風邪はホントに「万病のもと」か? [健康常識ウソ・ホント]
健康常識ウソ・ホント(25)
風邪はホントに「万病のもと」か?
「風邪は万病のもと」ということわざは、中国明時代の『円機活法』という書物のなかの、「風者百病之始」から出たものらしい。
だから「風邪は百病のもと」ともいう。
百病といい、万病といっても、この「百」や「万」は、百貨店や万年筆の百や万と同じ。
風邪は非常に多くのさまざまな病気の原因になるといっているわけだ。
それはホントか?
ホントでもあるし、ウソでもある。
アメリカの疫学調査だが、ある地域社会の全疾患の発生数の約70%は風邪で、住民1人当たり年に7回、風邪をひき、そのうち2~3回は市販の薬を服用、病・医院で受診したのは1回だった、と報告されている。
ちょっとした鼻風邪なども勘定に入れると、日本人のばあいもだいたいこんなものだろう。
風邪はいわゆるコモン・ディジーズ(ありふれた病気)の最たるものである。
であるのに、もしもあらゆる風邪が万病のもとになるとしたら、世の中そこらじゅう病人だらけになってしまうだろう。
そんなことはない。
だれでも7回ひいた風邪は、7回ともなんの余病を併発することもなく治るのが普通だ。
多分、ほとんど100%に近い症例において、風邪は万病のもとでは、ない。
では、風邪からほかの病気になることはないのかというと、それはあるのである。
いちばん多いのは肺炎を併発する例だ。
とくに乳幼児と老人の風邪は肺炎に進展しやすい。
中耳炎を起こす例もある。
風邪のウイルスや細菌が、鼻をかんだりしたとき、のどから耳に通じる耳管をくぐりぬけて、中耳を汚染するためだ。
まれに脳炎や脳症を引き起こすこともある。
脳炎は、ウイルスが直接、脳の中に入り込んで起こる。
脳症は、ウイルスは脳内に入らなくても、サイトカイン(免疫細胞がウイルスを攻撃するために出すいろいろなたんぱく質)による反応で起こる。
ライ症候群という子どもの病気も、風邪やインフルエンザ、水ぼうそうなどウイルス性疾患のあと発症する。
原因はわかっていないが、解熱鎮痛薬のアスピリンが疑われている。子どもにアスピリンを飲ませてはいけない。
風邪で体力が低下したため、それまで潜在していた病気が出てくることもある。
療養中の病気はてきめんに悪化する。
病人に風邪をひかせないのは、看護の基本である。
初発症状が風邪によく似ている病気が、風邪と間違えられることもある。
はしか、溶連菌感染症、百日ぜき、ジフテリア、急性肝炎、結核などだ。
数日でおさまらない風邪や、風邪にしてはちょっとヘンだな、と思ったら、風邪の余病か、あるいは風邪に似た症状で始まる別の病気を疑って、医師の診察を受けるようにしたい。
なお、厚生労働省が毎冬、キャンペーンしているように、
「インフルエンザは風邪ではありません」。
風邪の熱は37度ぐらいで、症状も軽い。
インフルエンザはいきなり38度以上の熱が出て、のどの痛みやせき、頭痛、倦怠感、筋肉痛など激しい全身症状が出る。
「やられた!」と感じたらすぐ医者へ!
ところで、風邪をひくかどうか、ひいても、軽くすむかどうかは、主としてそのとき、その人のウイルスに対する抵抗力で決まる。
すきっ腹のときや寝不足のときに寒い目にあうと、風邪をひきやすい。
3食きちんと食べて、毎夜よく眠ること。
ひいてしまったときの注意もこれと同じ。
風邪の最良の治療法は安静から始まる。
風邪はホントに「万病のもと」か?
「風邪は万病のもと」ということわざは、中国明時代の『円機活法』という書物のなかの、「風者百病之始」から出たものらしい。
だから「風邪は百病のもと」ともいう。
百病といい、万病といっても、この「百」や「万」は、百貨店や万年筆の百や万と同じ。
風邪は非常に多くのさまざまな病気の原因になるといっているわけだ。
それはホントか?
ホントでもあるし、ウソでもある。
アメリカの疫学調査だが、ある地域社会の全疾患の発生数の約70%は風邪で、住民1人当たり年に7回、風邪をひき、そのうち2~3回は市販の薬を服用、病・医院で受診したのは1回だった、と報告されている。
ちょっとした鼻風邪なども勘定に入れると、日本人のばあいもだいたいこんなものだろう。
風邪はいわゆるコモン・ディジーズ(ありふれた病気)の最たるものである。
であるのに、もしもあらゆる風邪が万病のもとになるとしたら、世の中そこらじゅう病人だらけになってしまうだろう。
そんなことはない。
だれでも7回ひいた風邪は、7回ともなんの余病を併発することもなく治るのが普通だ。
多分、ほとんど100%に近い症例において、風邪は万病のもとでは、ない。
では、風邪からほかの病気になることはないのかというと、それはあるのである。
いちばん多いのは肺炎を併発する例だ。
とくに乳幼児と老人の風邪は肺炎に進展しやすい。
中耳炎を起こす例もある。
風邪のウイルスや細菌が、鼻をかんだりしたとき、のどから耳に通じる耳管をくぐりぬけて、中耳を汚染するためだ。
まれに脳炎や脳症を引き起こすこともある。
脳炎は、ウイルスが直接、脳の中に入り込んで起こる。
脳症は、ウイルスは脳内に入らなくても、サイトカイン(免疫細胞がウイルスを攻撃するために出すいろいろなたんぱく質)による反応で起こる。
ライ症候群という子どもの病気も、風邪やインフルエンザ、水ぼうそうなどウイルス性疾患のあと発症する。
原因はわかっていないが、解熱鎮痛薬のアスピリンが疑われている。子どもにアスピリンを飲ませてはいけない。
風邪で体力が低下したため、それまで潜在していた病気が出てくることもある。
療養中の病気はてきめんに悪化する。
病人に風邪をひかせないのは、看護の基本である。
初発症状が風邪によく似ている病気が、風邪と間違えられることもある。
はしか、溶連菌感染症、百日ぜき、ジフテリア、急性肝炎、結核などだ。
数日でおさまらない風邪や、風邪にしてはちょっとヘンだな、と思ったら、風邪の余病か、あるいは風邪に似た症状で始まる別の病気を疑って、医師の診察を受けるようにしたい。
なお、厚生労働省が毎冬、キャンペーンしているように、
「インフルエンザは風邪ではありません」。
風邪の熱は37度ぐらいで、症状も軽い。
インフルエンザはいきなり38度以上の熱が出て、のどの痛みやせき、頭痛、倦怠感、筋肉痛など激しい全身症状が出る。
「やられた!」と感じたらすぐ医者へ!
ところで、風邪をひくかどうか、ひいても、軽くすむかどうかは、主としてそのとき、その人のウイルスに対する抵抗力で決まる。
すきっ腹のときや寝不足のときに寒い目にあうと、風邪をひきやすい。
3食きちんと食べて、毎夜よく眠ること。
ひいてしまったときの注意もこれと同じ。
風邪の最良の治療法は安静から始まる。
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