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肝炎のABC [健康雑談]

 肝炎のABC

 肝炎の原因になる5種類のウイルス─A型、B型、C型、D型、E型─のうち、日本人に特に縁の深いのはA型とB型とC型だ。

 A型は口からうつる消化器伝染病の一種。

 1度かかれば免疫ができて2度とかからない。

 衛生環境がわるかった昔は、数年おきに流行し、「流行性肝炎」と呼ばれたが、今は激減した。

 発展途上国で感染する例がままみられる。

 抗体を持ってない人は、旅行前に予防ワクチンの接種を受けるとよい。

 B型肝炎ウイルスは、血液、体液を介して感染する。

 ウイルスが体に居ついてしまう持続感染(キャリア)と、急性肝炎で治ってしまうものとがある。

 出生時や乳幼児期にうつるとキャリアになりやすいが、免疫機構が正常な成人では、A型と同じように一過性の感染で済む。

 ワクチンと免疫グロブリンによる予防が、1986年から始まり、今はもうキャリアになる子どもはほとんどいない。

 数十年後にはB型の慢性肝炎、B型の肝硬変、B型の肝がんは消滅するだろう。

 C型肝炎→肝臓がん

 C型肝炎の多くは大人になってからの感染で、血液から作った薬や輸血などによって広がった。

 俳優の渡辺謙さんも、1989年に発症した白血病の治療で輸血を受けたさいC型肝炎に感染したと、自著『誰? WHO AM I?』(ブックマン社)の中に書いている。

 大人になってから感染したB型は慢性化しないが、C型は慢性肝炎になる。

 60~70%がキャリアになり、肝硬変、肝がんに進む人がいる。

 C型肝炎の標準的治療法は、免疫を活性化させるインターフェロンの注射と、ウイルスの増殖を抑える経口薬など3剤の併用療法で、完治例がふえている。

 渡辺さんもこの治療法によって「非常にいい状態をキープしている」そうだ。

 そこへ登場したのが、「ダクルインザ(一般名ダクラタスビル)」と「スンベプラ(一般名アスナプレビル)」という薬。

 インターフェロンの注射は不要で、2剤を24週間飲み続ける。

 臨床試験では患者の約85%が、ウイルスが体内から消えた。

 ただし、対象となるのは、国内の感染者の約7割を占める「1型」と呼ばれるウイルス型に限られる。

 年間約3万人が亡くなっている肝臓がんの原因の7~8割を占めるのが、C型肝炎。

 C型肝炎ウイルスの感染者(キャリア)は、約190万人~230万人と推定され、その8割以上が40歳以上、高齢者ほど感染率が高いことがわかっている。

 そのうち約150万人は、自分が感染していることを知らず、治療の機会を逃していると考えられている。

 高齢者ほど感染率が高いのは、献血時のウイルスのチェックが行われるようになったのが、B型は1972年、C型は92年からなので、それ以前の輸血による感染者が多いためである。

 92年以前に輸血や血液製剤の治療を受けた人は、ウイルス検査を受けて感染の有無を確かめるべきである。

 結果が陽性なら早期治療の機会が得られるし、陰性だったら肝臓がんの心配はまずしなくてもよい。
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