あっ、ジャガイモから芽が! [ひとこと養生記]
芽を取れば食べてもOK?
メニューのバリエーションが豊富で、長期保存が可能な食材としても重宝されるジャガイモ。
しかし、気がついたら芽が出てた…なんて経験はありませんか?
ジャガイモの芽には「ソラニン」という天然毒素が含まれていて、食べると食中毒を起こすことがあります。
毒にはさまざまな分類法がありますが、その由来から見ると、自然界にもともと存在する「天然毒」と、人の手によって作られた「人工毒」に分けられます。
天然毒は、さらに植物毒・動物毒・鉱物毒・微生物毒に分けられます。
「毒は薬」ともいわれますが、これは使用法によっては「毒にも薬にもなる」という意味です。
また、少量で致死量に達するものから、かなりの量を取り込んでもさほど毒性が現れないものまであります。
毒の強さを表す基準には、「50%致死量」とも呼ばれる「LD50」という指標が用いられています。
特定の生物集団に投与したときに、その半数が死ぬ可能性がある量をいいます。
農林水産省はウェブサイトで天然毒素に対する啓発をしています。
そこでは、天然毒素をもつ食品には、食べると食中毒を起こすものがあり、なかには毒性の強いものがあると呼びかけています。
しかし、「正しい知識をもっていれば、食中毒を避けたり影響を小さくしたりすることができる」とも述べています。
動植物の天然毒素による食中毒の例として、身近な食品で挙げられるのが「ジャガイモ」です。
農林水産省『知識があればこわくない!天然毒素』
ジャガイモの芽やその根元、皮(とくに光が強く当たって緑色に変色した部分)は、天然毒素の「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素を多く含んでいます。
食用にする場合は、これらを取り除く必要があります。
また、家庭菜園などで栽培した未熟で小さいジャガイモにも、同様にソラニンやチャコニンが多く含まれている可能性があり要注意です。
ソラニンとチャコニンは、ジャガイモのほかツルナスやイヌホオズキなど、ナス科の植物に含まれる天然毒素です。
「グルコアルカロイド」と呼ばれる、糖とアルカロイド(植物由来の窒素を含んだ有機化合物)からできています。
食べてしまい、吐き気・下痢・嘔吐・腹痛・頭痛・めまいなどの症状が出た場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。
中毒を回避するために、次の4点に留意してください。
芽やその根元、皮をしっかりと取り除く
ジャガイモの皮をむいて食べる。
とくに緑色に変色している個体は、皮と内部を含めすべて取り除く
苦味を感じたときには食べない
加熱によって天然毒素の量が減ることは期待できないので、茹でて食べることもしない(ソラニンやチャコニンは170℃以上で分解が始まるという報告がある)
ジャガイモを買うとき・保存するときの注意事項
芽が出ているもの、皮が緑色のものは買わない
長期間の保存は避ける。その都度必要な量を買うようにする
冷暗所に保存する(冷蔵庫に保存する必要はない、20℃以上になると発芽・腐敗しやすいため10℃くらいの涼しい場所が適している)
未熟で小さなものは避ける
毒性といっても、食べると必ず症状が出るということではなく、ある程度の量を摂ると影響があるという意味です。
ですから、必要以上にジャガイモを恐れなくても大丈夫なのですが、回避するための下処理をして、摂取量は少なくしましょう。
また、子どもは大人に比べると少量で影響が出やすいため、より注意してください。
ジャガイモのほかにも植物に含まれる天然毒素があります。
あすはそのいくつかをご紹介します。
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
メニューのバリエーションが豊富で、長期保存が可能な食材としても重宝されるジャガイモ。
しかし、気がついたら芽が出てた…なんて経験はありませんか?
ジャガイモの芽には「ソラニン」という天然毒素が含まれていて、食べると食中毒を起こすことがあります。
毒にはさまざまな分類法がありますが、その由来から見ると、自然界にもともと存在する「天然毒」と、人の手によって作られた「人工毒」に分けられます。
天然毒は、さらに植物毒・動物毒・鉱物毒・微生物毒に分けられます。
「毒は薬」ともいわれますが、これは使用法によっては「毒にも薬にもなる」という意味です。
また、少量で致死量に達するものから、かなりの量を取り込んでもさほど毒性が現れないものまであります。
毒の強さを表す基準には、「50%致死量」とも呼ばれる「LD50」という指標が用いられています。
特定の生物集団に投与したときに、その半数が死ぬ可能性がある量をいいます。
農林水産省はウェブサイトで天然毒素に対する啓発をしています。
そこでは、天然毒素をもつ食品には、食べると食中毒を起こすものがあり、なかには毒性の強いものがあると呼びかけています。
しかし、「正しい知識をもっていれば、食中毒を避けたり影響を小さくしたりすることができる」とも述べています。
動植物の天然毒素による食中毒の例として、身近な食品で挙げられるのが「ジャガイモ」です。
農林水産省『知識があればこわくない!天然毒素』
ジャガイモの芽やその根元、皮(とくに光が強く当たって緑色に変色した部分)は、天然毒素の「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素を多く含んでいます。
食用にする場合は、これらを取り除く必要があります。
また、家庭菜園などで栽培した未熟で小さいジャガイモにも、同様にソラニンやチャコニンが多く含まれている可能性があり要注意です。
ソラニンとチャコニンは、ジャガイモのほかツルナスやイヌホオズキなど、ナス科の植物に含まれる天然毒素です。
「グルコアルカロイド」と呼ばれる、糖とアルカロイド(植物由来の窒素を含んだ有機化合物)からできています。
食べてしまい、吐き気・下痢・嘔吐・腹痛・頭痛・めまいなどの症状が出た場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。
中毒を回避するために、次の4点に留意してください。
芽やその根元、皮をしっかりと取り除く
ジャガイモの皮をむいて食べる。
とくに緑色に変色している個体は、皮と内部を含めすべて取り除く
苦味を感じたときには食べない
加熱によって天然毒素の量が減ることは期待できないので、茹でて食べることもしない(ソラニンやチャコニンは170℃以上で分解が始まるという報告がある)
ジャガイモを買うとき・保存するときの注意事項
芽が出ているもの、皮が緑色のものは買わない
長期間の保存は避ける。その都度必要な量を買うようにする
冷暗所に保存する(冷蔵庫に保存する必要はない、20℃以上になると発芽・腐敗しやすいため10℃くらいの涼しい場所が適している)
未熟で小さなものは避ける
毒性といっても、食べると必ず症状が出るということではなく、ある程度の量を摂ると影響があるという意味です。
ですから、必要以上にジャガイモを恐れなくても大丈夫なのですが、回避するための下処理をして、摂取量は少なくしましょう。
また、子どもは大人に比べると少量で影響が出やすいため、より注意してください。
ジャガイモのほかにも植物に含まれる天然毒素があります。
あすはそのいくつかをご紹介します。
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ