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あなた、むずむず脚!? [ひとこと養生記]


 むずむず脚症候群。

 一度聞いたら忘れない面白い名前ですが、正式の医学用語ではありません。

 正しい病名は「下肢静止不能症候群」。

 英語のRLS(Restless Legs Syndrome)の訳語です。

 夜、寝床に入ると、脚の内側に「むずむずする」「虫がはっている」「ピクピクする」といった奇妙・不快な異常感覚が生じ、眠れなくなる病気です。

 原因は、鉄欠乏性貧血、慢性腎不全、パーキンソン病など、さまざまな病気による症候性(二次性)のものが約3割。妊娠中の女性がなることもあります。

 約7割は、原因がわからない特発性(一次性)で、脳の中で神経伝達物質のドーパミンの作用が悪くなったため発症すると考えられています。

 むずむず脚症候群友の会が、2009年9月に開設した「むずむず脚ホットライン」には1週間で296件の相談が寄せられましたが、その約7割はまだ診断を受けていない人かその家族でした。

 9割の人が「自分がむずむず脚症候群かどうか知りたい」と答えています。

 この病気が、一般の人だけでなく、専門外の医師にもまだあまり知られていないのは、

「今、一人前の医師が医学教育を受けたころには、全く教わらなかった病気だからです」と、清水徹男・秋田大学大学院教授。

「日本最初のRLS臨床例5例が報告されたのは1977年で、94年の全国調査でかなり患者が多いことがわかりました」。

 現在の有病率は人口の2~5%、治療を必要とする人は約200万人と推定されています。

 症状が軽度の場合は──、

 寝る前に短時間歩く、

 温かい風呂に入る、

 手足のマッサージをするなどの生活療法を行う──などで軽快します。

 重症の場合は、薬物療法が行なわれ、ドーパミン・アゴニスト(作動薬)が劇的に効く症例が多いことがわかっています。

 脚がむずむずする、ピクつく…といった奇妙な症状のせいで皮膚科や整形外科、内科を訪ねる人が多いのですが、より適切な診療が受けられるのは、睡眠障害外来か神経内科です。睡眠障害を伴う神経の病気ですから──。

 なお、アレルギー性鼻炎や花粉症などに用いる抗ヒスタミン薬は、ドーパミンの作用を妨げるので、症状を悪化させます。

 ですから、むずむず脚症候群の患者が、眠りたいと思って、抗ヒスタミン薬の成分を転用した市販の睡眠改善薬を使うのは逆効果になります。

 きのう6月2日は「むずむず脚症候群の日」でした。

「つらい病気に悩み苦しんでいる多くの人が1日でも早く適切な診断を受けられるように─」と、むずむず脚症候群友の会が設立された日です。
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