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「やけどにチンク油、ぬかみそ」は、絶対ダメ!! [健康常識ウソ・ホント]

健康常識ウソ・ホント(26)  

「やけどにチンク油、ぬかみそ」は、絶対ダメ!!

冬はやけどの季節だ。

やけどの重症度は、深さと広さで決まる。

深さは、表皮のみの「第Ⅰ度」、真皮まで及んだ「第Ⅱ度」、さらに深い「第Ⅲ度」と分けられる。

広さ(面積)は、からだ全体の体表面積に対して何%にあたるかという比率であらわす。目安としては、手のひらの面積がその人の体表面積の1%に相当する。

治療は、やけどの広さや深さによって異なるが、どんな程度のやけどでも、応急処置としてはまず冷やすこと。

水道の水を30分から1時間ジャブジャブかけてしっかりと冷やし切る。

皮膚が赤くなっただけの「第Ⅰ度」の1%くらいのやけどだったら、それだけで治る。

衣服の上から熱湯をあびたら、服の上から流水をかける。

無理に服をぬぐと、衣服にくっついた皮膚が一緒にはがれてしまうことがある。

昔は、やけどをして医者に行くと、白いどろっとした塗り薬(チンク油)を塗られた。

医学の教科書にも載っている治療法だったから、いまでもお年寄りの内科の先生なんかだとやっているかもしれない。

だが、それをやられると、やけどの深さがわからなくなる。

本格的な治療の妨げになるだけでなく、カサブタができ、細菌感染を起こしやすい。

で、チンク油を落とす。これが痛い。

ネットで「チンク油」を検索すると、

「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 

チンク油 亜鉛華に等量のオリーブ油を混和したもので、やけど、できものなど皮膚の炎症の際に患部を保護するための油剤として広く用いられる」とある。

時代遅れの大マチガイといわねばならない。

『広辞苑』に「チンク油」が登場するのは、1983年発行の第三版から。

「チンク油 同量の酸化亜鉛と植物油(主にオリーブ油)とを混和したもの。収斂(しゅうれん)作用があり、皮膚の急性炎症に使う」という語釈は、2008年の第六版まで変わっていない。

やけども皮膚の急性炎症の一種ではあるが、やけどにチンク油は、ダメです。

医者に行くほどではない「やけどのくすり」となると、ぬかみそ、みそ、しょうゆ、食用油、ジャガイモの汁、キュウリの輪切り、アロエ、朱肉……まあ、じつにいろいろさまざまな家庭療法が言い伝えられている。

全部、ダメ! 

わざわざバイ菌をくっつけるようなものだし、治りも遅くなる。

とにかく「やけどの特効薬」は、水!

しっかり水で冷やしたあとでも水疱が残りジュクジュクしているときは、皮膚科へ。

そうしてやけどが治ったら、跡を残さないケアが大切だ。

それにはまずビタミンC。ビタミンCには色素沈着を抑える効果がある。

食事やサプリメントでの摂取のほか、ビタミンCのローションを塗ればより効果的。

大敵は紫外線。紫外線を浴びると、跡の色が濃くなる。

衣服などで紫外線からやけど跡を守ろう。

ともあれ、いちばんのだいじは「予防」。

ストーブ、魔法瓶、油料理……しっかり気をつけてください。とくにお子さまに!

ところで、「やけど」は、

〔広義では、危険なことにのめり込んで手痛い損害を受ける意にも用いられる。例「円相場で大やけどした」〕=『新明解国語辞典』というように比喩としてもつかわれる。

こちらのクスリは、金と時間と友情だろう。

むろん「予防にまさる治療なし」は、この場合もいえる金言である。
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