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自閉症、環境は関係ある? [医学・医療短信]

自閉症の発症に環境は関係があるの?

【Q】小学1年の孫は自閉症です。2歳の時、妹の入院で両親がかまってやれず、発達の遅れに気づきました。環境要因でも発症するのでしょうか。(兵庫県川西市、女性、72歳)

【A】自閉症は生まれつきの脳機能障害で、環境的な要因はあくまできっかけです。

 自閉症は生まれつきの脳機能障害で、人との関わりやコミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強く想像力が働きにくかったりする症状があります。

 一般的には1歳くらいで指さしをしない、言葉がないといった兆候がみられます。

 2歳まで発達の遅れを感じなかったそうですが、専門医が診れば分かったかもしれません。

 軽い症状で自閉症と気付かなくとも、不安な経験をきっかけに特性がはっきり表れる子もいます。

 下の子の出産で母親と離れ、久しぶりに会うと目線が合わなくなっていたケースなどがあります。

 また、まれに2~3歳で、これまで出ていた言葉がなくなるなど、持っていた能力がなくなる「折れ線型」の自閉症もあります。

 環境的な要因はあくまできっかけです。この時期、情緒が安定していれば症状の出方が少なかった可能性はありますが、経過を大きく変えたとは考えにくいでしょう。

 療育で症状を軽減することができます

 自閉症は療育で症状を軽くできます。

 まず不安や緊張のない環境を整えることが必要です。

 電車や人形遊びなど本人の好きなことに共感し、たくさんほめる機会を作ることも良い影響があります。

 気持ちのいいやり取りは学ぶ意欲を高め、ソーシャルスキルの習得にもつながります。

 できることとできないことがアンバランスなのも特徴で、例えば絶対音感がある人、記憶力が突出した人などもいます。

 得意な分野で力を伸ばすことは充実した人生につながります。

 お孫さんの可能性を引き出してあげてください。

 回答者 石崎朝世院長(公益社団法人発達協会・王子クリニック)

 6月22日「毎日新聞 医療プレミア」による


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