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AED? 死戦期呼吸?  [ひとこと養生記]

女子マネジャー死亡、「呼吸」誤解? AED使ってれば

新潟県の高校の野球部でマネジャーをしていた女子生徒が練習直後に倒れ、死亡するということがあった。

生徒は倒れたときに心室細動を発症していた。

自動体外式除細動器(AED)を使えば、救える可能性がある症状だ。

AEDの設置が広がっても突然死が後を絶たない背景には、AEDの性能についての理解が深まっていないことや、卒倒などの場面に遭遇すると、落ち着いて使いこなせない実態がある。

認知度低い「死戦期呼吸」

 生徒は7月21日午後、練習があった野球場から学校まで約3・5キロを走った後に倒れた。

 野球部の監督は「呼吸はある」と判断し、AEDを使わずに救急車の到着を待った。

 しかし、その呼吸は、「死戦期呼吸」というものだった可能性がある。

 心停止の状態になっても、下あごだけが動いたり、しゃくり上げるようなしぐさをしたりして、呼吸をしているように見えることがある。

 病院に運ばれた生徒は低酸素脳症で死亡した。

 病院の医師は「心室細動が起きていた」と生徒の家族に説明したという。

 AEDは、心臓がけいれんしたような状態(心室細動)になり、血液を送り出せなくなっている状態を、電気ショックを与えて正常なリズムに戻すための機器だ。

 校内のAEDは、生徒が倒れた玄関に近い事務室の前など計3カ所あった。
 
 日本救急医学会の指導医の太田祥一医師は、「死戦期呼吸と普通の呼吸とを見分けるのは、一般市民には難しい」と指摘する。

 死戦期呼吸の認知度が低いことも、AEDでの素早い処置に思いが至らない要因の一つとみる。

 死戦期呼吸

 死戦期呼吸(しせんきこきゅう)とは、心停止直後の傷病者に見られる、しゃくりあげるような呼吸。現場や救急室では「ギャスピング」ということが多い。

 死戦期呼吸は正常の呼吸とは違い、顎が動いているだけで胸が動いておらず、肺での酸素化ができていない。

 鼻や口の前にティッシュをかざすと、通常の呼吸ではティッシュが吹き上がるが、死戦期呼吸では動かない。

 そのため、呼吸をしていない傷病者と同様に処置する必要がある。

しかし、医療関係者以外が見分けることは難しく、呼吸していると判断されてしまうことが多い。

 死戦期呼吸の種類

下顎呼吸
吸気時に下顎を動かして空気を飲み込むような呼吸であり、顎の動きのみで胸郭はほとんど動かない。

鼻翼呼吸
吸気時に鼻翼が広がり呼気時に鼻翼が縮まる呼吸であり、やはり胸郭がほとんど動かない。

あえぎ呼吸
深い吸息と速い呼息が数回続いた後に無呼吸となる呼吸。

 処置

 呼吸をしていないので、人工呼吸やAEDによる蘇生を要する。

 心臓マッサージ(胸骨圧迫)

 原因が何にせよ、呼吸が十分できておらず、心臓が止まって血液を全身に送り届けられなくなると、その瞬間から脳細胞が死んでいき、数分で社会復帰が難しいレベルにまで脳機能が破壊されてしまう。

 1秒でも早く、全身への血液循環を回復させなければならない。

 動かなくなった心臓の代わりに、胸の上から心臓を押すことで、血液を送り出そうとするのが心臓マッサージ(胸骨圧迫)。

 1分間に100~120回のリズムで、左右の乳首をつないだ線の真ん中あたりを5~6㎝沈むぐらいに押す。

 押した後は胸が元の位置に戻るまで手を放す。

 呼吸や心拍がある状態であれば、心臓マッサージ(胸骨圧迫)に対して何らかの反応を示すはず。そこで中止すればよい。

 心臓マッサージに合わせて人工呼吸を行うこともある。

 しかし、人工呼吸を行うことで心臓マッサージ(胸骨圧迫)がいったん中断してしまうよりは、心臓マッサージ(胸骨圧迫)だけを続けた方がよいとされている。

 見知らぬ人が倒れている場合、口と口をつけて人工呼吸をするのはかなり抵抗があるし、嘔吐物や出血があれば人工呼吸を行うことはためらわれることもある。

 救助者が1人しかいない場合は、心臓マッサージに専念しよう。
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