インフル広がる [ひとこと養生記]
インフルエンザの流行広がる 今季初の注意報レベルに (朝日新聞1月5日夕刊)
インフルエンザの流行が広がっている。
国立感染症研究所が5日発表した調査によると、全国約5千カ所の定点医療機関から報告された最新の1週間(昨年12月18~24日)の患者数は1カ所あたり12・87人に上った。
自治体が注意報を発令する目安の10人を今季初めて超えた。
昨季に比べて2週間早い。
感染研によると、患者数は10週連続で増加。全国の推計患者数は約66万人で、前週から2倍近く増えた。全都道府県で前週を上回り、28都道県で注意報レベルを超えた。
都道府県別では、1医療機関の患者数は宮崎が最も多く26・03人。
長崎(25・57人)、岡山(25・19人)、山口(22・22人)、大分(20・95人)が続いた。
中国や九州地方で特に多く、東京は13・93人、愛知は10・93人、大阪は9・55人だった。
直近の5週間に検出されたウイルスは、2009年に新型として流行した型が最も多かった。
未知のウイルス
09年からの新型インフルエンザが、通常の季節性インフルエンザと大きく異なるのは、ウイルス性肺炎が高齢者や妊婦などのハイリスク層だけでなく、基礎疾患のない人にも発症している点だ。
「これからは先入観を持たず、ウイルス性肺炎の合併も常に念頭において、インフルエンザの治療を行う必要があるでしょう」と、呼吸器内科の専門医は注意を促している。
一方、高齢者には新型インフルの感染者が少ないといわれた。
それはスペイン風邪など20世紀前半に流行したウイルスの構造と同じだったからで、1918年以前に生まれた90歳以上(当時。現在は97歳)の人は、抗体を持っていることがわかった。
これを裏返すと高齢者でも97歳以下の人(つまりほとんどすべての人)は安心できない。
インフルウイルスは「新型」である限り人間にとって「未知のウイルス」なのだ。
インフルエンザで最も気をつけなければならないのは、高齢者と小児だ。
高齢者がインフルエンザにかかると、肺炎を併発しやすい。
それにはインフルエンザウイルス自体が肺に広がるウイルス性肺炎と、肺炎球菌などインフルエンザウイルスとは無関係の細菌が肺に広がる細菌性肺炎がある。
小児のインフル
子どものインフルエンザはこじれやすい。体力や抵抗力が弱いからだ。
子どものインフルにはこんな特徴がある。
①高熱が出る。
いったん下がった熱が、半日か1日で再び高くなる「二峰性発熱」がみられる。
②約10%に熱性けいれん(ひきつけ)を伴う。
③呼吸器症状(気管支炎、肺炎、中耳炎など)、消化器症状(吐く、下痢など)、脳炎・脳症の合併率が高い。
④神経症状(意識障害、異常行動、うわごとなど)が現れやすい。
とりわけ乳幼児は症状が急変し、重症化しやすい。
高熱が続いて水分を飲めないと脱水を起こしやすい。
手や足に痛みを訴え、歩けないようなときは筋肉炎を併発している恐れがある。
いちばん怖いのは脳炎や脳症を発症することだ。
国立感染症研究所のインフルエンザ脳症調査によると、季節性インフルの脳症は、0~4歳で発症する例が多く、新型インフルでは5~9歳が中心で、7歳が最も多かった。
脳炎や脳症の最初の症状はひきつけのことが多い(ひきつけイコール脳炎・脳症ではないが)。
すぐさま小児科へ─。
インフルエンザの流行が広がっている。
国立感染症研究所が5日発表した調査によると、全国約5千カ所の定点医療機関から報告された最新の1週間(昨年12月18~24日)の患者数は1カ所あたり12・87人に上った。
自治体が注意報を発令する目安の10人を今季初めて超えた。
昨季に比べて2週間早い。
感染研によると、患者数は10週連続で増加。全国の推計患者数は約66万人で、前週から2倍近く増えた。全都道府県で前週を上回り、28都道県で注意報レベルを超えた。
都道府県別では、1医療機関の患者数は宮崎が最も多く26・03人。
長崎(25・57人)、岡山(25・19人)、山口(22・22人)、大分(20・95人)が続いた。
中国や九州地方で特に多く、東京は13・93人、愛知は10・93人、大阪は9・55人だった。
直近の5週間に検出されたウイルスは、2009年に新型として流行した型が最も多かった。
未知のウイルス
09年からの新型インフルエンザが、通常の季節性インフルエンザと大きく異なるのは、ウイルス性肺炎が高齢者や妊婦などのハイリスク層だけでなく、基礎疾患のない人にも発症している点だ。
「これからは先入観を持たず、ウイルス性肺炎の合併も常に念頭において、インフルエンザの治療を行う必要があるでしょう」と、呼吸器内科の専門医は注意を促している。
一方、高齢者には新型インフルの感染者が少ないといわれた。
それはスペイン風邪など20世紀前半に流行したウイルスの構造と同じだったからで、1918年以前に生まれた90歳以上(当時。現在は97歳)の人は、抗体を持っていることがわかった。
これを裏返すと高齢者でも97歳以下の人(つまりほとんどすべての人)は安心できない。
インフルウイルスは「新型」である限り人間にとって「未知のウイルス」なのだ。
インフルエンザで最も気をつけなければならないのは、高齢者と小児だ。
高齢者がインフルエンザにかかると、肺炎を併発しやすい。
それにはインフルエンザウイルス自体が肺に広がるウイルス性肺炎と、肺炎球菌などインフルエンザウイルスとは無関係の細菌が肺に広がる細菌性肺炎がある。
小児のインフル
子どものインフルエンザはこじれやすい。体力や抵抗力が弱いからだ。
子どものインフルにはこんな特徴がある。
①高熱が出る。
いったん下がった熱が、半日か1日で再び高くなる「二峰性発熱」がみられる。
②約10%に熱性けいれん(ひきつけ)を伴う。
③呼吸器症状(気管支炎、肺炎、中耳炎など)、消化器症状(吐く、下痢など)、脳炎・脳症の合併率が高い。
④神経症状(意識障害、異常行動、うわごとなど)が現れやすい。
とりわけ乳幼児は症状が急変し、重症化しやすい。
高熱が続いて水分を飲めないと脱水を起こしやすい。
手や足に痛みを訴え、歩けないようなときは筋肉炎を併発している恐れがある。
いちばん怖いのは脳炎や脳症を発症することだ。
国立感染症研究所のインフルエンザ脳症調査によると、季節性インフルの脳症は、0~4歳で発症する例が多く、新型インフルでは5~9歳が中心で、7歳が最も多かった。
脳炎や脳症の最初の症状はひきつけのことが多い(ひきつけイコール脳炎・脳症ではないが)。
すぐさま小児科へ─。