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脳腸相関 [医学・医療短信]

 腸内細菌の種類や数は人によって異なります。

 また同じ人でも年齢や生活環境、食べ物などの影響で、絶えず変化します。

 一般的に、約75%は日和見菌、そして有用菌が約20%を占めているなら、腸内環境は良好と言えるでしょう。

 有害菌が増えると、生活習慣病をはじめとした病気のリスクが高まります。

 また、実年齢より上に見られるなど、老化にも深い関わりがあるようです。

 腸の状態は便でわかる!?

 健康な人の便の約80%は水分です。

 残りの20%には、栄養や水分を吸収したあとの食べ物のカス、はがれた腸粘膜、腸内細菌が含まれています。

 腸内細菌の数は、便1gにつき1兆個と言われています。

 便の様子を見れば、腸内環境の状態もわかります。セルフチェックをしましょう。

 色は?

 健康的な便の色は黄土色。便は本来、胆汁の色素である黄色をしており、腸内に留まる時間が長いと次第に黒味を帯びてきます。

 ただし、コーヒーなどの飲食物の影響で黒味を帯びる場合もあります。
 便が真っ黒なら食道や胃に出血・炎症があるのかもしれません。

 真っ赤や灰色などの場合も、病気のサインの可能性があるので、受診しましょう。

 固さは?

 水分量は80%程度、こねた後の粘土くらいの固さで、スルッと排便できるのがベスト。

 大腸に長く留まると水分を失い、コロコロで固くなります。

 よい便の条件としては、バナナ状で、ある程度の長さがあることも挙げられます。

 においは?

 健康な便には、ほとんどにおいがありません。

 しかし、有害菌が増え、分解したタンパク質や脂肪が発酵すると、きついにおいが発生します。

 また、便が大腸に長く留まるほど、においはきつくなります。

 自分の便のにおいをチェックする場合は、排便後に一度トイレから出て、数秒後に再度入るとわかりやすいでしょう。

 回数は?

 1日1回、あるいは3日で2回を目指したいもの。

 残便感があり、短時間に何度もトイレに行ったときは1回として数えます。

 トイレに行く時間帯を決めておくと、リズムができて排便しやすくなります。

 逆に便意をがまんすると、腸に留まる時間が長くなり、便の質が低下します。

 腸の健康のカギは「食生活」

 腸の健康を支える「腸内環境」は、生活習慣や年齢などの影響を強く受けます。

 規則正しい生活や適度な休息といった健康の基本は、腸の健康維持にも欠かせません。

 そのほかにも心がけたいことを紹介します。

膵がんリスク

 国立がん研究センターなどの研究グループは、約9万人のデータに基づき、果物および野菜の摂取と膵がん罹患との関連を検討。

 膵がんの罹患リスクは果物摂取により低下し、野菜の摂取で上昇することが示された、と発表しました。

 解析対象は45~74歳の男女9万185人。

 138食品を含む食品摂取頻度調査を基に、果物(17品目)・野菜(29品目)の摂取量によって対象者を4群に分け、最少群を対照としてその他の群のがん罹患リスクを調べました。

 16.9年間(中央値)の追跡期間中に、577人が膵がんと診断された。

 全果物摂取量の最多群では、最少群に比べて膵がんの罹患リスクが26%低かった。

 柑橘類(みかん、みかん以外の柑橘類、オレンジジュース)に限定した場合にも、ほぼ同様のリスク低下が認められた。

 果物摂取と膵がん罹患リスク低下との関連は、非喫煙者でより明瞭だった。

 一方、全野菜摂取の最多群では、最少群に比べて膵がんの罹患リスクが30%高かった。

 ただ、アブラナ科野菜や緑黄色野菜など特定の種類に限定した場合、膵がん罹患リスクとの有意な関連は認められなかった。

 また、全野菜摂取と膵がん罹患リスク上昇との関連は、喫煙者において有意だったが、非喫煙者では有意な関連は示されなかった。

 果物や野菜の摂取によるがんの予防効果については、幾つかのがんで可能性が示されている。

 しかし、膵がんに関しては、これまでに一定の研究結果が得られていない。

 そこで研究グループは、日本人の生活習慣病予防と健康寿命延伸を目的に国内で実施されているJPHCのデータを用いて、果物・野菜の摂取量と膵がんの罹患リスクとの関連を検討した。

 果物摂取と膵がんの罹患リスク低下との関連が認められた今回の結果について、研究グループは「果物に含まれるビタミンなどの抗酸化成分が、膵がんのリスク低下に関係しているのではないか」と考察。

 一方で、野菜摂取にリスク上昇との関連が認められた点については、「喫煙者でリスクの上昇が顕著になることから、野菜とたばこに含まれる成分との相互作用の可能性が考えられるが、明確な理由は分からない」とコメントしている。

 その上で「今回の研究は、日本人が対象のものでは過去最大規模だが、症例数は必ずしも多くはない。日本人を含むアジア人における疫学研究は少ないため、さらなる研究の蓄積が必要だ」と今後の課題を示している。

 監修:飯野久和昭和女子大教授 農学博士
タグ:腸内細菌
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