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健康雑談(16)芭蕉の痔 [健康雑談]

 芭蕉も痔(じ)持ちだったようだ。

「奥の細道」の長旅を終えた翌元禄3年、加賀在住の門弟、牧童への書簡に、「去年遠路ニつかれ候間、下血など度々はしり迷惑致候」とある。

 この下血、『日本古典文学大系』によれば、「持病の痔疾による出血」である。

 文面から推察されるのは切れ痔(裂肛=れっこう)の症状だが、もともとはいぼ痔(痔核)だったのではないか。

 いぼ痔と切れ痔は別個の痔だが、排便の際など、いぼ痔の皮膜が破れて切れ痔のように「血がはしる」ことがある─と痔の専門医は言う。

 あるいは、俳聖は若いころから便秘(昔の言葉では秘結)に悩んだ人であったのかもしれない。

「人間50年といえり。われ25年をば後架(こうか=便所)にながらえたる也」という師の述懐を、蕉門随一の高弟、宝井其角が伝えているそうだ。

 痔核の原因の最たる一つが習慣性便秘で、そのうえ和式便所の構造(あの姿勢と下からの冷風)が、昔から日本人に痔主が多い理由とされる。

 ちなみに、「奥の細道」の出立日は、「弥生も末の七日(3月27日=新暦では5月半ば)」だった。
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