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ラッキョウ、効くぞ! [健康雑談]

 故郷の屋久島からラッキョウが山ほど送られてきた。

 むさぼるように食べた。

 小学校(当時は国民学校)の児童だったころを思い出した。

 ラッキョウの季節には教室が〃ガス室〃になったことを......。

 カライモ(サツマイモ)めしのおかずにラッキョウとくれば、腸管内にガス発生の条件が完備したようなものだった。

 ラッキョウをどっさり食うと、なぜ、ガスが盛んに製造されるのか。

理由は三つばかり考えられる。

 一つはラッキョウに含まれる硫化アリルという成分、このものはニンニクに最も多く含まれている。

あの臭みの原因物質である。

 二つめは、あのシャキシャキとした歯ざわりをつくる食物繊維。

消化がわるいから腸内に長く滞留する。

 そして、シャキシャキと、よく噛んで食べると、それだけたくさん空気を飲み込むことになる。

これが三つめの理由だ。

 おならは、食物のカスが大腸菌によって発酵したり、腐敗したりしてできたガスと、口から飲み込んだ空気が一緒になったもの。

その成分は、酸素、水素、窒素、炭酸ガス、メタン、エタン、メルカプタン、硫化水素、アンモニア、インドールなど。

 自分にはえも言われぬ芳香だが、他人にとっては悪臭以外の何物でもない、あの特異な臭気の元になるのは、メルカプタン以下の物質だ。

 ラッキョウに含まれる硫化アリルは、腸内で硫化水素をつくる。

 ラッキョウをたくさん食べると、芳香ないし悪臭性のガスが多量製造されるわけだが、この硫化アリルこそ、ラッキョウをラッキョウたらしめている特効成分でもある。

 硫化アリルの働きの主要なものは抗菌・殺菌作用と強壮作用だ。

 たとえば、カツオのたたきにニンニクのみじん切りをどっさりつけて食うと、食当たりや夏バテを防ぎ、もりもりと活力がつくようでもあるのは、大部分、硫化アリルの効果だ。

 ニンニク、ラッキョウ、ネギ、タマネギ、ニラなどアリル属と呼ばれる植物群の中で、ニンニクに次いで硫化アリルの含量の多いのがラッキョウだ。

 ラッキョウはまた、昔から「心臓の薬」といわれ、漢方薬としても用いられている。

 括呂薤白白酒湯(かろがいはくはくしゅとう)、括呂薤白半夏湯(かろがいはくはんげとう)と呼ばれる薬などがそれだ。

 前者は括呂実(かろじつ=キカラスウリの種)と薤白(がいはく=ラッキョウ)を清酒と水で煎(せん)じたもの。

 後者はそれに半夏(はんげ=カラスビシャクの塊茎)を加えて、同じく酒と水で煎じたものだ。

『金匱要略』(きんきようりゃく)という漢方の古典にはこれらの薬の効能として、

「胸痺(きょうひ=胸がしめつけられる感じ)臥スルコトヲ得ズ。

 心痛、背ニ徹スルモノヲ治ス」

 と、記されてあるという。

 この症状はまさに狭心症、心筋梗塞、のそれだ。

 冠動脈(心臓の血管)が動脈硬化のため狭くなり、運動したときなどに酸素不足を起こすのが狭心症。

 狭くなった冠動脈の一部が詰まってしまうのが、心筋梗塞。

 発作時には胸がしめつけられるような痛みが生じる。

 左手、とくに小指の側が痛んだり重だるく感じたり、左肩や背中がこったり、痛むこともある。
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糖尿病の原因は一つだけではない [健康雑談]

 新たな五つの分類

 糖尿病は5つの病型に分類でき、それぞれに合った治療法を開発すれば、より治療を効果的に行えるようになる可能性がある――。

 スウェーデンとフィンランドの研究チームがこんな提案を発表した。

 研究は医学誌「ランセット 尿病・内分泌学」に発表された。

 糖尿病は現在では大きく「1型糖尿病」と「2型糖尿病」と分類され、それ以外に、特定の疾患が原因で発症する糖尿病、妊娠糖尿病がある。

 スウェーデンとフィンランドの研究チームはこのほど、糖尿病の分類を増やし、全体を五つのタイプに分類するという提案を発表した。

「糖尿病は考えられている以上に複雑な疾患であることが分かってきました。

 患者の病態に合わせた個別化された治療が求められています」 と、スウェーデンのルンド大学糖尿病・内分泌学部のリーフ グループ教授。

 世界の糖尿病人口は4億2,500万人に上り、2045年までに6億2,900万人に増えると予測されている。

 適正な治療を行わず、血糖コントロールが不良の状態が続くと、腎不全、網膜症、心筋梗塞、脳卒中、下肢の切断などが引き起こされる。

「将来に合併症を起こるのを防ぐために、現在の診断法と糖尿病の分類だけでは十分ではありません」と、グループ教授は指摘する。

 ルンド大学糖尿病センターとフィンランド分子医学研究所などの研究チーム実施している「ANDIS」研究は、スウェーデンのスコーネ県に在住し、新たに糖尿病と診断された患者を対象としている。

 研究チームは、18~97歳の1万4,775人の糖尿病患者を対象に、詳細なデータベースを作成した。

 データベースには、インスリン分泌、血糖値、抗GAD抗体、インスリンの分泌機能を示すHOMA-β、インスリン抵抗性を示すHOMA-R、発症年齢、BMIなどが含まれる。

 結果、糖尿病は、それぞれが大きな特徴をもつ五つのタイプに分類できることを明らかにした。

・ グループ1:重度の自己免疫性糖尿病(SAID)

 1型糖尿病、および成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)に相当する。

 膵臓のβ細胞を攻撃する自己抗体である抗GAD抗体が陽性となっており、自己免疫的な機序により発症する。

・ グループ2:重度のインスリン欠乏糖尿病(SIDD)

 HbA1C値が高く、インスリン分泌障害および中程度のインスリン抵抗性を特徴とし、肥満は少ない。自己免疫が原因ではない。

・ グループ3:重度のインスリン抵抗性糖尿病(SIRD)

 肥満および重度のインスリン抵抗性を特徴とする。

 インスリン分泌は保たれているが、体はそれに反応しなくなっている。

 併発症の医療費がもっとも高い。

・ グループ4:軽症の肥満関連糖尿病(MOD)

 肥満はあるもののインスリン抵抗性は軽度で血糖上昇も軽度。

 比較的若い年齢で罹患する肥満の患者が含まれる。

・ グループ5:軽症の加齢関連糖尿病(MARD)

 高齢の患者で構成されるグループで、全体の40%を占め、もっとも多い。

 加齢に伴い血糖値が上昇するが、その程度は軽度。

 詳細に診断すれば、適切な治療を早期に始められる

 このうち「成人潜在性自己免疫性糖尿病」(LADA)は、抗GAD抗体が陽性で、最初は2型糖尿病のように徐々に進行するが、その後インスリン分泌が低下して、1型糖尿病と同様の病態となる。

 この5群の分類によると、グループ2では網膜症の発症率がもっとも高く、グループ3では腎障害の発症率がもっとも高いことも判明した。

 合併症のリスクの高い患者には、検査の頻度を増やして、適切な治療を行うことが求められる。

「これまでは、たとえばインスリン療法が必要な患者にインスリンを処方するのが遅れるなど、適切な治療を適時に行えないケースがありました。合併症を発見するための検査が遅れたケースもあります。もっと詳細に診断できるようになれば、適切な治療を早期に始められるようになります」と、グループ教授は言う。

「糖尿病の分類を細分化することで、将来に合併症が起こるリスクも、より正確に分かるようになります。適切な診断により、より良い治療を目指すことが理想的なシナリオです」と、つけ加えている。

 中国とインドでも大規模な調査を予定

 ただ、今回の研究は北欧の患者が対象で、たとえばアジア系の患者の病態が異なるなど、世界各地の状況はかなり違うため、すぐに糖尿病治療が変わるわけではない。

 スウェーデンとフィンランドだけの比較でも、データの傾向には若干の違いがあった。

 研究チームは、異なる民族的な背景をもつ患者でも類似の分類が可能かどうかを調べるために、中国とインドで大規模な調査を行うことも予定している。

「研究を長く続けるほど、より良好なデータを得られるようになります。世界的には遺伝子や地域の環境による影響で、グループ分類がもっと増える可能性もあります」と、ルンド大学のエマ アクスイト准教授は言う。

「いずれにせよ、個々の患者に合った治療を行えるようにするために、糖尿病の病型の分類を増やすことは大きな意義があります」と、アクスイト准教授は結論している。
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「健康寿命」延びる [健康雑談]

 健康上の問題がなく日常生活を送れる「健康寿命」について、厚生労働省は3月9日、2016年は男性が72.14歳、女性は74.79歳だったと発表した。

 前回調査(2013年)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延びた。

 最も長かったのは男性が山梨の73.21歳、女性は愛知の76.32歳。

ベスト5は、男性は山梨、埼玉、愛知、岐阜、石川の順。女性は愛知、三重、山梨、富山、島根だった。

 分析に当たった辻一郎・東北大学教授(公衆衛生学)は「食塩摂取量や喫煙率の低下といった医学的要因に加え、高齢者の体力の向上も影響している。

 働いたり社会参加したりできるから心身とも健康になっているのではないか」と話している。

 ところで、いまは誰でも知っている「PPK」(ピンピンコロリ)。

 発祥の地は、長野県らしい。

 当時、長野県は、日本一の長寿県であり(厚生労働省「都道府県別生命表=2013年」によれば、平均寿命のトップは男女とも長野県)、高齢者の就業率(つまり、ピンピン働く人の割合)も、自宅で亡くなる人の割合も全国一だった。

 昔の人も「食うときタップリ、死ぬときポックリ」などといい、お参りをすると楽に往生できる「ポックリ寺」もあったらしいが、長野のお年寄りの合い言葉「PPK」はもっと前向きの健康観に支えられていたようだ。

 PPKと同じで、いっそう明るいニュアンスをただよわせる語が「GNP」(元気でニコニコ、ポックリ)。

 生と死のあり方の理想といえる。
 
 あいなるべくなら長期の寝たきりで亡くなる「NNK」(ネンネンコロリ)は願い下げにしたい。

 東大病院放射線科准教授で、緩和ケア診療部長の中川恵一先生はこう話している。

「がんで死ぬのが、まさに"ピンピンコロリ"です。私は、できればがんで亡くなりたいと思っています。ただし、それには十全な緩和ケアが必要です」

 緩和ケアでは、放射線治療や医療用麻薬を用いて、体の痛みを除去する。

「がんの痛みは不要な痛みです。モルヒネで中毒になる、早く死ぬというのはウソで、かえって痛みを取ったほうが長生きします」

「がんの緩和ケアがうまくいくと、臨終の間際でも話ができます。そんな病気は他にありません。いわば人生の最期まで有効に活用できるわけです」

 拙者ことマルヤマは、がん二つ(前立腺がん、尿管がん)の現役患者である。

 そのように生きて、去ることのできる──つまりPPK&GNPの条件を、すでに手に入れているわけである。

 ありがたいことである。

 とはいえ━━。

 ポックリを願って今日の無事祈り(新聞で見た投稿川柳)

 ホント、ホント。そうだよなあ......。

 人はみな不思議の国から生まれきて 不思議の国へおさらばさらば  工藤直太郎
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コーヒーによる口臭、どうする? [健康雑談]

 1日のはじまりや仕事の合間、食後などにコーヒーを飲むという人は多い。

 ただコーヒーを飲むと、そのあと独特の口臭が残る。

 コーヒー豆の微粒子は舌の表面に付着しやすく、口臭になってしまうのだそうだ。

 口の中は唾液によって、通常であれば中性にかなり近い弱酸性に保たれているが、コーヒーの酸味が口の中を酸性にしてしまうことも、口臭につながるようだ。
 
 コーヒーには、渋み成分も含まれているが、この成分が唾液の分泌を低下させて、口の中を乾燥しやすくさせることも、口臭をさらに悪化させるといわれている。

 コーヒーを飲んだあとの口臭を改善するには、口の中に付着しているコーヒーの成分を取り除くのがいちばん。

 時間があるなら、歯磨きをするのもよい。

 ただし歯磨き粉とコーヒーの臭いが混ざると、余計に嫌な臭いになる可能性があるので、歯磨き粉はつけずに、歯ブラシで磨くだけにしておこう。

 コーヒーの成分が付着しやすのは、歯よりも舌だが、硬い歯ブラシで舌をゴシゴシこすると、舌を傷つけて、味覚障害などを招く恐れがある。
 
 舌を掃除するなら、舌ブラシかやわらかい歯ブラシを使い、奥から前に向けてそっと動かす程度にとどめよう。

 歯磨きができない場合は、コーヒーを飲むときに、水も用意しておくのがオススメ。

 そして、コーヒーを飲んだら水を飲み、舌の表面についているコーヒーの成分を洗い流す。

 このときに水を口に含んで、口の中の天井にあたる部分を舌でゴシゴシこすると、臭いが取れやすくなる。

 水で舌をきれいにしたあとは、ガムを噛むとよい。

 噛むことによって唾液の分泌が促され、口の中を中性に戻すことができるし、唾液による自浄作用で、口の中を清潔に保つことができる。

 ミルク成分が入っているラテ、カプチーノなどよりは、ブレンドがおススメ。

 舌苔の表面は、口臭発生菌の集合体である事が多く、食事による栄養素が張ってくると、菌はよろこぶ。

 とくに、ラテなどの乳脂肪分が入ってくると、コンセントの雄と雌のように、舌苔と乳脂肪分がカップリングをしてしまい、長い間、口腔内に違和感を残す。

 なるべく、プレーンなコーヒーの方が臭いにつながりにくい。

 (監修:中城歯科医院院長・中城基雄先生)

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チョコレート効果  [健康雑談]

 バレンタインデーなので、チョコレートの話(自分でも安直な着想だと思います)。

 チョコレートを毎日食べると、血圧が下がり、善玉コレステロールが上ることが、「日本初の産学官大規模臨床試験」で確認された。

 野村コンファレンスプラザ日本橋で開かれたメディアセミナーにおける、瀧本陽介さん(株式会社ヘルスケアシステムズ代表取締役)と、大澤俊彦さん(愛知学院大学心身科学部学部長・教授)のお話─。

 愛知県蒲郡市、愛知学院大学、株式会社明治は、「蒲郡市ヘルスケア計画」に基づく取り組みとして、産学官共同で「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」を、14年3月からスタートさせた。

 蒲郡市内外の45~69歳の347人(男性123人、女性224人)に、カカオポリファノールを多く含むチョコレートを毎日一定量(1日25㌘)、1ヵ月間食べてもらい、その前後の血圧、体重、血液成分、自覚的な体調など心身状態の変化を調べた。

 以下のことがわかった。

 ① 血圧の低下。

 被験者を高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上あるいは拡張期血圧90mmHg以上の82人)と、正常血圧群(収縮期血圧140mmHg未満かつ拡張期血圧90mmHg未満の265人)に分けて、チョコレート摂取前後の最高血圧(収縮期血圧)の変化をみた。

 高血圧群では、摂取前の平均値145.6mmHgが139.74mmHgに低下した。

 正常者群では、摂取前の平均値119.02mmHgが117.4mmHgに低下した。

 血圧低下の幅が、高血圧の人は大きく(平均5.86mmHgの低下)、正常血圧の人は小さい(平均1.62mmHgの低下)。理想的効果といえる。

 ② HDLコレステロール(善玉)の上昇。

 コレステロール、中性脂肪、尿酸など、さまざまな数値を測った血液検査で、きわだった結果がでたのが、善玉コレステロールの上昇だった。

 チョコレート摂取前の被験者全員の平均値は67.9mg/Dlだったが、摂取後は69.7mg/dLにふえた。

 ③ 心身ともに活動的。

 被験者に実施した「SF-36」による健康調査アンケートの結果─。

 *身体の痛み:からだの痛みのためにいつもの仕事が妨げられることが全然なかった。

 *全体的健康感:健康状態は非常によい。

 *活力:過去1ヵ月間、常に活力にあふれていた。

 *日常役割(精神):過去1ヵ月間、仕事や普段の活動のさい、心理的な理由による問題はなかった。

 *心の健康:過去1ヵ月間、落ち着いていて、楽しく、おだやかな気分であった。

 注・SF-36は、さまざまな疾患の健康関連QOL(生活の質)を測定する、世界的に用いられている調査表。

 ④ 体重・BMI(体格指数=体重㌔㌘を身長㍍の2乗で割った数値)は不変。

 被験者全員の体重の平均値は、チョコレート摂取前は58.72+-11.36㎏、摂取後は58.74+-11.24㎏。

 BMIの平均値は、摂取前22.61+-3.28、摂取後は22.62+-3.25。

 どちらもほとんど変化なく、有意差がないことが確認された。

 チョコレートを食べると、血圧が下がり、善玉がふえるのは、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの作用と考えられている。

 ヨーロッパで行われた、「ホワイトチョコレート」(カカオポリフェノールが含まれない)と、通常の「チョコレート」を食べ比べた研究でも同じような効果が得られている。

 ところが、この比較実験では1日100㌘、約500㌔㌍のチョコレートを食べつづけた結果、体重増加というデメリットが生じた。

 蒲郡市の実証研究では、そうしたカロリーの取り過ぎを避けるため、カカオポリフェノールの含有量70%以上の「ダークチョコレート」を選んだことにより、体重はふえず、メリットのみ得られた。

 1コは小さな長方形の消しゴムぐらいの大きさ。

 実験では「CACAO72%」を1日5コ食べたようだ。

 小生も食してみた。

 感想は、スイーツとしては甘さが一味足りず、ちと不満なしとせず。

 だが、「甘さより苦みがわかってこそ大人」。

 「うまいサプリ」と思えば、文句なし。

 これぞ、言葉の正しい意味における「健康食品」といえるのではないか。
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心不全パンデミック [健康雑談]

 パンデミックとは、感染症の全国的・世界的な大流行。

 わが国における心不全患者数は現在約100万人であり、総人口が減少している
にもかかわらず、少なくとも2035年までは増え続け132万人になると推定されて
います。

 心不全患者は世界中で急増していることから、通常感染症に使用され
る「パンデミック」という言葉が使われているのです。

 心不全患者急増の主な理由は、生活習慣の欧米化による虚血性心疾患の増加
と高齢化です。

 世界のほとんどの国において循環器病が死因のトップですが、
我が国においても75歳以上の後期高齢者に限ると循環器病の死亡者数はガンを
上回っています。

 したがって団塊の世代の人達が全員75歳以上になる2025年には心不全患者が
著増することは明らかです。

 それでは心不全にならないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

 答えは予防です。

 心不全ほど予防が可能である疾患はありません。

 まずは心臓病のリスクである高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病にならないようにする
ことです。

 そのためには減塩、節度のある飲食、運動、禁煙など生活習慣の改善が大切
です。

 次にもし高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病になってしまった場合は、生活
習慣の改善とともに薬を飲み、心筋梗塞や弁膜症、不整脈など心不全の原因と
なる心臓病にならないようにすることです。

 万が一心筋梗塞や弁膜症、不整脈になってもすぐに心不全になるわけではあ
りません。

 日常生活に気を付け、適切な服薬により心不全の発症を防ぐことが
できます。

 またもし心不全になっても多くの場合適切な治療により改善します。

 そこで重要なのが二度と心不全にならないことです。

 そのためには服薬を忘れないこと、過労や暴飲暴食を避け、風邪をひかないようにするなど日常生活に気を付けることです。

 このように心不全は患者本人の心掛けが大切なのです。

 そこで一般の人にも心不全を理解していただきたいと思い、学会でわかり易い定義を決めました。
「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くな
り、生命を縮める病気です。」

 心不全を予防しましょう。(I.K.)

 【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第150号】2018年2月5日発行(月刊)より

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フグの話 [健康雑談]

 フグの季節だ。

 中国ではフグは河でとれ、豚肉のようにうまいので「河豚」と名づけられたらしい。

 フグのうまさはだれでも知っている。

 同じように―あるいはそれ以上に素人調理のフグの怖さはよく知られている。

 フグの別名「テッポウ」は、ご存じのとおり当たると命がないというシャレだが、長崎県島原地方ではフグを「ガンバ」と呼ぶそうだ。

 ガンバとは棺桶のこと。鉄砲よりオッカナイじゃないか。

 夏目嗽石の『吾輩は猫である』のなかに、天道公平なる人物が苦沙弥先生に呈した手紙にこんな一節がある。

「始めて海鼠(なまこ)を食い出せる人は其膽力に於て敬すべく、始めて河豚を喫せる漢(おとこ)は其勇気に於て重んずべし。
 
 海鼠を食へるものは親鸞の再来にして、河豚を喫せるものは日蓮の分身なり」

 苦沙弥先生は、

「中中意味深長だ。何でも余程哲理を研究した人に違ない。天晴な見識だ」

 と感服しているが、この天道説はおかしい。

 感服した苦沙弥先生もお粗末ではないか。

 ナマコの姿形の気色のよくないのは目で見ればわかる。

 だがフグに毒があることは、先にそれを食って当たった人がいたからわかったわけである。

 毒があることを知らない「漢」がフグを食ったからといって、どうして「其勇気」が重んじられるのか。

 この論理には欠陥があると思う。

 フグ毒の本体は明治42年、東京衛生試験所の田原良純博士によって明らかにされた。

 フグの学名テトロドンと毒のトキシンをくっつけて「テトロドトキシン」と名づけたのも同博士である。

 テトロドトキシンは無色・無味・無臭。純粋のものだと青酸カリの200倍という猛毒だ。

 一種の神経毒で、当たると、早くて30分、遅くとも5時間で手足がしびれ、口がきけなくなり、最後には呼吸困難に陥り、死ぬ。

 毒は、肝臓と皮の裏の粘膜、そして卵巣に最も多く含まれる。

「つまり、フグでさえメスのほうが余分に毒を持ってるわけだな」と発言したところ、

「ところが、精巣と卵巣と両方あるフグもいて、白子だと思って食べたら卵巣が混じっていて当たった人がいる」と、物知りの友人に教えられた。

 なかには身からなにから体中に毒のあるフグもある。厚生労働省は、トラフグ、マフグなど販売できるフグ21種類と、その部位を決めた通知を出している。

 フグの毒は、フグ自身が体の中で作るという「内因説」と、原因はエサにあるという「外因説」が競い合っていた。

 しかし、養殖フグには毒性がほとんどないことから外因説に軍配が上がった。

 フグが好んで食べるヒトデにフグ毒があること、ヒトデがエサにする巻き貝の一種(ボウシュウボラ)の消化管からも同じフグ毒が検出されたことで、いわゆる「食物連鎖」が明らかにされた。

 フグの毒は、フグにとって一種の生体防御物質の役目を果たしている。

 外敵に出遭うと、フグは胃腸の一部に水や空気を入れ腹を膨らませて威嚇し、このとき、皮膚から毒を放出する。

 養殖のフグには毒がないが、味は天然ものに遠く及ばないそうである。

 このことについて、

「きれいなバラにはトゲがある。うまいフグには毒がある」

 と友人は言うが、天然もののフグは、その毒よりも勘定書のほうが怖い。

 いま、フグを食うのには別種の勇気を必要とするようだ。

 新ことわざ=フグは食いたし。おカネは惜しし

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家養生 [健康雑談]

家養生

豆撒(まき)や かりそめに住む ひとの家    石田波郷


「福は内!」と叫んで、鬼を追い払ったつもりでも、永遠の時の流れのなかでは、それは所詮ほんのひとときの仮のすみかにしかすぎない、という述懐でしょうか。

 しかし、たとえかりそめのものであれ、暮らしを共にする家族の間に、自然な気持ちの通い合いさえあれば、十分。

 それこそが「福は内」ということでしょう。

 このごろ頻発する無残な身内殺人を対極に置くとき、切実にそう思われてなりません。

「養生に三つの法あり。身養生、心養生、家養生、是(これ)なり」とは、江戸時代の養生書(水野澤齋編『朱雀経験養生弁』)にある言葉ですが、この家養生の「家」を、家屋(ハウス)と家庭(ホーム)と家族(ファミリー)のすべてを意味するものと解釈すれば、健康の大本は「家養生」にある。そういっていいでしょう。
 
身養生(体の健康)も心養生(心の健康)も、家養生(家庭円満)がしっかり保たれていてはじめて成立するのではないでしょうか。

家庭を、家族を大切にしたいと思います。
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一陽来復 ユズ&カボチャ [健康雑談]

一陽来復

21日は冬至。

「陰きわまって陽生じる」、一陽来復の日です。

冬至は、立冬と立春の中間。暦では冬の真ん中ですが、寒さは小寒や大寒がピーク。

つまり冬至は本格的な寒さが始まるころ。「冬至、冬なか、冬はじめ」といわれるゆえんです。

ユズとカボチャ

冬至にゆず湯を楽しむ習慣は江戸時代には広まっていました。

「風邪をひかない」「無病息災でいられる」という俗信があります。

風呂の水面に広がる油膜は、ユズの皮に含まれる精油成分のリモネンなど。

毛細血管に働いて血行をよくし、香りには鎮静効果が期待できるといわれています。

カボチャは秋に収穫した野菜で、この時期まで保存しておけるのが一番の理由でした。

カボチャに含まれるビタミンやカロテンは、風邪の予防などに効果があります。

昔の食習慣が科学的に裏付けられた例の一つです。
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あしのけ=江戸患い [健康雑談]

脚気=白米病

ビタミンB1欠乏症の脚気は、欧米人には少なく、白米を主食とする日本人には昔から多く発症しました。

『枕草子』の「病は、胸、もののけ、あしのけ」の「あしのけ(脚の気)」や、江戸時代の「江戸患い」が脚気であるのはよく知られています。

ちなみに、枕草子の「胸」は「胸の病気か胃痛」、「もののけ」は「生霊や死霊が人について悩ますもの」で、いまいう精神・神経疾患のことでしょう。
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