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森へ行こう [健康雑談]

 森へ行こう

「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする」とは、萩原朔太郎の詩句(「雲雀(ひばり)料理」のエピグラフ)。

「したたる空色の窓の下で、私の愛する女と共に純銀のふぉぅくを動かしたい。…」と続く。(詩集『月に吠(ほ)える』所収)

詩人のイマジネーションと、わが現実生活との隔たりはあまりにも大きいが、せめては古いブルゾンを着て気ままなる旅─ではなく森林浴と参るとしよう。

森の中に満ちる緑と樹木の香りは、疲れを癒し、安らぎを与えてくれるだろう。

森林浴の健康効果の主要な因子は、樹木の葉や幹から発散される芳香性物質フィトンチッドで、その主な成分はテルペンと総称される化学物質と考えられている。

森林に入ると漂ってくるテルペン系の樹木の香りには、副交感神経を刺激して、リラックスさせる作用がある。

血圧が下がる、免疫機能が高まる、抗がん能力が上がる。

森林内の空気に含まれるテルペン類を測定した研究によると、その濃度は、季節的には6月、1日のうちでは昼過ぎに最高値に達するという。


 フィトンチッド

森林浴のキーワード「フィトンチッド」は、樹木や草花などが、大気中や地中に出す殺菌・殺虫効果のある化学物質の総称。

旧ソ連の発生学者、B・P・トーキン博士が1930年ごろ作った造語。

ロシア語でフィトンは「植物が」、チッドは「殺す」という意味だそう。

80年代の初め、これを健康法に結びつけたのが、生気象学者の神山恵三・共立女子大教授(当時)。

フィトンチッドに含まれるテルペン類が、人間の活動を活発にすることを実験的に調べた。

同じころ、秋山智英・林野庁長官が、森林の中で得られる心理的・生理的鎮静作用を「健康・保養に利用しよう」と、「森林浴」という言葉を用いて提唱、森林浴ブームが起こった。

あげくのはては、森の中にハンモックをつってフィトンチッドが落ちてくるのを待っていたとか、せっかくフィトンチッドが体についたのにもったいない、と風呂に入らなかったとか、笑ってすますわけにはいかない話も頻出、誤解をただす記事を新聞で読んだことを覚えている。
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