日常的な朝食の摂取が減量を促すことを支持するエビデンスはない、とのメタ解析結果が明らかになった。
オーストラリア・Monash UniversityのKatherine Sievert氏らがBMJ(British Medical Journal 2019; 364: l42)に発表した。
体重の差わずか0.44㎏
これまで、複数の研究から朝食の摂取は体重管理に役立つことが示されていた。
しかし、そのほとんどが観察研究で、日常的な朝食摂取以外の健康的な生活習慣や食品選択などが結果に影響している可能性は否定できなかった。
そこで今回Sievert氏らは、日常的な朝食摂取が体重およびエネルギー摂取に及ぼす影響について検討するため、システマチックレビューとメタ解析を実施した。
同氏らは、PubMedなどから1990年1月~2018年1月に発表された、朝食が体重またはエネルギー摂取に及ぼす影響について検討したランダム化比較試験(RCT)に関する文献を検索した他、icalTrials.govなどを用いて2018年10月時点で論文化されていないRCTおよび進行中のRCTを検索した。
注=PubMed(パブメド)は生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を掲載する MEDLINEなどへの無料検索エンジンである。 アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立 医学図書館(NLM)が情報検索Entrezシステムの一部としてデータベースを運用して いる。
メタ解析には13件のRCTを組み入れた。
このうち7件で朝食が体重の変化に及ぼす影響が、10件では朝食がエネルギー摂取に及ぼす影響が検討されていた。
解析の結果、日常的に朝食を抜いた被験者は朝食を摂取した被験者よりも体重減少がわずかに多かった(平均差0.44kg、95%CI 0.07~0.82kg)。
ただし、試験結果の間に非一貫性が認められた(I2=43%)。
また、朝食摂取群では朝食抜き群と比べて1日当たりのエネルギー摂取量が多かった(平均差259.79kcal/日、95%CI 78.87~440.71kcal/日)。
ただし、これらの試験結果の間にも大きな非一貫性が認められた(I2=80%)。
成人の減量では逆効果となる可能性も
その他、これまで1日の早い時間帯に食べた方がカロリーは消費されやすく、遅い時間帯の食べ過ぎを防げると考えられてきたが、今回のメタ解析では、朝食を取る人と朝食抜きの人でエネルギー代謝率に差は認められなかった。
さらに一般的な考えに反し、朝食を抜くことと午後の空腹感の増強に関連は認められなかったという。
ただし、今回のメタ解析に組み入れられたRCTは全てバイアスのリスクが高く、追跡期間が短かった(平均追跡期間は体重への影響を検討したRCTで7週間、エネルギー摂取への影響を検討したRCTで2週間)。
以上の結果から、Sievert氏らは「組み込まれた大半のRCTの質が低かったため、解析結果は慎重に解釈する必要がある」と強調。
その上で、「現在のエビデンスに基づけば、朝食摂取が優れた減量戦略とは言い難い」と指摘した。
「体重管理において、日常的な朝食摂取に減量以外の重要な効果がある可能性は否定できないものの、成人に減量のために朝食を取るよう勧める際には、逆効果となる可能性もあるため注意が必要だ」と結論している。
一般的に朝食を取ることは体重管理で重要だと考えられているが、日常的な朝食の摂取が減量を促すことを支持するエビデンスはない、とのメタ解析結果が明らかになった。
オーストラリア・Monash UniversityのKatherine Sievert氏らがBMJ(British Medical Journal 2019; 364: l42)に発表した。
体重の差わずか0.44㎏
これまで、複数の研究から朝食の摂取は体重管理に役立つことが示されていた。
しかし、そのほとんどが観察研究で、日常的な朝食摂取以外の健康的な生活習慣や食品選択などが結果に影響している可能性は否定できなかった。
そこで今回Sievert氏らは、日常的な朝食摂取が体重およびエネルギー摂取に及ぼす影響について検討するため、システマチックレビューとメタ解析を実施した。
同氏らは、PubMedなどから1990年1月~2018年1月に発表された、朝食が体重またはエネルギー摂取に及ぼす影響について検討したランダム化比較試験(RCT)に関する文献を検索した他、icalTrials.govなどを用いて2018年10月時点で論文化されていないRCTおよび進行中のRCTを検索した。
注=PubMed(パブメド)は生命科学や生物医学に関する参考文献や要約を掲載する MEDLINEなどへの無料検索エンジンである。 アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立 医学図書館(NLM)が情報検索Entrezシステムの一部としてデータベースを運用して いる。
メタ解析には13件のRCTを組み入れた。
このうち7件で朝食が体重の変化に及ぼす影響が、10件では朝食がエネルギー摂取に及ぼす影響が検討されていた。
解析の結果、日常的に朝食を抜いた被験者は朝食を摂取した被験者よりも体重減少がわずかに多かった(平均差0.44kg、95%CI 0.07~0.82kg)。
ただし、試験結果の間に非一貫性が認められた(I2=43%)。
また、朝食摂取群では朝食抜き群と比べて1日当たりのエネルギー摂取量が多かった(平均差259.79kcal/日、95%CI 78.87~440.71kcal/日)。
ただし、これらの試験結果の間にも大きな非一貫性が認められた(I2=80%)。
成人の減量では逆効果となる可能性も
その他、これまで1日の早い時間帯に食べた方がカロリーは消費されやすく、遅い時間帯の食べ過ぎを防げると考えられてきたが、今回のメタ解析では、朝食を取る人と朝食抜きの人でエネルギー代謝率に差は認められなかった。
さらに一般的な考えに反し、朝食を抜くことと午後の空腹感の増強に関連は認められなかったという。
ただし、今回のメタ解析に組み入れられたRCTは全てバイアスのリスクが高く、追跡期間が短かった(平均追跡期間は体重への影響を検討したRCTで7週間、エネルギー摂取への影響を検討したRCTで2週間)。
以上の結果から、Sievert氏らは「組み込まれた大半のRCTの質が低かったため、解析結果は慎重に解釈する必要がある」と強調。
その上で、「現在のエビデンスに基づけば、朝食摂取が優れた減量戦略とは言い難い」と指摘した。
「体重管理において、日常的な朝食摂取に減量以外の重要な効果がある可能性は否定できないものの、成人に減量のために朝食を取るよう勧める際には、逆効果となる可能性もあるため注意が必要だ」と結論している。
朝のウォーキング効果 [医学・医療短信]
「朝30分のウォーキング」に降圧効果
過体重や肥満の人は、朝30分程度のウォーキングをすると、血圧コントロールに有用な可能性があることが、ベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のMichael Wheeler氏らの研究から明らかになった。
この研究では、特に女性は、朝の運動に加えて座位時間を頻繁に中断することで、さらに血圧が下がることも示された。
研究の詳細は「Hypertension」2月20日オンライン版に発表された。
Wheeler氏らは今回、座りがちな生活習慣の55~80歳の高齢者67人(平均年齢67歳)を対象に、運動と座位時間の中断の組み合わせが血圧に及ぼす影響について調べた。
参加者には、
(1)8時間連続して座る(対照群)、
(2)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座って過ごす、
(3)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座っている間に30分ごと3分間の軽いウォーキングを行う-という3つの実験を、6日間以上の間隔を空けてランダムな順序で行ってもらった。
その結果、男女ともに、朝に30分のウォーキングを行うと、運動しなかった場合に比べて、収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)の平均値がいずれも低下したことが分かった。
特に女性では、朝のウォーキングに加えて、その日の座っている時間を頻繁に中断するとSBP値が大きく低下することが明らかになった。
一方、男性では、座位時間を中断しても、さらなる降圧効果は認められなかった。
Wheeler氏は、
「男女ともに、朝の運動後または座位時間を頻繁に中断した後にみられたSBP値の低下効果は、降圧薬を服用した場合に期待されたものに近かった」と述べている。
また、今回の結果では、朝の運動や座位時間の中断による降圧効果に男女差がみられた。
この理由は明らかではないが、Wheeler氏らは、
「運動に対するアドレナリン反応などの複数の因子が影響した可能性がある」と推測している。
さらに、同氏らによれば、研究に参加した女性は全員が閉経後であり、心疾患リスクが高い時期であったとしている。
Wheeler氏によると、これまでの研究で、心疾患リスクが高い人は、座っている時間を中断して身体を動かすことは血圧管理に有用であることが報告されているという。
同氏らは、
「朝に運動したり、座っている時間を中断したりすることが、若者や適正体重の人の血圧管理にも有益なのかどうかについては、今後さらに検討する必要がある」と述べている。
過体重や肥満の人は、朝30分程度のウォーキングをすると、血圧コントロールに有用な可能性があることが、ベイカー心臓・糖尿病研究所(オーストラリア)のMichael Wheeler氏らの研究から明らかになった。
この研究では、特に女性は、朝の運動に加えて座位時間を頻繁に中断することで、さらに血圧が下がることも示された。
研究の詳細は「Hypertension」2月20日オンライン版に発表された。
Wheeler氏らは今回、座りがちな生活習慣の55~80歳の高齢者67人(平均年齢67歳)を対象に、運動と座位時間の中断の組み合わせが血圧に及ぼす影響について調べた。
参加者には、
(1)8時間連続して座る(対照群)、
(2)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座って過ごす、
(3)1時間座った後に中強度のウォーキングを30分行い、その後6.5時間座っている間に30分ごと3分間の軽いウォーキングを行う-という3つの実験を、6日間以上の間隔を空けてランダムな順序で行ってもらった。
その結果、男女ともに、朝に30分のウォーキングを行うと、運動しなかった場合に比べて、収縮期血圧(SBP)および拡張期血圧(DBP)の平均値がいずれも低下したことが分かった。
特に女性では、朝のウォーキングに加えて、その日の座っている時間を頻繁に中断するとSBP値が大きく低下することが明らかになった。
一方、男性では、座位時間を中断しても、さらなる降圧効果は認められなかった。
Wheeler氏は、
「男女ともに、朝の運動後または座位時間を頻繁に中断した後にみられたSBP値の低下効果は、降圧薬を服用した場合に期待されたものに近かった」と述べている。
また、今回の結果では、朝の運動や座位時間の中断による降圧効果に男女差がみられた。
この理由は明らかではないが、Wheeler氏らは、
「運動に対するアドレナリン反応などの複数の因子が影響した可能性がある」と推測している。
さらに、同氏らによれば、研究に参加した女性は全員が閉経後であり、心疾患リスクが高い時期であったとしている。
Wheeler氏によると、これまでの研究で、心疾患リスクが高い人は、座っている時間を中断して身体を動かすことは血圧管理に有用であることが報告されているという。
同氏らは、
「朝に運動したり、座っている時間を中断したりすることが、若者や適正体重の人の血圧管理にも有益なのかどうかについては、今後さらに検討する必要がある」と述べている。