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心拍数と心血管リスク [医学・医療短信]


中年期安静時心拍数75超で心血管リスク倍増

 スウェーデン・University of GothenburgのXiao-jing Chen氏らは、スウェーデン人男性約800人を21年間追跡して安静時心拍数が健康に及ぼす影響を検討。

 結果、50歳時の安静時心拍数が75/分を超えていた男性は55/分未満であった男性に比べ、全死亡および心血管イベントのリスクが2倍に上昇することが示されたとOpen Heartに発表した。

 1/分増加ごとに全死亡リスク3%上昇

 この研究では、1943年にスウェーデン・イエーテボリで出生した男性1,450人をランダムに抽出。

 そのうち研究に同意してライフスタイル、心血管疾患(CVD)の家族歴、ストレスの強さに関する質問票に回答した798人を、1993年(50歳)から2014年(71歳)まで21年間追跡した。

 1993年、2003年、2014年の各時点で、安静時心拍数の測定および心電図検査を含む総合的な診察を行った。

 追跡期間中に119人(14.9%)が死亡、237人(29.7%)がCVDを発症、113人(14.2%)が冠動脈性心疾患(CHD)を発症した。

 1993年時に安静時心拍数が55/分以上の男性は55/分未満の男性に比べ、喫煙率が高い一方で身体活動度は低く、強いストレスを受けており、高血圧や過体重などの心血管危険因子の保有率が高かった。

 また、1993年時において安静時心拍数が75/分を超える男性は55/分未満の男性に比べ、全死亡リスク、CVDリスク(同1.8、1.1~3.0、P=0.014)、CHDリスク(同2.2、1.1~4.5、P=0.025)がそれぞれ約2倍に上昇していた。

 安静時心拍数が1/分増加するごとに、全死亡リスクは3%、CHDリスクは2%上昇した。
 
 心拍数の経年変化なければリスク低下

 一方、1993~2003年(50~60歳)の安静時心拍数の変化が4/分以内で安定していた男性は、5/分以上増加した男性に比べてその後11年間のCVDリスクが44%低かった。

 Chen氏らは研究の限界として、

 ①観察研究であるため因果関係を証明することはできない

 ②研究対象が男性のみ③被験者の加齢自体が危険因子として影響した可能性がある―などの点を指摘。

 その上で、今回の結果について、

「将来の心血管リスクを特定する上で、安静時心拍数の経時的変化を観察することが重要である可能性を示唆しており、臨床的に重要な意味を持つ」と結論している。
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