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植物に含まれる天然毒素 [ひとこと養生記]

ジャガイモのほかにも植物に含まれる天然毒素があります。

いくつかご紹介します。

ビワの種子の粉末

ビワの種子や未熟な果実にはシアン化合物が高い濃度で検出されています。

健康に良いという噂は真実ではありません。

アジサイの葉

アジサイの葉を食べて嘔吐やめまいなどの中毒症状が出たという事例があります。

大葉と誤って食したという事例もあります。

飾りとしてお皿にあしらっていても食べてはいけません。

モロヘイヤの種

モロヘイヤの種には「ストロフェチジン」という天然毒が含まれています。

種は取り除いて食しましょう(一般にスーパーなどで流通している食用のモロヘイヤの種は取り除かれています)。

桃の種

甘くてみずみずしい「桃」。

実は桃の種も「アミグダリン」という成分を含み、加水分解されると青酸という毒素に変化します。

多量に摂取すると死に至ることもあり注意が必要です。

梅やアンズの種も同様です。

ワラビ

ワラビを生のまま食べると「プタキロサイド」という毒性のある成分で中毒を起こします。

必ずあく抜き処理をして毒性を分解してから食べましょう。

芽が出た野菜はすべて毒性があるの?

ジャガイモの芽や芽の根元に含まれるソラニンは、毒性があるとご説明しました。

しかし、芽が出た野菜すべてに毒性があるわけではありません。

サツマイモや人参、にんにく、里芋、生姜などは問題なく食べられます。

春や秋は、野山に散策をしに出かける楽しみが増えますが、春は山菜、秋はキノコの誤食による食中毒が後を絶ちません。

細心の注意が必要です。

天然毒素の正しい情報を得て、回避するようにしましょう。

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あっ、ジャガイモから芽が! [ひとこと養生記]

芽を取れば食べてもOK?

メニューのバリエーションが豊富で、長期保存が可能な食材としても重宝されるジャガイモ。

しかし、気がついたら芽が出てた…なんて経験はありませんか?

ジャガイモの芽には「ソラニン」という天然毒素が含まれていて、食べると食中毒を起こすことがあります。

毒にはさまざまな分類法がありますが、その由来から見ると、自然界にもともと存在する「天然毒」と、人の手によって作られた「人工毒」に分けられます。

天然毒は、さらに植物毒・動物毒・鉱物毒・微生物毒に分けられます。

「毒は薬」ともいわれますが、これは使用法によっては「毒にも薬にもなる」という意味です。

また、少量で致死量に達するものから、かなりの量を取り込んでもさほど毒性が現れないものまであります。

毒の強さを表す基準には、「50%致死量」とも呼ばれる「LD50」という指標が用いられています。

特定の生物集団に投与したときに、その半数が死ぬ可能性がある量をいいます。

農林水産省はウェブサイトで天然毒素に対する啓発をしています。

そこでは、天然毒素をもつ食品には、食べると食中毒を起こすものがあり、なかには毒性の強いものがあると呼びかけています。

しかし、「正しい知識をもっていれば、食中毒を避けたり影響を小さくしたりすることができる」とも述べています。

動植物の天然毒素による食中毒の例として、身近な食品で挙げられるのが「ジャガイモ」です。

農林水産省『知識があればこわくない!天然毒素』

ジャガイモの芽やその根元、皮(とくに光が強く当たって緑色に変色した部分)は、天然毒素の「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素を多く含んでいます。

食用にする場合は、これらを取り除く必要があります。

また、家庭菜園などで栽培した未熟で小さいジャガイモにも、同様にソラニンやチャコニンが多く含まれている可能性があり要注意です。

ソラニンとチャコニンは、ジャガイモのほかツルナスやイヌホオズキなど、ナス科の植物に含まれる天然毒素です。

「グルコアルカロイド」と呼ばれる、糖とアルカロイド(植物由来の窒素を含んだ有機化合物)からできています。

食べてしまい、吐き気・下痢・嘔吐・腹痛・頭痛・めまいなどの症状が出た場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。

中毒を回避するために、次の4点に留意してください。

芽やその根元、皮をしっかりと取り除く

ジャガイモの皮をむいて食べる。

とくに緑色に変色している個体は、皮と内部を含めすべて取り除く

苦味を感じたときには食べない

加熱によって天然毒素の量が減ることは期待できないので、茹でて食べることもしない(ソラニンやチャコニンは170℃以上で分解が始まるという報告がある)

ジャガイモを買うとき・保存するときの注意事項

芽が出ているもの、皮が緑色のものは買わない

長期間の保存は避ける。その都度必要な量を買うようにする

冷暗所に保存する(冷蔵庫に保存する必要はない、20℃以上になると発芽・腐敗しやすいため10℃くらいの涼しい場所が適している)

未熟で小さなものは避ける

毒性といっても、食べると必ず症状が出るということではなく、ある程度の量を摂ると影響があるという意味です。

ですから、必要以上にジャガイモを恐れなくても大丈夫なのですが、回避するための下処理をして、摂取量は少なくしましょう。

また、子どもは大人に比べると少量で影響が出やすいため、より注意してください。

ジャガイモのほかにも植物に含まれる天然毒素があります。

あすはそのいくつかをご紹介します。

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ

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疲れない身体をつくる [ひとこと養生記]

疲れない身体をつくるストレッチ運動法

しっかり睡眠をとっても、肉体的な疲労が残る場合があります。

睡眠の質が低く、疲労回復に支障があるのではなく、筋肉量が少なく代謝が悪いことが原因かもしれません。

医師や専門家の多くが軽度な運動の習慣化をすすめるのも、これに関係しています。

適度な運動をおこなうとよく眠れるのは、よく知られていますが、一度運動をしただけで睡眠の質が改善されることはありません。

大切なのは習慣化することです。

運動を習慣化することで、深い眠りが得られるようになったり、中途覚醒しなくなったり、睡眠時間が延びたりします。

オススメは、ストレッチ、コアトレーニングです。

コアトレーニング=身体のコア(核)となる脊柱(体幹)に近い部分から意識的、優先的に鍛えるトレーニング様式。毎日夜5分程度ストレッチをするだけでも効果があります。

ストレッチのやり方は腹式呼吸をしながら、筋肉を伸ばします。

首のストレッチ

1. 首をゆっくり後ろへ倒す

2. 首を前へ倒し軽く手で押す

3. 耳が方の近くを通るよう大きく回す

腕のストレッチ

1. 背筋を伸ばして座り、両腕を前に伸ばしてクロスさせる。

2. 手のひらを合わせ、指を組んで握る。

3. 合わせた手のひらを体に引きよせて、腕と腕の間を通すようにひっくり返す。

4. 手のひらを合わせたまま、再び腕を前にのばして5秒キープ。

5. 手を組みかえて同様に各3回おこなう。

太もも・ふくらはぎのストレッチ

1. 膝立ちになり、右脚を前にのばしてかかとを床につき、つま先を天井に向ける。

2. 両手で右の太ももを押して、右足の裏を伸ばす。

3. 左膝を折って腰を沈め、右の太ももの裏をさらに伸ばす。

4. 左の足裏もそらした状態をキープ。

5. 上体を前に倒し、右手で右の足先を手前に引っ張る。

6. ふくらはぎと太もも裏をさらに伸ばしてキープ。

7. 反対の脚も同様におこなう。
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いくら寝ても疲れがとれない人 [ひとこと養生記]

通常、疲労は睡眠によって回復します。

睡眠をとることで、脳が休息モードに入ります。

肉体的な疲労も、寝ている間に成長ホルモンによって筋肉を修復したりして、回復していきます。
しかし、しっかり寝ているのに疲れてしまう、というのであれば、

「寝ているつもりだけど眠れていない状態」

「睡眠の質が低い状態」

ということになります。

それにはいくつかのパターンがあります。

終電近くまで残業するが朝も早くて、睡眠時間が足りていない

寝付きが悪く、遅くまで起きてしまっている

それなりに寝てはいるが、朝起きると頭や体がだるい

いずれのパターンであっても「睡眠の質」が低い状態です。

また、ある一定の栄養素が足りていない可能性があります。

疲労回復に効果的な栄養素には、クエン酸や抗酸化力を持つものがいいとされています。

クエン酸は、お酢やレモンなどに豊富に含まれています。

抗酸化力の高い食材には、青じそやトマト、モロヘイヤ、赤パプリカなどがあります。

これらを積極的に摂り入れるのもよいでしょう。

睡眠の質を上げる

睡眠中、脳では二つのサイクルを繰り返しています。

ひとつは「REM(レム)睡眠」で、もうひとつは「Non(ノン) REM(レム)睡眠」です。

REM(Rapid(ラピッド) Eye(アイ) Movement(ムーブメント)=急速眼球運動)睡眠のときには、夢を見ていて、脳は覚醒に近い「浅い眠りの状態」です。

そのとき、まぶたの裏では眼球がぐるぐる動いているのがわかります。

一方、NonREM睡眠は「深い睡眠状態」です。

寝ている間の脳は、このレム睡眠とノンレム睡眠の状態を90分ずつ繰り返しています。

睡眠の質を高めるためにやるべきことは眠りに入るタイミングです。

脳や体が興奮状態であると、睡眠の質は低下します。

就寝直前まで仕事をしていたり、スマホをいじっていたりしていると、脳が覚醒状態になっているので、深い眠りになりません。

寝る前にリラックス状態をつくりましょう。

おすすめは─、

お風呂は湯船につかる習慣をつくる

ただし、40℃以上のお風呂に入らない

熱いお風呂に入ると、脳も体も熱を持ち、覚醒状態になります。

就寝前にリラクゼーション系の音楽を聴く

寝る前にパソコンやスマホなどを見過ぎない

寝る前に食事を摂らない

消化のため胃腸が活発になり、休めない状態になります。

疲れない体質をつくる食事

睡眠に効果的な栄養素があります。

トリプトファン、グリシン、ギャバの三つです。

睡眠効果を促進させるとして知られている成分に「メラトニン」があります。

アメリカでは睡眠薬の一種として服用されているもので、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

メラトニンは通常、朝日を浴びてから14時間ほど経つと、脳の中で分泌され、徐々に眠たくなってきます。

メラトニンをつくるのが、生理活性アミンのセロトニンで、セロトニンをつくるのが「トリプトファン」です。

トリプトファンは人間の体内で合成できない必須アミノ酸ですから、食事などからとりいれる必要があります。

トリプトファンを多く含む食品には牛乳、ヨーグルト、大豆、枝豆、そら豆などの豆製品、バナナ、アボガド、肉類、すじこ、などです。

グリシン (glycine)は単純な形を持つアミノ酢酸です。

脳の体内時計に作用し、睡眠のリズムを調整します。

脳内にグリシンが適量に存在すると、朝スッキリと目覚めて、日中の仕事もはかどるとされています。

グリシンが多く入っている食品には、エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロ、などがあります。

ギャバ(GABA)は、ガンマ-アミノ酪酸=Gamma-Amino Butyric Acid。

アミノ酸の一種ですが、たんぱく質を形作っている18種類のアミノ酸とは異なり、哺乳動物の脳や脊髄に多く存在します。

興奮を抑えリラックスさせる作用があります。

病院で医師が処方する睡眠薬のほとんどは、ギャバの作用を強め、眠りを誘発しようとするものです。

ギャバが多く摂取できる食品は、玄米や胚芽米、アワ・キビ・ヒエなどの雑穀、小魚、トマト、ココア・チョコレートなど。

「トリプトファン」「グリシン」「ギャバ」を積極的に摂りいれて、しっかりと睡眠で休める体質にしていきましょう。
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昆布だし、ドライマウス改善

 近年、患者数が増えている味覚障害。

 原因の1つに唾液分泌量の低下(ドライマウス)があるが、その診断や治療は医科・歯科ともに普及しているとはいえない。

 東北大学大学院歯学研究科口腔診断学分野の笹野高嗣教授は、ドライマウス患者の特徴や診断、さらに「うま味」の持つ唾液分泌促進作用を活用した独自の治療法について、第21回日本病態栄養学会で報告した。

 患者は「口が渇く」とは言わない
 
 味覚障害の患者は高齢者を中心に増加傾向にあり、2000年と2002年に耳鼻咽喉科を受診した味覚障害患者は約24万人とのデータがある。

 患者の多くには自覚症状がないため、実際の数はより多い可能性が高い。

 味覚障害は体調や食欲、QOL(生活・生命の質)などにも影響を与えるため、笹野教授は「味覚障害は単なる感覚障害ではなく、健康に関わる重要なサインである」と指摘する。

 味覚障害の原因の1つがドライマウスであるが、教授によると、ドライマウス患者が受診時に「口が渇く」と訴えることは少ない。

 かわりに「口の中が灼けるようにヒリヒリして痛い」「ベタベタ、ネバネバする」などと表現することが多い。

 ドライマウスかどうかの見分け方は、患者に水を口に含んでもらうことで、痛みなどの症状が消えればドライマウスと考えられる。

 うま味の唾液分泌作用に持続性あり
 
 笹野教授は、口内の歯肉以外の粘膜全体に分布する小唾液腺に着目している。

 小唾液腺の働きは大唾液腺に比べ広く知られてはいないが、粘膜の直接的な保護や保湿、再生の役割を果たすため、ドライマウスの改善には小唾液腺からの唾液分泌量が鍵となる。

 小唾液腺からの唾液分泌には、味を感じる味蕾細胞を保護する働きもあるため、同教授は小唾液腺における味覚と唾液分泌の関係について検討した。

 結果、5基本味のうち、酸味とうま味が唾液分泌量を大幅に増加させ、酸味による効果は一時的であるが、うま味の効果は持続性があることがわかった。

 そこで、うま味を活用した独自のドライマウス治療法として、水500mLに昆布40gを1晩浸して取っただしを開発。

 お湯ではなく水を使うことでだしにとろみがつき、保湿効果が生まれる。

 使い方は、口の乾燥を感じたときなどに1日約10回、30秒間口をすすぐ。そのまま飲んでもよい。

 訓練を重ねることで、2週間ほどで唾液分泌を実感できる。

 さらに教授は「だしを患者自身がつくることがポイントで、これも治療の一環となる」と話した。

 現代医療においては薬に頼り過ぎるのではなく、栄養学の手法を取り入れることも重要である、と。
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インフル感染と心筋梗塞 [健康短信]

 インフルエンザ感染が急性心筋梗塞(AMI)のリスクと関係することを示す研究結果が、カナダのグループにより発表された。

 AMIは急性呼吸器感染症によって引き起こされることがある。

 先行研究でインフルエンザとAMIとの関連が示唆されているが、これらの研究ではインフルエンザ感染の検査法や研究デザインに問題があった。

 同グループは自己対照ケースシリーズデザインを用いて、検査で確認されたインフルエンザ感染とAMIとの関係を検討した。

 特異性が高い種々の検査法を用いて呼吸器検体のインフルエンザ感染を確認し、行政データからAMIによる入院を特定した。

 呼吸器検体採取後の7日間をリスク期間、リスク期間前後のそれぞれ1年間を対照期間とした。

 インフルエンザ検査の結果が陽性で、前後のそれぞれ1年以内にAMIによる入院が確認された患者は364例であった。

 このうち20例はリスク期間中の入院(1週当たりの入院20.0例)で、344例は対照期間中の入院(同3.3例)だった。

 対照期間と比較したリスク期間のAMIによる入院の発生率比は6.05(95%CI 3.86~9.50)であった。

 7日目以降のAMI発症増加は認められなかった。

 ウイルス検出後7日以内のAMI発症率比はB型インフルエンザが10.11、A型インフルエンザが5.17、RSウイルスが3.51、その他のウイルスが2.77であった。
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歯痛、心筋梗塞のサイン! [ひとこと養生記]

 Yさん(49)、有名企業の中間管理職。

 一昨年の秋、左の下の奥歯に痛みを感じるようになった。

 早朝の出勤時や夜遅くに帰宅する時、あるいは駅の階段を上がった時などに痛くなる。

 仕事中や自宅でくつろいでいる時に痛くなることはあまりない。

 歯科医院ではレントゲンを撮ったりして調べてもらったが、取り立てて治療が必要な状況ではないと言われた。

 その直後、会社の健康診断で、指摘を受けた。

「心電図に異常があるので、心臓の専門医に診てもらって下さい」と

 循環器内科のクリニックを受診。心エコー検査を受けると、「左室壁運動の異常」が見つかった。

 紹介された病院の心臓血管外科医を受診し、冠動脈造影検査を受ける。

「3本ある冠動脈のうち2本がすでに詰まって心筋梗塞になっていました。

 残りの1本もほとんど詰まりかけていて、非常に危険な状態でした。

 心臓の筋肉の壊死が広範囲に及んで、心臓の機能が落ちていた。

 本人に自覚がないだけで、心不全や突然死をいつ起こしても不思議ではない。

 ご本人の今後のことを考えると治療は冠動脈バイパス手術以外になかった」

 そう語るのは、Yさんのバイパス手術を執刀した大森赤十字病院心臓血管外科部長の田鎖治医師。
 
 Yさんの歯痛は、狭心痛(心臓の虚血による一過性の痛み)だったのだ。

 心筋梗塞といえば激痛を想像するが、実際には胸に痛みを感じない「無痛性」も少なくない。

 そして、本来心臓に起きるはずの痛みが心臓には出ずに、心臓と同じ神経に支配されている別の臓器や部位に出ることがある。

 これを「関連痛」と呼ぶ。心臓の関連痛は、肩や腕、手などに出ることが多いが、まれに“歯”に出ることがある。

 心臓と歯は、じつは同じ神経の支配下にあるのだ。

「関連痛」を疑ってみてもいい歯痛の条件

 歯の痛みを、すべて心臓の病気に結び付けるのは現実的ではない。

・歯科を受診しても原因が見つからない歯痛がある

・普段は痛まないのに「寒い時」「運動をした時」「興奮した時」など、歯が痛む環境に共通点がある

・心臓病や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の家族歴がある

・高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症、肥満、喫煙などの心臓病の危険因子を持っている

 糖尿病の人や高齢者は神経が弱っているので痛みを感じにくく、心筋梗塞の発作に気付かないケースは少なくない。

 朝晩の通勤時にYさんの歯が痛くなったのは、自宅やオフィスのように「暖かいところ」から寒い屋外に出ることで交感神経が緊張し、心臓がダメージを受けたものと思われる。

 また、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患は、放置すると長くても数カ月で命に関わるレベルに進展するので、「年」の単位で同じ症状が持続することは考えにくい。

「1年前から症状がずっと変わらない――というような場合は、心筋梗塞や狭心症の可能性は非常に低い」(田鎖医師)
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物忘れは認知症ではない? [ひとこと養生記]

 人の名が思い出せない。

 ローマ字やカタカナの略語、新語の類など、読むはじから忘れてしまう。

 計算がのろい。

 漢字の偏だけ書けてつくりが出てこない。

 老眼鏡が必要な年ごろになると、たいていの人がこんな健忘症状を経験するようになる。

 小生など、いまや一日中ひっきりなしで、「だいぶぼけがきてるわね」と言われている。

 だが、それは本物のぼけ(認知症)とは関係のない、脳の生理的加齢現象だ。

 単純なもの忘れと、認知症の始まりは、どこが違うのか。

 ①無表情・無感動の傾向が見られる。

 ②ぼんやりしていることが多い。

 ③生きがいがない。

 ④根気が続かない。

 ⑤1日や1週間の計画が立てられない。

 ⑥仕事をてきぱきと片づけられない。

 ⑦反応が遅く、動作がもたもたしている。

 ⑧同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする。

 ⑨相手の意見を聞かない。

 このうち4項目以上が当てはまると、軽度の認知症と判定される。

 おかしいと思ったら、まずは自治体の「もの忘れ」検診を受けてみよう。

 問い合わせは保健所へ。
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がん患者が最も不安に感じるのは"転移" [ひとこと養生記]

前立腺がん患者、家族の意識調査

 近年、前立腺がんは増加傾向にあり、昨年(2017年)の国内の推定罹患者数は約8万6,100人と男性のがんでは胃がん、肺がんに次ぐ第3位となっている。

 バイエル薬品は1月31日、「前立腺がん患者と家族の情報共有に関する意識調査」の結果を発表した。

 患者、同居家族とも転移について最も不安を感じており、新たな治療法については積極的に受けたいと思っていることなどが明らかになった。

 家族、受診に同行すべし
 
 今回の調査は、昨年12月に全国の前立腺がん患者103人と同居家族に前立腺がん患者がいる103人を対象にインターネットのアンケートにより行われた。

 同居家族への質問、 「同居している患者が前立腺がんの治療のために医療機関を受診するときに同行するか」に対し、

 54%が「同行することはない」と回答しており、半数以上の患者は1人で受診していることがわかった。

 また、同じく同居家族への質問 「主治医からの説明についてどのくらい認知しているか」に対しては、
 「受診の際に同行せず、主治医からの説明内容も共有されていない」との回答が25.2%と最も多く、

 「受診の際に同行するが、主治医からの説明は聞かない」との回答も2.9%あった。

 この結果を受けて、佐藤威文前立腺クリニック(東京都)・佐藤威文院長は、

「前立腺がん患者は1人で医療機関を受診するケースが多いと感じていたが、今回の調査でも家族の過半数が受診に同行しないと回答していた」と述べている。

「前立腺がんは骨転移の多いがんで、骨転移が起こるとQOLが大きく低下するため、早期に骨転移を発見し、治療することが重要となる。」

「家族が同行することで、医師は家族からも情報を得ることができる。

 患者と家族がともに治療に臨むことで、お互いの不安や悩みが軽減され、適切な治療に取り組むことができる」と説明している。

 治療選択肢がある限り積極的に治療にチャレンジ

 「治療に対して不安がある」と答えた患者に対する、「不安に思うのはどのようなことか」との質問(複数回答可)では、

「がんが転移しないか」との回答が72.6%、

「治療に対して不安がある家族」でも、同じ回答が74.5%と多数を占めた。

 患者、家族はがんの転移に対して大きな不安を抱えていることが浮き彫りになった。

 「前立腺がんの治療に当たって何を重視するか」(複数回答可)に対しては、

 患者では「日常生活を行う上での動作が保てること(支障なく日常生活が送れること)」との回答が80.6%と圧倒的に多かった。

 佐藤医師は、
「『寿命(余命)が延びること』を重視する人が多いと思っていたが、意外な結果であった」と述べている。

 同居家族でも、同じ回答が69.9%と最も多かった。

 患者に対する「新たな前立腺がんの治療法が開発された場合、積極的に受けてみたいと思うか」との質問については、

「生存期間の延長が期待できるならやりたい」27.2%、

「QOLの維持、向上が期待できるならやりたい」27.2%、

「医師の勧めがあればやってみたい」36.9%と、患者の91.3%が新治療に対して前向きであった。

 同医師は、「この結果から、前立腺がんと診断されても、治療選択肢がある限り治療にチャレンジしたいと考えている人が多いことが分かった」と述べている。
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前立腺がん、骨転移マネジメントが重要 [ひとこと養生記]

 日本における前立腺がんの罹患者数は右肩上がりに増加しており、2015年には男性の部位別罹患者数で第1位となり、さらに世界における部位別新規罹患者数でも第1位となった。

 前立腺がんは治療後、転移後でも生存期間が長く、治療戦略と転移のマネジメントが重要となってくる。

 佐藤威文前立腺クリニック(東京都)院長の佐藤威文氏は、前立腺がんの現状と骨転移マネジメントの重要性についてプレスセミナーで解説した。

 高齢になるほど死亡率上昇
 
 2012年時点における日本人男性の部位別がん罹患患者数の将来予測(がん・統計白書2012)では、当時第4位であった前立腺がんの罹患数は2020年に第1位になると予測されていた。

 しかし、2015年には早くも第1位になり、翌2016年も第1位であった(国立がんセンター資料)。

 2017年には第3位に下がったものの、依然として男性のがんでは上位を占めている。

 2017年に発表された1990〜2015年における世界のがん患者数統計によると、前立腺がんの新規罹患者数は2012年には110万人で第2位、2015年には160万人で第1位となっていた。

 前立腺がんは診断後の生存期間が長いといわれるが、臓器別のがん死亡率を見ると、加齢に伴い同がんで死亡する患者が増加することもわかった。

 地域がん登録(2016年)における部位別5年生存率では、前立腺がんは遠隔転移があっても他の部位に比べて5年相対生存率が高く、50%を超えていた。

 佐藤医師は、
「前立腺がんは遠隔転移があっても、治療によって生存期間が延長できる特異的ながんといえる。積極的に治療すべきがん種である」と話した。

 40歳以上の年齢別、部位別のがん死亡者数割合では、高齢者になるほど死亡率が低下する乳腺などとは異なり、前立腺では高齢者になるほど死亡率が上昇することが特徴である。

 後期高齢者・超高齢者に対する骨転移治療は重要なポイントといえる。

 骨関連事象の有無で医療費に差

 ホルモン療法で効果が得られない去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)では特に骨転移が起こりやすく、約90%で骨転移が見られる。

 ホルモン療法を行うと骨密度が低下し、骨粗鬆症を発症しやすくなり、さらに前立腺がんの再燃が生じる。

 その段階ではホルモン抵抗性のがん細胞が増加し、骨転移も進行しており、骨関連事象(SRE)や症候性骨関連事象(SSE)なども起こる。

 前立腺がんでは、5〜10年という長いスパンで骨の健康に取り組む必要があり、その際はSREやSSEのマネジメント(病的骨折、骨への外科的処置、骨髄圧迫による神経損傷、骨への緩和照射など)が非常に重要となる。

 骨転移に伴うSREやSSEでは、

① 移動能力の低下
② QOLの低下
③ 医療費の増加
④ 生存期間への影響−などが問題となる。

 日本の実臨床においても、SREとSSEの頻度や医療費の増加などが問題視されている。

 佐藤医師らは、2005年10月〜16年3月のデータを用いて、骨転移を有するCRPC患者の1年ごとの医療費やSREの頻度などについて報告している。

 その結果、CRPC患者4,001例のうち771例(19.3%)でSREが出現していた。

 SREは1回だけとは限らず、同じ患者に反復して起こる。

 また、SREの有無による年間医療費の比較では、年間直接医療費(平均)はSREがない患者の65万9,006円に対しSREがある患者では107万4,885円と、有意差が認められた。

 放射線核種治療はQOL維持効果も高い

 骨転移のマネジメントとして推奨されているのは、まず緩和照射(放射線療法)、次いで骨修飾薬(BMA)による薬物療法。

 さらに、骨転移に対する放射線核種治療があり、骨転移の疼痛緩和を目的とするストロンチウム、
SSEの発現抑制と生存期間の延長を目的とする塩化ラジウムの2種類が用いられる。

 放射線核種治療では、放射線が骨転移層に直接取り込まれ、そこでβ線またはα線を放出することによって、がん細胞DNAの二重らせん構造を分断し、転移を抑制する。

 α線はβ線と比べて殺細胞効果が強い。

 α線は治療効果が高く、CRPC患者を対象としたランダム化比較試験では、SSE発生までの期間、全生存期間とも有意な延長が認められた。

 佐藤医師は、「これまで医療従事者は、がん治療において優先すべきはOS(全生存期間)の延長であるとの教育を受けてきた。

 しかし、近年は世界的にも質調整生存年を重視する方向に変化している」と指摘した。

 α線治療はQOLの点でも効果が高いことが示され、治療後12カ月以内の平均入院期間を短縮させることもわかった。

 骨転移ではALP値のモニターが重要

 α線治療においては、骨転移により上昇するALP(アルカリホスファターゼ)値が大きく上昇するが、その後に同値が改善した(下がった)患者と上がったままの患者では生存期間(中央値)に差が認められた。

 また、転移を有するCRPCにおける初回化学療法からの生存期間予測モデルによると、前立腺特異抗原(PSA)値に比べてALP値は大きく生存期間延長に寄与することが分かった。

 佐藤医師は、

「前立腺がんの治療では、PSA値を下げることを目標にしがちだが、骨転移においてはALP値をモニターすることが重要となる。

 また、骨転移治療は疼痛緩和だけでなく生存期間の延長を狙う標的へと変化してきた」と説明。

「前立腺がんの自然史は、外科手術後の再発から転移までの中央値が8年、転移からがん死までの中央値が5年と、長期間のがんコントロールが可能である。

そのため、諦めないで治療を継続することが重要である」と強調した。
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