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夏風邪は馬鹿がひく? [健康常識ウソ・ホント]

健康常識ウソ・ホント(7)  

夏風邪は馬鹿がひく?

冬の手紙に「寒気厳しき折柄、お風邪など召しませんように─」などと書くのは、古風で月並みだが、常識的な時候の挨拶である。

だが、夏の手紙に「暑い日が続いています。風邪をひかないようにしてください」と書いたとする。

バカじゃないかとその非常識を笑われたり、バカにするなと怒られたりするかもしれない。

古人もこんなことわざを残している。

「夏の風邪は犬も食わぬ」

「夏の風邪は猿でもひかぬ」

「夏風邪は馬鹿がひく」

夏に風邪をひくのは、犬よりも悪食で、猿よりも知能が低く、馬か鹿なみの人間である─というのである。

そうだろうか?

そうではないのである。

古人は、ヘルパンギーナを知らなかったし、昔はプール熱なんてものもなかった。

いまの夏風邪は、バカでなくても、ひく。

バカにするとひどい目に遭うこともある。

ヘルパンギーナは、最初に発見されたアメリカの村の名をとってコクサッキーウイルスと呼ばれるウイルスで起こる。

乳幼児の夏風邪の一種である。

突然、高い熱が出て、のどの痛みを訴えるのが主症状で、食欲がなくなり、吐いたり、腹痛が起こったりする。

のどをのぞいて見ると、口蓋垂(こうがいすい=のどちんこ)の上の辺に小さな白い斑点がブツブツと横に這うように並んでいる。

ヘルパンギーナ(ヘルプ+アンギーナ)とは、この症状を表現した合成語で、ヘルプは「這う」、アンギーナは「のどの炎症」という意味。

厚生労働省は、「感染症発生動向調査」にもとづき、毎年夏がくると「ヘルパンギーナ警報」を出している。

ことしもただいま「警報」発令中である。

一方、プール熱は、学童がプールで感染して集団発生することがあり、俗にそう呼ばれるが、正しい病名は咽頭結膜熱だ。

やはり突然、高熱を発し、のどが赤く腫れて痛み、結膜(白目)が充血し、涙や目やにが出る。

アデノウィルスの感染によっておこる。

もう一つ、夏(または秋)に流行する子どもの病気に手足口病がある。

名のとおり、手のひら、足の裏、口の中に小さな水疱ができる。

熱が出ることもある。

口の中の水疱はすぐ破れて、口内炎のように痛い。

年長の子どもなら「痛い!」と訴えることができるが、赤ちゃんはなにも言ってくれない。

「赤ちゃんが、食べ物を口に入れただけで出してしまったり、食べるのをいやがるようなときは、口の中になにかできているのではないか、のぞいてみましょう」と、小児科医。

手足口病の病原菌は、コクサッキーウイルスと、エンテロウイルスなどの腸内ウイルスだ。

ウイルスに効く薬はないから(インフルエンザウイルスに対するタミフルなどを除いて)、ヘルパンギーナもプール熱も手足口病も、特別の治療法はない。

普通の風邪と同じ対症療法でじゅうぶんだ。

たいていは3~4日で自然に熱が下がり、数日で治る。

だいじなのは回復期。きっちり治さないとぐずぐずと長引く。大人の夏風邪と同じだ。

ともあれ─、

暑い日が続いています。風邪をひかないようにしてください。
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