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生命にかかわる血栓症 [ひとこと養生記]

 きょう1月20日は、20=ツマルの和洋混合ごろ合わせで、「血栓予防の日」。

 今日から1カ月間が「血栓予防月間」です。

 血栓とは血液の塊です。

 血管が傷ついて出血すると、止血する働きが起こります。

 血小板が血管の傷ついた部分にくっつき、血小板同士が集まって損傷部をふさぐ仕組みです。

 さらに、止血をより強固にするため、血液中の「凝固因子」が作用し「フィブリン」と呼ばれる糊状の膜をつくります。

 これがさらに血の塊を強固にして出血を止めるのですが、このときの血の塊が「血栓」なのです。
 
 本来、血栓は止血をするためにできるのですが、血栓が血管を詰まらせると、さまざまな病気を引き起こします。

 このような疾患の総称を「血栓症あるいは血栓塞栓症」といい、以下のようなものが挙げられます。

 塞栓(そくせん)症=おもに動脈で起こる血栓症です。

 血管が老化して動脈硬化が進むと、血管壁にコレステロールなどが溜まって血管が糊状になり、内部が狭くなって内皮がはがれ落ち、血管が傷ついたような状態になります。

 そうすると、血栓ができて大きくなり、血管が詰まってしまう状態が「塞栓症」です。

 エコノミークラス症候群=おもに静脈で起こる血栓症です。

 静脈は、動脈よりも血流が遅く血圧も低いため、血液が滞りやすくなります。

 そんな状態のときに血栓ができ血流に乗って移動し、肺動脈に引っかかって肺塞栓を発症するのが「エコノミークラス症候群」です。

 長時間飛行機に座ったままの状態が続くようなときの症例が多いため、この名がつきました。

 その他の病気

 心臓に栄養を与えている冠動脈が詰まる「心筋梗塞」

 頭の中の脳動脈が詰まる「脳梗塞」

 心房細動で心臓に血栓ができて脳血管が詰まる「脳塞栓症」

 足からの血液を心臓に戻す深部静脈を血栓が詰まらせる「深部静脈血栓症」

 などがあります。

 このように、動脈硬化や血液の流れが悪くなる「血流のうっ滞(=滞り)」が血栓症の原因になります。

 そして、血栓症から生命にかかわる重大な病気も発症します。

 血栓に関する記念日には、10月13日の「世界血栓症デー」もあります。

 こちらは、国際血栓止血学会が血栓症への正しい知識の啓発と、血栓症に起因する病気や死亡の減少を目的として制定し、2014年からこの活動を世界的に行っています。

 日本では「一般社団法人血栓止血学会」が、この日を日本記念日協会に登録し、啓発等の活動に取り組んでいます。

 心筋梗塞や脳梗塞はすでに重大な死因として知られていますが、専門家の所見では、その原因が血栓症であるという認識はまだ不十分であるとのことです。

血栓症の知識とともに、そのおおもとである「血栓」について、私たちはもっと知る必要があるでしょう。
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