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健康雑談(15)春温を病む [健康雑談]

春の憂うつ 

「春」はなぜ「はる」なのか。

『大言海』には、「万物、発(は)る候ナレバ云(い)フト云フ。─略─草木ノ芽張ルコト。」とある。

「田畑を<墾(は)る>意。または気候の<晴る>の意からか」というのは『広辞苑』だ。

 英語の春の「スプリング」には「跳躍」「バネ」「泉」などの意味があり、フランス語の春の「プランタン」は、ラテン語の「最初の季節」が語源だそうだ。

 太陽の光が戻り、自然が再生する春は、入学、入社、異動・転勤など、人の生活が変わる─人事再生の季節でもある。

 百花繚乱(りょうらん)、人生の花もいろいろに咲く季節だ。

 が、半面、ふっと憂うつな気分に陥ることがある。心が暗く沈みがちな人がいる。

 そんな心のうつろいを昔の人は「春温を病む」と表現した。

「春愁」「春傷」「春恨」などの言葉もある。冬の「寒邪」が体に残ったまま春になり、陽気に当たり心が病むというのが、漢方の解説。

 現代はそれにストレスという定番が加わる。

 卒業、入学、就職、異動、転居…環境の変化に適応できず、体や心の変調が生じる。

 春先に心身のバランスが崩れやすいのは、気温の上昇とともに脳内の神経伝達物質が減るためだという説がある。

 気持ちが憂うつに落ち込む精神症状は現れず、もっぱら身体症状だけを訴える「仮面うつ病」もある。

 うつ病の初期には、抑うつ気分などの精神症状よりも、身体症状が強く出ることが多い。

 ある専門医の調査では、心療内科でうつ病と診断された患者の65%が、最初は内科を受診、精神科や心療内科を訪ねた人は10%以下だった。

 動悸(どうき)、めまい・ふらつき、息苦しさ、頭重感・頭痛、不眠、肩こり・首のはり、吐き気・むかつき、だるさ・疲れやすさ、食欲不振、しびれ、ふるえ…。

 多彩な自覚症状の原因として、多くの患者はまず体の病気を疑う。

 が、問診で精神症状の有無を調べると、「不安感」「憂うつ」「あせり」「いらいら」「おっくう感」などが認められる。そうした症状を、患者が自分から医師に訴えることは少ない。

「気分はどうですか?」という医師の一言が、うつ病の早期発見につながるという

 半面、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を治療中の患者が、うつ症状を相談する例も結構多い。

 内科系のプライマリーケア医が、うつ病を理解し、その対処法を知ることがこれからますます必要になる─と、専門家は指摘している。
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