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少年の夏・老年の夏 [健康短信]

 暑い! 暑い! 暑い!

 1年中で平均して最も気温が高いのは7月20日から8月10日ごろだというが、気分的に暑さを最もつらく感じるのは7月のうちだ。
 
 体がまだ暑熱に慣れきっていないからだ。

 汗腺の働きが十分発達するためにも、血液中の水分が増えて汗を出やすくするためにも、あるいはホルモンのバランスを夏型に替えるためにも、また体のリズムを夏型に切り替えるのにも、少なくとも2週間はかかる。

 青年は体力があるからこの環境の変化に十分対応できるし、回復も早い。
  
 高齢者はそうはいかない。

 体力、免疫力、体をいつも同じ健康な状態に保っておくためのホメオスタシス(恒常性維持)の機能など、みな低下しているからだ。

 同じ暑さでも、若者と老人では体の受けるダメージの大きさが違うのだから無理をしてはいけない。

 ゲートボールなど日中の運動はほどほどに......。

 といっても、あまり体を動かさないのも考えもの。

 体力が落ちるし、夜の寝つきも悪くなる。早朝や夕方に庭仕事をしたり、軽い運動をしよう。

 日中の外出には日傘や帽子をお忘れなく。水分摂取も大切だ。
 
 児童待望の夏休みが始まった。

 夢のようにおぼろな遠い記憶だが、自分の子どものころを振り返ってみても、1年中で最も楽しい季節が夏休みだった。

 夏休みは、子どもの心と体を鍛える絶好の季節だが、思いがけぬけがをしたり、体調を崩してしまうことも少なくない。

 危険な遊びをしない、危険な場所に入らない、小さい子どもたちだけで川や海へ行かない―といったことをよく言い聞かせよう。

 暑い日に外で遊ぶときは必ず帽子をかぶる。

 カンカン照りの下で走り回っていて、頭痛、めまい、脱力感などを訴える子がいたら、軽い熱中症(日射病)にかかったのだ。
 
 日陰の涼しいところに2時間くらい寝かせると、じきに治る。

 水分の補給が大切だが、うすい塩水かトマトジュース、スポーツドリンクなど食塩の入った飲み物を飲ませるといい。

 汗をたくさんかくと、体内の塩分が失われるからだ。

 ほどよく冷えていたほうが、体への吸収率がいい。

 昼間は運動して体を十分動かし、夜はぐっすり眠って体を十分に休める。

 その釣り合いが丈夫な体をつくる必要条件だ。

 なつやすみ・五つの注意

 夏休みの子どもが、食中毒や下痢を起こさないようにと、学校食事研究会がまとめたのが、「なつやすみ・五つの注意」だ。

 な=生ものに注意。7~9月は一年中で最も食中毒が多い季節。

 原因食品別にみると、1位が調理済みの複合調理食品で、2位が魚介類。

 この二つで半分以上を占める。

 調理済み食品と魚の生ものにはくれぐれもご注意。

 あやしいと思ったら食べるのをやめるか、火を通すなどする。

 つ=冷たい飲みものの飲み過ぎに注意。

 暑い日にはとかく冷たいジュース類を飲み過ぎて、食事の量が少なくなり、栄養のバランスを崩す恐れがある。

 や=夜食に気をつけよう。

 夏休みは花火、ぼん踊り、映画会など夜の行事も多く、つい遅い時間に夜食を取りがち。

 夜ふかし、夜食は害のみあって益なし。

 す=好き嫌いをなくそう。親子の接触が多い夏休みは偏食をなおす絶好の機会だ。

 み=三日坊主をなくそう。

 夏休みは、子どもが自分で計画を立て、実践し、よい習慣を身につけたい時期。

 例えば、ふだん朝食抜きの子は「朝ご飯しっかり」の目標を立て毎日実行することで習慣化する。

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日本人のがんワースト5 [健康短信]

 9月の「がん征圧月間」が始まったのは、1960(昭和33)年だった。

 この年のがん死亡者は9万3773人、日本人の死因2位だった(1位は脳卒中=死亡数15万5966人)。

 以来、年ごとにがんはふえ続け、1981(昭和56)年、脳卒中を抜いて、1位になった(死亡数16万6399人)。

 2009年、がんで死亡した人は34万4105人(全死亡者の約3分の1)、日本人の2人に1人が、生涯何らかのがんになり、3人に1人はがんで死ぬ──と言われる。

 死亡率の高いがんの部位ワースト5は、男性では肺、胃、大腸、肝臓、膵臓。女性では大腸、肺、胃、膵臓、乳房。

 これに、胆嚢、食道、男では前立腺、女では卵巣、子宮──のがんを加えると、日本人のがん死亡の8割以上を占める。

 一方、罹患数の多いがんの部位は、男性では胃、大腸、肺、前立腺、肝臓、女性では乳房、大腸、胃、肺、子宮だ。

 あらゆるがんから身を守るには、大別して二つの方法がある。第一の方法は、がんの原因を除いたり、是正したりして、がんにかからないようにすること。「1次予防」という。

 第二の方法は、早期発見・早期適正治療によってがんを完全に治し、がんで死ぬことを防ぐ「2次予防」だ。

 男女ともに死亡率ワースト3の胃がん、肺がん、大腸がんの1次予防のポイントを簡単に記す。

 胃がんの予防は、塩分を取り過ぎず、カビの生えたもの、熱過ぎるもの、焼け焦げたものをなるべく避けるようにする。

 また、ある種の食品のもつ発がん性が、ほかの食品と一緒に食べると消失したり、反対に二つの食品を一緒に食べると胃の中で発がん物質ができたりすることもある。

 同じ物を長期間食べ続けるなど、食事内容がワンパターンにならないようにしたほうがよい。

 肺がんの予防は、いうまでもなく、まず、非喫煙。これはもう人類の常識だ。

 いまだにたばこを吸っている人は、禁煙が無理ならせめて節煙を心がけるべきだろう。

 それとともに酒を飲み過ぎないこともだいじな条件だ。

 酒(アルコール)に発がん性があるわけではないが、発がん性物質はアルコールに溶けやすく、体の組織の中に入りやすい。

 酒は、いわばがんの運び屋の役目をする。たばこを吸いながら酒を飲むのは、がんを招き寄せているようなものなのだ。

 大腸がん予防の第一条件は野菜(食物繊維)をたくさん食べることだ。

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ビタミンDと大腸がん [健康短信]

ビタミンDが十分だと大腸がんリスク低下

 骨の健康維持に欠かせない栄養素であるビタミンDは、食事から摂取できるだけでなく、紫外線を浴びると体内で生成される。

 新たな研究で、ビタミンDの血中濃度が高いほど、大腸がんになるリスクは低減する可能性のあることが示された。

 研究によると、これらの関連は特に女性で強かったという。詳細は「Journal of the National Cancer Institute」6月14日オンライン版に掲載された。

 米国では、大腸がんはがんによる死亡原因の第3位を占めており、2018年には14万250人が新たに大腸がんと診断され、5万630人が大腸がんにより死亡すると推計されている。

 また、生涯で大腸がんに罹患(りかん)する確率は、女性では24人に1人、男性では22人に1人といわれている。

 米国がん協会(ACS)疫学研究部門長のMarjorie McCullough氏らは今回、17件のコホート研究に参加した計5706人のがん患者と、計7107人の健康な対照群のデータを用いて、血中25(OH)D濃度と大腸がん罹患との関連を調べた。

 対象者の約3分の1では、血液サンプルを再分析して新たに血中25(OH)D濃度を測定した。

 解析の結果、血中25(OH)D濃度が正常範囲だが低い(50~62.5nmol/L)場合に比べて、ビタミンDが不足または欠乏(血中25(OH)D濃度が30nmol/L未満)していると、大腸がんになるリスクが31%高いことが分かった。

 一方で、血中25(OH)D濃度が十分であると(75~87.5nmol/Lおよび87.5~100nmol/L)、大腸がんになるリスクはそれぞれ19%、27%低下した。

 また、血中25(OH)D濃度が25nmol/L上昇するごとに、大腸がんになるリスクは女性では19%、男性では7%低下することも明らかになった。

 ただし、血中25(OH)D濃度が100nmol/L以上になると、この効果は頭打ちになった。

 しかし、大腸がんを予防するために、わざわざ日焼けをする必要はないようだ。

 McCullough氏によれば、大腸がんリスクが上昇するほどビタミンDが欠乏している米国人はわずかに過ぎないという。

 ほとんどの人は普段の生活でビタミンDを十分に取れており、過剰摂取は逆に身体に悪影響を及ぼすため、サプリメントの摂取は勧められないとしている。

 また、紫外線は皮膚がんの強いリスク因子になるため、「ビタミンDの血中濃度を上げるために日焼けすることは勧められない」と同氏は強調している。

 ビタミンDは骨の健康に重要なことが知られているが、がんやそれ以外の疾患に対する有効性は十分に検討されていない。

 2011年の米国医学研究所(IOM、現・米国医学アカデミー;NAM)による食事摂取基準に関する報告書でも、ビタミンDによるがん予防効果については十分なエビデンス(科学的根拠)はないことが記されている。

 なお、ビタミンDががん予防に働く機序は明らかにされていないが、基礎研究で、ビタミンDには細胞の増殖を抑えたり、細胞死を促進する作用があることが示されている。

 McCullough氏は「ビタミンDはこうした作用により異常ながん細胞の増殖を抑えるように働くのではないか」と話している。

(HealthDay News 2018年6月15日)Copyright [コピーライト] 2018

「毎日新聞デジタル版 医療プレミア」2018年7月10日
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足のタコと魚の目 [健康短信]

気になる足のタコと魚の目の原因は
 回答者 高山かおる先生(埼玉県済生会川口総合病院・皮膚科)

【Q】20代から足裏にタコと魚の目があります。硬くなると歩けないほど痛くて、月に1回削っています。原因は立ち方ですか、体質ですか。(福岡県みやこ町、女性、52歳)

【A】原因で最も多いのは、足に合わない靴を履き続けたケースです。

 タコや魚の目は、どちらも物理的な刺激が過剰に加わることでできます。

 骨の上にできるタコは丘状に盛り上がり、骨と骨の間の軟らかい部分などにできる魚の目は、皮膚の下に向かってくさび形に増殖します。

 硬くなった部分を削るのは痛みの緩和になりますが、自己流で削りすぎると皮膚を傷める可能性があります。皮膚科などで削ってもらうのをお勧めします。

 原因で最も多いのは、足に合わない靴を履き続けたケースです。

 サイズが小さいと指先が強く当たったり、幅が狭くて左右から圧迫されたりします。

 逆に大きいのもよくありません。歩く度に靴の中で足が滑り、刺激となるからです。

 歩き方や姿勢の問題もあります

 歩き方や姿勢の問題もあります。

 タコや魚の目ができる人はよく、甲が高くて土踏まずが大きくくぼんでいる「凹足(おうそく)」や、足の指が浮いて踏ん張ることができない「浮き指」などのトラブルを抱えています。

 合わない靴を履き、痛みをかばうような歩き方の癖が付くと、腰痛にもつながります。

 女性の患者が圧倒的に多いのは、ハイヒールを履いていた経験などが関係しています。

 足の形に合う靴を探すために専門家(シューフィッター)のいる店で試着し、足の長さや幅を確認してもらってください。

 フットケアサロンやスポーツジムで、インストラクターが指導をしてくれるところもあります。

 また整形外科医院によっては、足の状態を診て公的健康保険を使ってリハビリテーションをしてくれることもあるので、相談するといいでしょう。

 「毎日新聞 医療プレミア」による。

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ハト 、危険! 妊婦さんご注意。 [健康短信]

本当はキケンな公園のハト 特に妊婦は要注意
谷口恭 / 太融寺町谷口医院院長

 知っていますか? 意外に多い動物からうつる病気

「ハトが嫌い」という人も、公衆の面前で堂々と宣言するのは抵抗があるのではないでしょうか。

 なにしろ、ハトは「平和の象徴」と考えられています。

 ですから、ピカソが手掛けた1949年の第1回平和擁護世界大会(World Congress of Partisans of Peace)のポスターには一羽のハトが描かれていますし、たばこの「ピース」のパッケージもハトです。

 また、ハトが優秀なのも事実で、伝書バトは1000km以上離れた地点からでも巣に戻ることができると言われています。

 これほどまで人間から高い評価を受けているハトですが、感染症の観点からは近づかない方が無難です。

 特に妊娠の可能性がある女性は、公園などハトがいるところは避けることを勧めます。

 ハトが媒介する、感染してはいけない感染症がいくつかあるからです。

 妊婦には特に危険なオウム病

 一つは「オウム病」(クラミジア・シッタシ)です。

 ヒトに感染するクラミジアは3種類あります。

 市中肺炎(健常者が日常生活で感染する肺炎)で多いクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)、オウムやインコ、ハトなどから感染するクラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)、性行為で感染するクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)です(クラミジア・ニューモニエとシッタシは、「クラミドフィラ」と呼ぶべきなのですが、いずれも「クラミジア」として知られています)。

 オウム病は2017年に立て続けに妊婦さんが亡くなったことで注目を浴びました。

 このときに、鳥に注意せよ、ということが言われるようになり、インコやオウムなど飼育している鳥だけでなく、公園にいるハトにも注意すべきであることが指摘されました。

 トキソプラズマも感染の可能性

 そして、ハトから感染するのはオウム病だけではありません。

 猫が媒介するトキソプラズマにも注意が必要です。

 ハトのフンにトキソプラズマが混入しているわけではありませんが、野生のハトはトキソプラズマに高率で感染していることが知られており、またトキソプラズマで死ぬハトの報告もあることから、くちばしでつつかれたり、爪でひっかかれたりすれば感染の可能性が否定できない、と思われます。

 また、猫のフンに含まれるトキソプラズマは、数カ月もの間、土や水のなかで生き延びますから、これがハトの足やくちばしに付着している可能性もあるでしょう。

 猫のフンと一緒に排出されるトキソプラズマはハトのフンには含まれていません。

 ですが、ハトのフンに注意しなければならない感染症もあります。

 代表的なのがクリプトコッカス(Cryptococcus neoformans)とヒストプラズマ(Histoplasma capsulatum)で、感染率を検証したベネズエラの研究では、ハトのフンからそれぞれ1.4%、1.3%検出されています。

 クリプトコッカス…治療は可能だがリスクも

 ここからはクリプトコッカスの話をします。

 クリプトコッカスは真菌(カビ)の一種です。

 言葉を省略するのが得意な日本人は医療者も含めて病原体を略して呼ぶことがあります。

 マイコプラズマなら「マイコ」、トキソプラズマは「トキソ」、インフルエンザは「インフル」……といった感じです。

 ですが、クリプトコッカスは決して「クリプト」とは呼ばれません。

 なぜなら、似たような名前の感染症に「クリプトスポリジウム」があるからです。

 もしも、クリプトコッカスのことをクリプトなどと呼べば、それだけで無知な医療者と思われてしまうのです。

 クリプトコッカスは、免疫能が正常な人の多くは体内に入っても感染が成立しません。

 問題なのはHIV陽性者など免疫能が低下している人で、感染すると全身に波及し、脳が障害されることがあります。

 実際、クリプトコッカスはエイズ指標23疾患のひとつです(ややこしいことに、クリプトスポリジウムも23疾患のひとつです)。

 クリプトコッカスが脳にまで及ぶと認知障害や人格変化が起こり、治療開始が遅れれば死に至ることもあります。

 免疫不全者に感染しやすくて、重症化すると脳が障害されて人格変化まで起こるとなると、トキソプラズマにそっくりです。

 両者とも認知障害や異常行動などが初めて出る症状であることも多く、症状だけで区別できないこともよくあります。

 異なるのは、妊婦さんへの感染です。

 トキソプラズマが妊娠中に感染すると生まれてくる赤ちゃんに奇形のリスクがありますが、クリプトコッカスにはありません。

 ですが、健常者といえども、感染し重症化することもないわけではありませんから、やはり妊娠中にはハトに近づかないのが無難です。

 クリプトコッカスがやっかいなのは、治療法があるとはいえ、極めて強力で高価な抗真菌薬を比較的長期間使わねばならないということです。

 当然、こういった薬を使うときはいくつもの副作用のリスクを負わねばなりません。

 健常者には簡単に感染しないとはいえ、いったん感染すると治療に難渋するのです。

 HIV陽性者はさらに苦労します。私がタイのエイズ施設でボランティアをしていたとき、抗HIV薬が無料で支給されるようになってからも、クリプトコッカスに有効な抗真菌薬が高価すぎて入手できずに困ったことがあります。

入院中の外出、公園や寺社は避ける

 ところで、入院中に病院の近くなら散歩してもいいと言われたとすれば、あなたはどこに行きたいでしょうか。

 公園、お寺、神社などが思い浮かばないでしょうか。

 ところが、日本全国どこに行ってもたいていこういうところにはハトがいます。

 それもたくさんいます。

 入院中ということは、手術の後であったり、抗がん剤の治療を受けていたりして免疫能が低下していることも多いわけです。

 そんなときにハトのフンが混ざった空気を吸い込んでクリプトコッカスを発症……などということは絶対に避けねばなりません。

 ということは、病院の近くの公園、寺、神社からはハトを一掃すべきだ、という声が出てきてもいいと思うのですが、おそらくそういった対策をとっているところはあまりないのではないでしょうか。

 であるならば、我々にもできることをしましょう。

 ハトにエサを与えない、ということも重要ですが、それよりも大切なのは「ハトがキケン」ということを多くの人に知ってもらうことです。「5分の知識」で命が救えるかもしれないのです。
   ×   ×   ×
 注:今回述べているのはクリプトコッカスの中のCryptococcus neoformansです。

 他にCryptococcus gattiiと呼ばれるものにも病原性がありますが、日本での報告はほとんどありません(皆無ではありませんが)ので今回は言及していません。

「毎日新聞 医療プレミア」2018年6月24日による

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さびる体を防御する食べ物 [健康短信]

年齢とともにさびる体 抗酸化の食べ物で防御を
山下理絵 / 湘南藤沢形成外科クリニックR総院長

 世間をにぎわしたアメフットの悪質タックル事件は衝撃的でした。

 私は学生時代、バスケットボールをしていました。

 体育学部ではないので、コートでできる練習は週2回です。

 大学時代はコーチも監督もいませんでしたが、バスケが好きで、少しでもうまくなりたくて、試合に勝つために練習をしていました。

 命じられてタックルをさせられた選手は会見で「好きだったフットボールがあまり好きではなくなってしまった」と話していました。

 自分が好きでがんばってきたものを嫌いになるなんて、とても悲しいことです。

 62歳の指導者に対しては、誰もが怒りを感じていることと思います。

 トップに立つものは常に人の声を聞き、特に自己の意見と反する声を考える必要があります。

 権力を持った人の悪い典型例なのでしょう。

「男性更年期」になるとイライラとし攻撃的になり、ますます他人の声が聞こえなくなることも多いようです。

 ところで、「記憶にない、言ってない」と言う皆さんは、黒塗りの車に乗って病院に逃れますね。

 でも、病院は治療をするところ。

 静養やメディアからの逃避は別の場所でしてほしいものです。

 さて、この事件が世間をにぎわしていたこの1カ月ほどの間は学会シーズンと重なり、私は毎週1時間講演をしていました。

 肌の老化の原因と対策に重要な酸化の話です。

 活性酸素から身を守る“掃除屋”の抗酸化物質

 美肌の大敵のひとつが酸化です。

 リンゴをむいて放っておくと、シワシワになって茶色にくすみます。

 これが酸化現象です。

 体の一番表層にある皮膚は、常に酸化の脅威にさらされていますが、皮膚の上にある皮脂膜が防御しています。

 しかし、酸化にかかわる、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素などの「活性酸素」が増え過ぎると、シミやシワなどのさまざまな障害が生じます。

 私たちは、呼吸をして生きています。

 普段の呼吸で取り込んだ酸素全量の約2%が活性酸素になります。

 これが過剰になると、除去しきれなくなり、体内の細胞や組織を傷つけるため、あらゆる病気の原因になるのです。

 最近では、老化も活性酸素が原因ではないかと言われています。

 私たちは体内に、活性酸素と結びついて排除する掃除屋(スカベンジャー)という抗酸化物質を持っています。

 代表的なのは、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼです。

 しかし、このスカベンジャーの生産は22~23歳がピークで、40歳になると半減します。

 25歳で“お肌の曲がり角”を迎え、40歳で生活習慣病が増えるのは、これらの物質の生産量と関係があるのかもしれません。

 酸化で、お肌をサビさせないようにしましょう。

 抗酸化物質の積極的な摂取で酸化を防御

 加齢とともに、体内のスカベンジャーが減少するので、体外からの補充が必要になります。

 また、活性酸素が増えないように気をつけることも大切です。

 活性酸素が増える原因として、紫外線や放射線、電磁波、ストレス、たばこ、排ガス、アルコール、腸内の悪玉菌の異常発酵、過度の運動などが挙げられます。

 自己防御には、食物やサプリメントで抗酸化物質を摂取し活性酸素を減らすことも一つの方法です。

 ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10、α-リポ酸、グルタチオン、カテキン、ポリフェノールなどのサプリメントや、これらの栄養素を含む食物を摂取することを心がけましょう。

 ビタミンCなら、レモンなどの柑橘(かんきつ)系の果物や、ブロッコリー、ピーマン▽Eなら、大豆、うなぎ、しじみ▽β-カロテンでは、ニンジンなどの緑黄色野菜▽リコピン(カロテン)ならトマト▽ポリフェノールはゴマや赤ワイン--から得られます。

 年齢とともに、体はサビ(酸化し)ていきます。

 暑くなってきました。

 紫外線対策を十分に、排ガスやPM2.5などの大気汚染に気をつけ、ストレスをためず良質な睡眠を取ってください。

 そして、抗酸化物質を上手に取ることが、アンチエイジング、美肌対策の一つだと言えます。

 明日は今日よりきれいになーれ。

「毎日新聞 医療プレミア」による。
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全世代適応。 熱中症の年代別注意点 [健康短信]

子どもからお年寄りまで 熱中症の年代別注意点
志賀隆 / 国際医療福祉大学准教授/同大学三田病院救急部長

 朝っぱらから太陽ギラギラ、猛暑到来!を実感。

 いよいよ熱中症の季節が始まります。

 専門医の助言をうかがいました。

 まず症例。
 
 夏の朝9時、佐藤さん(70歳女性)は、散歩中に足に力が入らなくなり、コンビニエンスストアの前で動けなくなってしまいました。

 頭痛と吐き気を訴えています。

 お店の人が119番、救急搬送されました。

 救急外来で医師の診察を受けました。

 外気温、運動中の出来事、症状から熱中症の診断となり点滴などの治療をうけました。

 夏の運動といえばやはり熱中症が心配です。

 熱中症が起こる3要素

 夏だから誰でも熱中症になるというわけではありません。

 熱中症になりやすいのは、どのようなことがそろった時でしょうか?

 1.環境(気温・湿度・風速・日射輻射<ふくしゃ>などが関係)

 2.からだ(高齢者、精神や心臓の病気を持つ方、普段の活動度の低い方にリスク)

 3.行動(屋外でのスポーツ、運動や労働など)

 この三つの要素のバランスによって起きるものと考えるのがいいでしょう。

 夏を中心に心配な熱中症は、体内における熱の産出と体外への熱の放散のバランスが崩れて、体温が上昇してしまう状態を指します。そして、夏以外でも気温が高ければ起きます。

 どのようなときに、熱中症を疑うべきでしょうか?
 
 具体的には、暑い環境にいる、もしくはいた後に、以下のような症状が表れている場合、熱中症の可能性を考えます。

 熱中症の症状は

 ▽めまい▽だるさ▽頭痛▽吐き気・嘔吐(おうと)▽失神(立ちくらみ)▽生あくび▽大量の発汗▽強い口渇感▽筋肉痛▽筋肉の硬直(こむら返り)▽意識障害▽けいれん▽高体温(深部体温 >40℃)--など。

 暑い環境にいたあとに、これらの症状を呈しており、なおかつ感染など他の原因疾患が考えられないという場合には、熱中症と診断します。

 どんなことが熱中症のリスクになる?

 熱中症は、若年や中壮年の人が体を動かしているときになる「労作時熱中症」と、高齢者が暑い環境にいることでおきる「非労作時熱中症」に大別されます。

 平日にオフィスワークをしているみなさんは、普段あまり運動をしていないのに休日の炎暑の日中にサッカー・野球などのスポーツをしたといった時に注意が必要です。

 前述の環境、からだ、行動の要素が見事にそろうため、熱中症で調子が悪くなることが多いのです。

 労作時熱中症は、「行動」の面から男性に多く起こります。

 熱中症が起こりやすい時間帯としては、正午ごろと午後3時前後に二つのピークがあります。

 スポーツは昼間の時間帯を避け、朝夕など比較的涼しい時間帯にやりましょう。

 ▽高齢者の場合は?

 毎年夏になると、熱中症による高齢者の死亡例が頻発します。

 高齢化と温暖化に伴う避けられぬ状況です。

 高齢者の熱中症の多くは「非労作時熱中症」です。

 典型的には、気温の上昇とともにエアコンがない、またはあってもつけていない自宅内で重度の熱中症を発症するお年寄りが増えます。

 非労作時熱中症とは、文字通り「運動や仕事など」がなくても日常生活の中で徐々に進行する熱中症です。

 そして、労作時熱中症よりも重症化しやすいという特徴があります。

 室内で発症する非労作時熱中症は、高齢の1人暮らしの人に多く、精神疾患や高血圧、糖尿病、認知症などの持病があると重症化しやすいと報告されています。

 認知症患者さんのご家族は、このタイプの熱中症があること、気温の上昇とともに注意が必要なことを知っておいてください。

 ▽子どもの場合は?

 子どもの難しいところは、コミュニケーションです。

「調子が悪い」「普段と違う」ということを大人のように自ら伝えられないことが多いからです。

 家族や大人が子どもの様子を観察し、「普段と違うのでは?」と気をつけることが大切です。

 気温が上昇した時に、

「いつもはとっても元気なのにだるそう」

「頭が痛いといって機嫌が悪い」

「食欲がなくてだるそう」などというサインを子どもが出していたら、家族や大人が見つけてあげてください。

 なかでも、水分が取れない、歩けないなど状態がより悪い場合には、医療機関を受診する必要があるでしょう。

 医療関係者も、ぐったりしているお子さんが来院した場合には熱中症を疑い、鑑別診断にあげることが肝要になります。

 予防で大切なことは?

 熱中症は重症化してしまうと入院なども必要になるため、高温多湿な環境で働いている人は日ごろから予防を徹底することが大切です。

 労作時熱中症の特徴は、今まで元気だった健康な人が、気温の高い外気にさらされることで短時間のうちに発症するということです。

 中壮年の場合は仕事中の発症頻度が高く、屋外の工事現場などで作業している人や、分厚い衣服を着て訓練を行う消防士などに多くみられます。

 以下、仕事中の熱中症予防のためにできることをあげます。

 ●涼しい服装をする

 ●体調を整える、体調の悪いときに無理しない

 ●炎天下での行動を避ける、慣れない運動などを控える

 ●休憩の頻度を増やす

 ●こまめに水分と電解質(ナトリウムなど)を補給する

 ●夜しっかりと寝て疲労回復に努める

 ●飲酒は疲労・脱水の原因となるため控えめに

  どんな飲みものがいいの?

 熱中症の対策の飲み物としては、経口補水液やスポーツドリンクなど、水分と電解質の補給に適した市販飲料を取ることをおすすめします。

 スポーツドリンクは糖分が多すぎるのではないかという意見もありますが、普段健康な人であれば、私はあまり気にしなくていいと考えています。

 こまめに水分をとって脱水にならないようにすることを重視してください。

 また、高齢者は自身の脱水に気づきにくい傾向があり、さらに、水分補給の際、塩分が少ない「お茶」を飲む傾向があります。

そのため、水分を取っているつもりでも、熱中症対策に必要な電解質が十分に補えているとは限りません。

 いかがでしょうか?

 「環境」についてはコントロールできませんが、「からだ」「行動」についてはコントロール可能です。

 これからの猛暑の季節に向けて、良い対策をして楽しい夏を過ごしていただければと思います。

「毎日新聞 医療プレミア」による
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友人の数と糖尿病、関係あるの? [健康短信]

「友人が多いほど糖尿病になりにくい」は本当か

 中高年から高齢になると社会的に孤立している人よりも、付き合いのある友人が多い人ほど2型糖尿病になりにくい可能性があることが、オランダで行われた新たな研究で報告された。

 査読つき OA(open access=オープンアクセス )ジャーナル専門の出版社BMC (BioMed Central=バイオメド・セントラル)の「 Public Health(公衆衛生)」オンライン版に掲載された論文の著者らは、社会的なネットワークを広げて孤立を防ぐことは、2型糖尿病の予防策の一つになると強調している。

 この研究は、オランダに在住する40~75歳の男女を対象とした観察研究(Maastricht Study)に参加した2861人のデータを解析したもので、交友関係の広さや社会的な交流への参加頻度と糖尿病リスクとの関係を調べた。

参加者の平均年齢は60歳、半数は女性であり、56.7%は血糖値が正常で、15%は糖尿病前症、28.3%は2型糖尿病患者(既往例が24.4%、新規診断例が3.9%)であった。

 解析の結果、付き合いのある知り合いが多い方が、少ない人よりも2型糖尿病の発症リスクが低かった。

 こうした知り合いが1人減るごとに、男女で糖尿病リスクは5~12%高まっていた。

 また、女性では独居であるかどうかは糖尿病リスクに影響しなかったが、男性では一人暮らしをする人で糖尿病リスクが94%高まっていた。

 研究を主導したマーストリヒト大学のStephanie Brinkhues 氏は、

「社会的ネットワークはその範囲が広いほど、個人のライフスタイルに重要な影響を与えるようになる。

 ネットワークが広いということは、必要な時に社会的支援を受けやすく、自宅の外に出る機会が多いことを意味する。

 こうした活動は健康的な食習慣や運動習慣を促し、ライフスタイルに改善をもたらす」と述べており、

 社会的なネットワークを広げることは運動不足や肥満を主たる原因とする2型糖尿病を予防するのに重要なステップになると強調している。

 また、1人暮らしの男性で2型糖尿病リスクが高かった理由について、論文の責任著者を務める同大学准教授のMiranda Schram氏は、

「男性は一人になると、女性よりも自分自身の事に無頓着になり、新鮮な野菜や果物を食べなくなったり、運動をしなくなるなど不健康な生活習慣に陥りやすくなると考えられる」と指摘する。

 そのため、2型糖尿病のリスクが高い人には、新しい友人を作って交流したり、ボランティアや趣味の集まりに積極的に参加することが勧められるとしている。

 両氏はともに、この研究は社会的ネットワークの広さと2型糖尿病リスクとの関連を示したに過ぎないが、これまで他の研究で、独居や社会的サポートの不足が2型糖尿病リスクを高める可能性が報告されていることから、

「これらの2つの因子は2型糖尿病の発症に大きく影響する可能性が高い」との考えを示している。

 一方、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長を務めるJoel Zonszein氏は専門家の立場から、この研究は大規模で印象的なものではあるが、数々の限界点があると指摘する。

 その一つは、研究デザイン自体の問題で、人生のある時期だけを検討したに過ぎず、人生の中で起こった個々人の変化を考慮していない点にあるという。

 また、糖尿病の発症には多くの因子が関連しており、それぞれの影響の大きさを正確に測るのは難しく、今回の結果を再現するにはさらに多くの研究を行う必要があるとしている。

 同氏は、社会的ネットワークが2型糖尿病の発症に何らかの役割を果たすにしてもその影響は小さく、

「友人の多さや社会的な孤立の有無で糖尿病の発症や進行に影響があるとは考えにくい」と話している。

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要注意!「臭い」「回数が多い」 [健康短信]

おならが「臭い」「回数が多い」ときは要注意!

 「毎日新聞 医療プレミア」 ヘルスデーニュース

 おならは、口から入った空気と、腸内で食べ物が分解されるときに発生するガスが混ざったものです。

 腸の動き(蠕動<ぜんどう>運動)が低下しているとおならは出ません。

 そのため、おならが出るのは悪いことではないのです。

 しかし、やたらと回数が増えたり、おならが臭くなったりするときは原因があるはずです。

 おならが増える原因として、ひとつに「口から飲み込む空気の増加」が考えられます。

 その場合「呑気症(どんきしょう)/空気嚥下(えんげ)症」が疑われます。

 私たちは緊張したときなどストレスがかかると、無意識につばを飲み込んでいます。

 そのとき同時に空気も取り込んでしまっているのです。

 呑気症の症状は、頻繁なおならのほかに、ゲップがでる、胃腸の不快感がある、おなかのはりがある、息苦しいなどの症状がみられます。

 食事はゆっくりとるなどの生活習慣の改善とともに、ストレス緩和が必要となります。

 とはいえ、頻繁に出るおならの原因の多くは、「腸内ガスの大量発生」と考えられます。

 ガスの発生には、腸内の善玉菌/悪玉菌が大きく関わっています。

 善玉菌は食物繊維や炭水化物を分解します。

 そのときにガスが発生しますが、このガスは二酸化炭素やメタンで、においはほとんどありません。

 たとえば、サツマイモなど食物繊維を多く含む食品を食べたあと、あまり臭くないおならが一時的に増えます。

 腸が元気に働いている証拠なので心配はいりません。

 一方、悪玉菌は肉類などのたんぱく質や脂質を分解します。

 そのときに発生するガスは、アンモニアや硫化水素、スカトールといったにおいのあるもの。

 肉類を多くとっている、食生活が乱れている、便秘をしているなど、悪玉菌が増える生活を続けていると、臭いおならが出やすくなります。

 また、悪玉菌の増殖によって発生するガス(有毒ガス)は、腸の粘膜から血管に入り、血液によって全身に運ばれると、肌荒れ、口臭、体臭の原因にもなります。

 有毒ガスは腸壁を傷つけるだけでなく、大腸がんの原因物質を発生することもわかっています。

 さらには、腸内の免疫機能に悪影響を及ぼすため、アレルギー疾患を発症しやすくなることが明らかになっています。

 したがって、「臭いおなら」を我慢すると、有毒ガスを腸内にため込むことになり、ますます腸内環境を悪化させてしまいます。

 そもそも、おならは生理現象の一つです。トイレに行って出すなど、できるだけ我慢しないようにしましょう。

 おならの悩みは腸内環境を整えることで改善できます。

 ヨーグルト・チーズ・納豆などの乳酸菌食品や、野菜・海藻・きのこ類など食物繊維を積極的に食べるようにしましょう。

 また、便秘解消には、ストレッチなど軽い運動のほか、休息をとるなどストレス対策が有効です。

 監修:南雲久美子(目黒西口クリニック院長)
 「ケータイ家庭の医学」2018年3月掲載より (C)保健同人社
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日本的緑内障とは [健康短信]

 日本的緑内障

 きょう6月7日は「緑内障を考える日」。

 日本人の中途失明原因の第1位は、ずっと糖尿病網膜症だったが、2004年からそれが緑内障に代わった。

 同年、厚生労働省が発表した「視覚障害の原因」は、

 緑内障25%、糖尿病網膜症20%、黄斑変性症11%、網膜変性症11%の順。

 緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)が高くなって視神経が損傷され、視野が狭くなる病気。

 近年、眼圧は正常範囲でも視神経が侵される「正常眼圧緑内障(NTG)」が非常に多いことがわかった。

 日本では40歳以上の20人に1人が緑内障で、その70%がNTGと推定される。

「NTGは日本人に特徴的な緑内障のタイプといえる」と専門家は指摘している。

 5年、10年単位でじわじわ視野が欠けていくが、かなり進行するまで自覚症状はほとんどない。

 気づいたときは手遅れという例も少なくない。

 早期発見のためには、眼圧検査だけでなく眼底検査、視野検査が必要。

 とくに、

 ▽家族に緑内障の人がいる。

 ▽強い近視。

 ▽頭痛もち。

 ▽冷え性などの人はぜひ早めに眼科へ──。

 眼圧と緑内障

 眼圧は正常範囲内なのだが、目の神経が侵されて視野が狭くなる「正常眼圧緑内障(NTG)」は、日本人に特徴的に多い緑内障といわれる。  かなり進行するまで自覚症状がないために治療が手遅れになる例も少なくない。  しかし、早期に発見し治療を始めると、病気の進行を抑えることができる。  眼圧は正常なのに、なぜ視神経障害が起こるのか?  視神経がもともと弱く、眼圧がその眼の許容範囲を超えて高くなる(言い換えると、「正常」な眼圧が、その人にとっては「異常」に高い)ことで発症すると考えられている。  だからNTGの治療も、やはり眼圧を下げる点眼薬から始まる。  そして、視野障害の進行がみられない(薬が効いている)場合は、同じ薬による治療を続ける。  進行が認められたら点眼薬を替えたり、追加したりして薬物治療を続け、それでもなお進行していく場合は、房水の排出を促進する(ひらたく言えば眼球内の水はけをよくする)レーザー治療や外科手術を行う。  ともあれ、40過ぎたら一度は目の検診を──。
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