肺と肺炎 [医学・医療短信]
肺と肺炎
インフルエンザや風邪で最も怖いのは肺炎を併発することだ。
インフルエンザによる死亡例の90%以上は肺炎死だ。
特に気をつけなければいけないのは、高齢者と幼児。
肺炎になっても自覚症状が乏しく、あっという間に重症になる。
熱が高くならない、セキやタンもあまり出ない、呼吸が苦しいとも訴えないが、顔だけ赤い。
ぐったりしてしまう。食べない─といった例が多く、いきなり意識障害が起こることもあるという。
そうなる前に早く気づいて受診しよう。
「肺炎は老人に安らかな死をもたらす最後の友だ」と言ったのは、近代内科学の父、ウイリアム・オスラーだ。
ま、いずれはそれを望むとしても、なるべくならずーっと先延ばしにしたいものだ。
肺の最も大切な役目は、空気の中の酸素を血液中に取り入れ、血液中の炭酸ガスを吐き出すことだが、吸い込む空気の中には病原菌がいっぱい混じっている。
そこへもってきて肺には、全身から心臓に戻った、汚れた(栄養豊富な)血液が、そのまま入ってくる。
病原菌の繁殖にはもってこいの環境だ。
繁殖し始めた病原菌を追い出そうと、白血球など体の防衛軍が集まってきて、戦争(炎症)が起こるのが、肺炎だ。
エックス線写真にはそこは真っ白に映る。
が、ごく初期の肺炎はエックス線にはまだ影が出ない。
聴診器のほうがよくわかると、練達の内科医は言う。
「慣れた医者は、聴診器で肺の中の小さな特異な雑音をキャッチし、素早く病変を見つけます」
インフルエンザや風邪で最も怖いのは肺炎を併発することだ。
インフルエンザによる死亡例の90%以上は肺炎死だ。
特に気をつけなければいけないのは、高齢者と幼児。
肺炎になっても自覚症状が乏しく、あっという間に重症になる。
熱が高くならない、セキやタンもあまり出ない、呼吸が苦しいとも訴えないが、顔だけ赤い。
ぐったりしてしまう。食べない─といった例が多く、いきなり意識障害が起こることもあるという。
そうなる前に早く気づいて受診しよう。
「肺炎は老人に安らかな死をもたらす最後の友だ」と言ったのは、近代内科学の父、ウイリアム・オスラーだ。
ま、いずれはそれを望むとしても、なるべくならずーっと先延ばしにしたいものだ。
肺の最も大切な役目は、空気の中の酸素を血液中に取り入れ、血液中の炭酸ガスを吐き出すことだが、吸い込む空気の中には病原菌がいっぱい混じっている。
そこへもってきて肺には、全身から心臓に戻った、汚れた(栄養豊富な)血液が、そのまま入ってくる。
病原菌の繁殖にはもってこいの環境だ。
繁殖し始めた病原菌を追い出そうと、白血球など体の防衛軍が集まってきて、戦争(炎症)が起こるのが、肺炎だ。
エックス線写真にはそこは真っ白に映る。
が、ごく初期の肺炎はエックス線にはまだ影が出ない。
聴診器のほうがよくわかると、練達の内科医は言う。
「慣れた医者は、聴診器で肺の中の小さな特異な雑音をキャッチし、素早く病変を見つけます」
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