さびる体を防御する食べ物 [健康短信]
年齢とともにさびる体 抗酸化の食べ物で防御を
山下理絵 / 湘南藤沢形成外科クリニックR総院長
世間をにぎわしたアメフットの悪質タックル事件は衝撃的でした。
私は学生時代、バスケットボールをしていました。
体育学部ではないので、コートでできる練習は週2回です。
大学時代はコーチも監督もいませんでしたが、バスケが好きで、少しでもうまくなりたくて、試合に勝つために練習をしていました。
命じられてタックルをさせられた選手は会見で「好きだったフットボールがあまり好きではなくなってしまった」と話していました。
自分が好きでがんばってきたものを嫌いになるなんて、とても悲しいことです。
62歳の指導者に対しては、誰もが怒りを感じていることと思います。
トップに立つものは常に人の声を聞き、特に自己の意見と反する声を考える必要があります。
権力を持った人の悪い典型例なのでしょう。
「男性更年期」になるとイライラとし攻撃的になり、ますます他人の声が聞こえなくなることも多いようです。
ところで、「記憶にない、言ってない」と言う皆さんは、黒塗りの車に乗って病院に逃れますね。
でも、病院は治療をするところ。
静養やメディアからの逃避は別の場所でしてほしいものです。
さて、この事件が世間をにぎわしていたこの1カ月ほどの間は学会シーズンと重なり、私は毎週1時間講演をしていました。
肌の老化の原因と対策に重要な酸化の話です。
活性酸素から身を守る“掃除屋”の抗酸化物質
美肌の大敵のひとつが酸化です。
リンゴをむいて放っておくと、シワシワになって茶色にくすみます。
これが酸化現象です。
体の一番表層にある皮膚は、常に酸化の脅威にさらされていますが、皮膚の上にある皮脂膜が防御しています。
しかし、酸化にかかわる、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素などの「活性酸素」が増え過ぎると、シミやシワなどのさまざまな障害が生じます。
私たちは、呼吸をして生きています。
普段の呼吸で取り込んだ酸素全量の約2%が活性酸素になります。
これが過剰になると、除去しきれなくなり、体内の細胞や組織を傷つけるため、あらゆる病気の原因になるのです。
最近では、老化も活性酸素が原因ではないかと言われています。
私たちは体内に、活性酸素と結びついて排除する掃除屋(スカベンジャー)という抗酸化物質を持っています。
代表的なのは、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼです。
しかし、このスカベンジャーの生産は22~23歳がピークで、40歳になると半減します。
25歳で“お肌の曲がり角”を迎え、40歳で生活習慣病が増えるのは、これらの物質の生産量と関係があるのかもしれません。
酸化で、お肌をサビさせないようにしましょう。
抗酸化物質の積極的な摂取で酸化を防御
加齢とともに、体内のスカベンジャーが減少するので、体外からの補充が必要になります。
また、活性酸素が増えないように気をつけることも大切です。
活性酸素が増える原因として、紫外線や放射線、電磁波、ストレス、たばこ、排ガス、アルコール、腸内の悪玉菌の異常発酵、過度の運動などが挙げられます。
自己防御には、食物やサプリメントで抗酸化物質を摂取し活性酸素を減らすことも一つの方法です。
ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10、α-リポ酸、グルタチオン、カテキン、ポリフェノールなどのサプリメントや、これらの栄養素を含む食物を摂取することを心がけましょう。
ビタミンCなら、レモンなどの柑橘(かんきつ)系の果物や、ブロッコリー、ピーマン▽Eなら、大豆、うなぎ、しじみ▽β-カロテンでは、ニンジンなどの緑黄色野菜▽リコピン(カロテン)ならトマト▽ポリフェノールはゴマや赤ワイン--から得られます。
年齢とともに、体はサビ(酸化し)ていきます。
暑くなってきました。
紫外線対策を十分に、排ガスやPM2.5などの大気汚染に気をつけ、ストレスをためず良質な睡眠を取ってください。
そして、抗酸化物質を上手に取ることが、アンチエイジング、美肌対策の一つだと言えます。
明日は今日よりきれいになーれ。
「毎日新聞 医療プレミア」による。
山下理絵 / 湘南藤沢形成外科クリニックR総院長
世間をにぎわしたアメフットの悪質タックル事件は衝撃的でした。
私は学生時代、バスケットボールをしていました。
体育学部ではないので、コートでできる練習は週2回です。
大学時代はコーチも監督もいませんでしたが、バスケが好きで、少しでもうまくなりたくて、試合に勝つために練習をしていました。
命じられてタックルをさせられた選手は会見で「好きだったフットボールがあまり好きではなくなってしまった」と話していました。
自分が好きでがんばってきたものを嫌いになるなんて、とても悲しいことです。
62歳の指導者に対しては、誰もが怒りを感じていることと思います。
トップに立つものは常に人の声を聞き、特に自己の意見と反する声を考える必要があります。
権力を持った人の悪い典型例なのでしょう。
「男性更年期」になるとイライラとし攻撃的になり、ますます他人の声が聞こえなくなることも多いようです。
ところで、「記憶にない、言ってない」と言う皆さんは、黒塗りの車に乗って病院に逃れますね。
でも、病院は治療をするところ。
静養やメディアからの逃避は別の場所でしてほしいものです。
さて、この事件が世間をにぎわしていたこの1カ月ほどの間は学会シーズンと重なり、私は毎週1時間講演をしていました。
肌の老化の原因と対策に重要な酸化の話です。
活性酸素から身を守る“掃除屋”の抗酸化物質
美肌の大敵のひとつが酸化です。
リンゴをむいて放っておくと、シワシワになって茶色にくすみます。
これが酸化現象です。
体の一番表層にある皮膚は、常に酸化の脅威にさらされていますが、皮膚の上にある皮脂膜が防御しています。
しかし、酸化にかかわる、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素などの「活性酸素」が増え過ぎると、シミやシワなどのさまざまな障害が生じます。
私たちは、呼吸をして生きています。
普段の呼吸で取り込んだ酸素全量の約2%が活性酸素になります。
これが過剰になると、除去しきれなくなり、体内の細胞や組織を傷つけるため、あらゆる病気の原因になるのです。
最近では、老化も活性酸素が原因ではないかと言われています。
私たちは体内に、活性酸素と結びついて排除する掃除屋(スカベンジャー)という抗酸化物質を持っています。
代表的なのは、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼです。
しかし、このスカベンジャーの生産は22~23歳がピークで、40歳になると半減します。
25歳で“お肌の曲がり角”を迎え、40歳で生活習慣病が増えるのは、これらの物質の生産量と関係があるのかもしれません。
酸化で、お肌をサビさせないようにしましょう。
抗酸化物質の積極的な摂取で酸化を防御
加齢とともに、体内のスカベンジャーが減少するので、体外からの補充が必要になります。
また、活性酸素が増えないように気をつけることも大切です。
活性酸素が増える原因として、紫外線や放射線、電磁波、ストレス、たばこ、排ガス、アルコール、腸内の悪玉菌の異常発酵、過度の運動などが挙げられます。
自己防御には、食物やサプリメントで抗酸化物質を摂取し活性酸素を減らすことも一つの方法です。
ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10、α-リポ酸、グルタチオン、カテキン、ポリフェノールなどのサプリメントや、これらの栄養素を含む食物を摂取することを心がけましょう。
ビタミンCなら、レモンなどの柑橘(かんきつ)系の果物や、ブロッコリー、ピーマン▽Eなら、大豆、うなぎ、しじみ▽β-カロテンでは、ニンジンなどの緑黄色野菜▽リコピン(カロテン)ならトマト▽ポリフェノールはゴマや赤ワイン--から得られます。
年齢とともに、体はサビ(酸化し)ていきます。
暑くなってきました。
紫外線対策を十分に、排ガスやPM2.5などの大気汚染に気をつけ、ストレスをためず良質な睡眠を取ってください。
そして、抗酸化物質を上手に取ることが、アンチエイジング、美肌対策の一つだと言えます。
明日は今日よりきれいになーれ。
「毎日新聞 医療プレミア」による。
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