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血圧と塩害 [ひとこと養生記]

 血圧は、年齢とともに上がると考えられていたが、そうではない。

 日本人の20歳前後の収縮期血圧(最高血圧)の平均は120㍉だが、60歳のそれは東北地方175、広島160、大阪145と、食塩摂取量と平行して大差がついてしまう。

 塩を全く食べないアマゾンのヤノマモ人は、年をとっても血圧は上がらない(現地で調べた10代~50代の506人全員が最高血圧110以下、最低血圧70以下)。

 最高血圧140以上、最低血圧90以上のいずれか一方が該当すると、高血圧とされ、急激に脳卒中発症率が上がることがわかっている。

 60歳以上の男女580人を32年間追跡した「久山町研究」を見ると、120─80の人に対して、140~159─90~99の人の脳卒中発症率は3倍以上、180以上─110以上の人では実に11倍強だ。

 脳卒中は寝たきりを招きやすい。

 02年の国民生活基礎調査によると、寝たきりの原因の36・6%が脳血管障害で、高齢による衰弱13・5%、骨折・転倒11・8%などを引き離して1位だ。

 体内の塩を減らせば、高血圧予防、ひいては脳卒中予防につながる。

 日本高血圧学会が推奨する1日の適正な塩分摂取量は6㌘。だが日本人の平均は1日10・9㌘。1・8倍以上だ。

 どうしたらいいか?
「塩を減らそうプロジェクト」の代表顧問、荒川規矩男・日本高血圧協会理事長は、

「高血圧治療の原因療法は無塩食が理想だが、それは実行不可能。

 できるだけ生活習慣を直し、足りないところを降圧薬によって補う、1に減塩、2に運動、3に薬の半原因療法がベストです」と話している。

 減塩のほかカリウムを多く含む食品(野菜、くだもの)を食べると、体内からのナトリウム(塩分)排出を促進する。

 運動すると、利尿作用が働いてやはりナトリウムが排出される。

 ただし、高血圧患者や高齢者は激しい運動は禁物。

 ウォーキングや水中歩行、サイクリングなどの有酸素運動が適切とされる。

 食事・運動による十分な効果が得られない高血圧患者に対しては、日本高血圧学会のガイドラインが推奨する降圧薬療法が行われる。

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