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長く続く痛み、実態調査 [医学・医療短信]

≪47都道府県 長く続く痛みに関する実態 2012年vs 2017年比較調査≫

ファイザー株式会社は、全国47都道府県の慢性疼痛を抱える20代以上の男女合計8,924人を対象にインターネット調査を実施した。

調査では、慢性疼痛患者の痛みを我慢する意識と実態の変化を、2012年に実施した調査との経年比較を通して分析し、依然として多くの人に我慢の意識が根付いている実態や、痛みを早期解決できず長期化させている背景について検証した。

調査期間: 2017年6月2日~6月19日 (※2012年の調査は、2012年6月12日~6月15日に実施)

以下はその要旨。

依然として「我慢は美徳?」 痛みに耐える慢性疼痛患者

慢性疼痛を抱える人の7割近くが「痛みは我慢するべき」と回答

長期に痛みを抱えていながらも、3人に1人は医療機関に通院していない

受診するきっかけは、「日常生活に大きな支障が出たとき」が6割以上で最多

「痛みがあっても我慢するべき」と回答した慢性疼痛を抱える人は7割近く(66.6%)にのぼった。

2012年の74.3%より減少したが、依然として多くの人に我慢の意識が根付いている。

「痛い」と簡単に他人に言うべきではないと半数以上(54.1%)が回答し、2012年と同程度(55.7%)。

長く続く痛みに対して「痛みが治ることを諦めている」と回答した人は約7割(69.1%)と、多くの人が痛みが治ることを諦めている実態が明らかに。

約3割(27.4%)に「神経障害性疼痛」の疑いがあることが判明。 

神経障害性疼痛の疑いがある慢性疼痛患者の約3割(27.0%)が、医療機関を未受診。

「痛いの痛いの飛んでいかない」 痛くても通院を思いとどまる

通院していない慢性疼痛を抱える人は3人に1人(32.8%)。

受診していない理由は「通院するほどでもないと思う(36.6%)」が最多

続いて、「通院しても治らない気がする(33.8%)」、「通院する費用がかかる(31.9%)」。

痛みを感じたときの対処法の最多は「病院・医院で処方された薬」(52.0%)で、続いて「自己対処している(柔軟体操、マッサージ、冷やす・温めるなど)」(32.6%)。

医療機関を受診するきっかけは、「日常生活に大きな支障が出たとき(62.2%)」、「あまりにも症状が辛いと感じたとき(56.3%)」、「具体的な疾患の可能性があると分かったとき(27.7%)」。

47都道府県で差がある痛みに対する意識と対処

「長く続く痛み」を感じた際に我慢する人は7割以上(74.1%)。

痛みを我慢していると回答した割合が最も高かったのは、栃木県(81.6%)、最も低かったのは神奈川県(68.3%)。

「痛みがあっても我慢するべき」と回答した割合が最も多かったのは栃木県(74.7%)。

最も少なかった秋田県(60.2%)と14.5ptの開き。

長く続く痛みに対して「痛みが治ることを諦めている」と回答した割合が最も高かったのは愛知県(75.7%)。

最も少なかったのは沖縄県(60.6%)と15.1ptの開き。


調査結果についてのコメント

慶應義塾大学医学部整形外科 教授 中村 雅也先生

痛みは原因によって、大きく「炎症や刺激による痛み(侵害受容性痛)」と「神経の痛み(神経障害性痛)」に分けられ、どちらの原因も関与している「混合性の痛み」もあります。

このように痛みには種類があり、運動器の痛みが長期化することでQOL(生命・生活の質)にも大きな影響を及ぼすことがすでに報告されており、種類に応じた早期の診断と適切な治療を行う必要があります。

今回、ファイザーが実施した調査は、慢性疼痛を抱えている方を対象として「痛みを我慢しているか」といった意識や痛みを感じたときの対処の実態に着目したもので、2012年に実施した同様の調査結果との経年比較も行っています。

5年前の調査結果にからは微減したものの、依然として「痛みがあっても我慢すべき」と回答した慢性疼痛を抱える患者さんは7割近くおり、長く続く痛みに対して「痛みが治ることを諦めている」と回答した人も7割にのぼりました。

また、慢性的な痛みが原因で、仕事や家事などの日常生活にストレスを感じていると回答した人は8割近く(76.9%、Q3_3)いるにもかかわらず、慢性疼痛を抱える人の3人に1人は医療機関に通院していません。

受診しない理由は、「通院するほどでもないと思う」が最も多く、痛みを軽くみている人が多いことが浮き彫りになりました。

痛みを感じたときの対処法として「自己 対処する(柔軟体操、マッサージ、冷やす・温めるなど)」に留まっている方も3割以上みられました。

実際に医療機関を受診するきっかけは「日常生活に大きな支障が出たとき」が最も多く、次いで「あまりに症状が辛いと感じたとき」となっており、日常生活に大きな影響が出るまで、放置してしまう傾向がうかがえます。

「痛みが治ることを諦めている」という方もいるかもしれませんが、自身の痛みを正確に把握して適切な治療を行うためには、医療機関を受診することが重要です。

痛みを我慢して放置するのではなく、痛みと向き合って早期治療に取り組みましょう。
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