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「食品添加物=危険」に潜む危険 [健康常識ウソ・ホント]

健康常識ウソ・ホント(16)  

「食品添加物=危険」に潜む危険


「神さまと肉屋だけがソーセージの中身を知っている」ということわざが、スウェーデンにあるそうだ。

ソーセージに限らず、いまどきそんな中身のハッキリしない食品があれば、神さまより先に、消費者という王様が黙ってはいまい。

たちまちネットで叩かれ、不買運動が展開されるだろう。

消費者が食品の中身について強い関心をもつのは正しいことであり、望ましいことである。

だが、そのためにときに偏った風潮が導き出されるのは、問題だ。

その最も大きな一例が、世間に広がる食品添加物に対する否定的風潮だろう。

あらゆる食品添加物を危険視し、「無添加」の表示があれば、安全だと判断する。

そこに危険な落とし穴がある。

食品添加物といえば、まず真っ先に挙げられるのは、亜硝酸ナトリウムとソルビン酸だ。

亜硝酸ナトリウムはハムやソーセージの発色(あの淡い紅色)と防腐の目的でつかわれている。

亜硝酸ナトリウム自体もわりと強い毒性をもっているうえ、肉の成分(2級アミンというたんぱく質の成分)と反応して、発がん物質のニトロソアミンをつくる。

ソルビン酸は世界で最も多くの種類の食品に用いられる保存料で、カビや酵母の発育を抑える作用が強く、抗菌作用も強いが、動物実験で毒性と発がん性が確かめられている。

そこで亜硝酸ナトリウムやソルビン酸を用いない「無添加ハム」などが、一部でもてはやされている。
だがこれはまかり間違うと、じつに危険きわまりないことなのである。

亜硝酸ナトリウムやソルビン酸を用いないために、そうしたハムなどの保存期間中に繁殖するボツリヌス菌は、それによって食中毒を起こした人の50%は死亡するという恐ろしい細菌だからだ。

だからアメリカではハム・ソーセージ類には亜硝酸ナトリウムの添加を義務づけている。

日本でも非加熱のソーセージには添加が義務づけられている。

食品添加物は、食品衛生法に基づいて厚生労働省が指定した物質が「指定添加物」としてリスト化されており、このリストにないものは使えない。

現在、指定されているのは、447品目。

むろん亜硝酸ナトリウムやソルビン酸も入っている。

厚労省は、動物実験などのデータをもとに、人が一生その食品添加物を毎日食べ続けたとしても健康への影響がみられない量「ADI(1日摂取許容量)」を設定、この値を超えないように、食品への使用基準を定めている。

実際にはないが、もしADI値最大限度の亜硝酸ナトリウムを添加したとしても、ハムやソーセージにできるニトロソアミンは2PPB(PPBはPPMの1000分の1、すなわち10億分の1の濃度を表す単位)以下だという。

まあ、仮に毎日ごはん代わりにハムを食べ続けたとしても、それだけではがんになることはあり得ない。ADIとはそういうことなのである。

死亡率50%のボツリヌス菌と、濃度10億分の2のニトロソアミンと、どちらがコワイか、よーくかんがえてみよう。

無益な用心をするたとえを「羹(あつもの)にこりて鱠(なます)を吹く」というが、極端な食品添加物排斥論者には、アツモノにこりたことがないのにナマスを吹いている人が多いようだ。

むろん使わずにすむ添加物なら使わないにこしたことはないが、日本人の食費の約6割が加工食品でそのほとんどに添加物が含まれている。

小さな欠点をあげつらって大きな害を招いてはならない。

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