新規ホルモン療法の有効性 [医学・医療短信]
新規ホルモン療法の日本人における有効性は独自に検証する必要あり
進行性前立腺がんに対する初期治療へのアビラテロン併用の有効性を検討した試験では、同薬の併用によって著しい全生存期間の延長が得られたと報告された。
これを受けて日本でも同薬の適応が拡大されたものの、日本では大規模臨床試験による検証は行われていない。
ただし、LATITUDE試験の日本人サブグループ解析では、日本人グループにおける長期生存効果が示唆されている。
新規前立腺がん治療薬に関する欧米の臨床試験を参考にする際には、適応患者の基準が欧米と日本で同様でよいのかという問題がある。
アビラテロンのホルモン療法未治療前立腺がん患者に対する適応はGleason score (GS=がん細胞の悪性度)8以上、骨シンチグラフィで3カ所以上の骨病変、内臓転移ありといった高リスク症例に限られる。
骨病変の個数は日本人でも有効な予後予測因子であるものの、3〜5個の骨病変を有していても予後良好の症例が多く含まれる可能性がある。
また、転移性前立腺がんにおけるGS 8以上の症例の割合は、欧米では50〜60%だが、日本では80〜90%と高率であり、日本ではGS 8によるリスク選別の意義が小さい。
昭和大学江東豊洲病院・深貝 隆志センター長(泌尿器科診療科長)が同院でのホルモン療法施行患者の予後をGS別に調べた検討によると、GS 8未満にはホルモン療法が非常に有効な症例も含まれ、Gleasonパターン5の方が強い予後予測因子と考えられたという。
さらに、欧米の臨床試験における対照群はアンドロゲン除去療法(ADT)であり、日本で広く用いられているビカルタミドを用いたCAB療法との比較ではない点にも留意する必要がある。
これらのことから、同氏は
「日本で広く用いられてきたビカルタミドによるCAB療法との比較を含め、どの程度の生命予後改善効果が認められるのかを検証する必要がある。また、生存期間が長期に及ぶため、有害事象への対応も求められる。
臨床現場において日本人に最適なホルモン療法を確立するためには、欧米での臨床試験を参考にしながら、それぞれがホルモン療法の有効性を独自に検証する必要がある」とまとめた。
進行性前立腺がんに対する初期治療へのアビラテロン併用の有効性を検討した試験では、同薬の併用によって著しい全生存期間の延長が得られたと報告された。
これを受けて日本でも同薬の適応が拡大されたものの、日本では大規模臨床試験による検証は行われていない。
ただし、LATITUDE試験の日本人サブグループ解析では、日本人グループにおける長期生存効果が示唆されている。
新規前立腺がん治療薬に関する欧米の臨床試験を参考にする際には、適応患者の基準が欧米と日本で同様でよいのかという問題がある。
アビラテロンのホルモン療法未治療前立腺がん患者に対する適応はGleason score (GS=がん細胞の悪性度)8以上、骨シンチグラフィで3カ所以上の骨病変、内臓転移ありといった高リスク症例に限られる。
骨病変の個数は日本人でも有効な予後予測因子であるものの、3〜5個の骨病変を有していても予後良好の症例が多く含まれる可能性がある。
また、転移性前立腺がんにおけるGS 8以上の症例の割合は、欧米では50〜60%だが、日本では80〜90%と高率であり、日本ではGS 8によるリスク選別の意義が小さい。
昭和大学江東豊洲病院・深貝 隆志センター長(泌尿器科診療科長)が同院でのホルモン療法施行患者の予後をGS別に調べた検討によると、GS 8未満にはホルモン療法が非常に有効な症例も含まれ、Gleasonパターン5の方が強い予後予測因子と考えられたという。
さらに、欧米の臨床試験における対照群はアンドロゲン除去療法(ADT)であり、日本で広く用いられているビカルタミドを用いたCAB療法との比較ではない点にも留意する必要がある。
これらのことから、同氏は
「日本で広く用いられてきたビカルタミドによるCAB療法との比較を含め、どの程度の生命予後改善効果が認められるのかを検証する必要がある。また、生存期間が長期に及ぶため、有害事象への対応も求められる。
臨床現場において日本人に最適なホルモン療法を確立するためには、欧米での臨床試験を参考にしながら、それぞれがホルモン療法の有効性を独自に検証する必要がある」とまとめた。
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