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難病を治す「自律神経免疫療法」 [健康雑談]

難病を治す「自律神経免疫療法」

気圧と虫垂炎

「晴れた日にはゴルフに行けない」と、外科医の福田稔先生が気づいたのは、1990年代初めのことだった。

週日のゴルフなど思いも及ばぬ外科部長の身、好天に恵まれた日曜日にいそいそと出かける準備をしていると、きまって、

「先生、アッペ(虫垂炎)の急患です」と待ったがかかるのだ。

なぜ“モーチョー”はわざと晴天の日を選んでおれのゴルフをジャマするのか?

この疑問を解くため、先生は病院の庭に百葉箱をつくり、自動温湿度・気圧計を設置、2年有余にわたる測定データと、その間の虫垂炎手術112例との関係を照らし合わせた。

結果、軽症の虫垂炎が起きたときの平均気圧は1011hpa(ヘクトパスカル)で、中程度は1013hpa、重症は1019hpa──。

気圧と虫垂炎の重症度とのパラレル(平行)関係がわかった。

この発見が機縁となって、福田先生と安保徹・新潟大教授(免疫学)との共同研究が始まり、気圧と白血球、自律神経と白血球の密接な関係が解明された。

難病に対する自律神経免疫療法の基礎となる「福田─安保理論」が確立した。


福田─安保理論

「気圧と虫垂炎の関係」から始まった、外科医の福田稔先生と免疫学者の安保徹・新潟大教授との共同研究は、難病に対する自律神経免疫療法の基礎となる「福田─安保理論」に到達した。

要約するとそれは──、

「自律神経は白血球の働きと密接にかかわり、交感神経が緊張すれば顆粒(かりゅう)球が増え、副交感神経が緊張すればリンパ球が増える」

─というものだ。

自律神経とは、意志とは関係なく自律的に体の調節を行う神経で、身体活動を高進させる交感神経と、反対の作用をする副交感神経がある。

交感神経が適度に緊張しないと、仕事や運動などの身体活動を活発に行うことはできない。

だが緊張し過ぎるとバランスが乱れて体調が低下し、病気を引き起こす。

副交感神経優位の状態では、体は反対にリラックスモードになる。

体を病気から守る白血球には、顆粒球、リンパ球、マクロファージの3種類があり、それぞれ異なる働きをする。

その働きを支配しているのが自律神経で、病気の発症・経過に密接に関係しているという。


 免疫と白血球

体に侵入した病原菌などの異物を処理する免疫の役割を担う白血球はマクロファージが約5%、リンパ球が約35%、顆粒球が約60%を占める。

マクロファージは強い食作用をもつ大型細胞で大食細胞とも呼ばれる。

その作用をさらに強めたのが顆粒球で、細菌や真菌類を捕食する。

顆粒球には好中球、好酸球、好塩基球とあるが、大半は好中球だ。

リンパ球はウイルスなどの小さな異物を「抗原」とみなして「抗体」をつくる。

これらの白血球の働きをコントロールしているのが自律神経で、体が活動するときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経がある。

二つの自律神経がバランスよく働くことで健康は保たれる。

しかし、交感神経が過緊張状態になると、顆粒球が増加し、リンパ球が減少する。

体温は低く、血圧が上がり、呼吸は浅く、心拍は速く、血行は悪く、病気になる。

ならば、副交感神経の優位状態をつくれば、病気は改善するはずだ。

ごく大まかに言うと、そんな理論から生まれたのが、「刺絡療法」「爪もみ療法」だ。

それについては、明日──。
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