健康雑談（１８）便所＝鬼門説

　聞きかじった話だが、家相術では、陰陽道でいう鬼門にある便所は凶とされる。

　鬼門は鬼の出入り口で、艮（うしとら＝北東）の方角に当たる。

　家屋の北東は、日当たりが悪くて湿気が多く、寒い。

　とても座敷には向かないからと、便所にする。

　で、きれいに掃除をすればいいのだが、汚れたままにしておくとカビが生えてきたりして一層汚くなる。

　不衛生で不健康のもとになりがちだ。それではいけない。

　玄関や客間だけがいくら立派でも、鬼門がきれいでないと、その家は栄えない。

　鬼門を清浄にしなさい。─というのが便所＝鬼門説の教えで、先年流行の歌「トイレの神様」にも一脈通じる話のようだ。

　「人の体にも鬼門がある。おしもです」と本間之夫・東京大教授（泌尿器科）は話した。

「おしも＝排せつというのは、人間性の根源にかかわる問題です。

　これをきちんとケアしないと、医療は絶対よくならない。

　おしもの問題から目を背けて、ないがしろにしているかぎり、人間をだいじにする医療にはつながらない。

　医療全体のレベルも上がらないのです」

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