邪悪な抗原 [健康雑談]
邪悪な抗原
蚤(のみ)も亦(また)世に容(い)れられず減りにけり 藤田湘子
昭和20年代初めの家にはたいていノミがいた。
終戦の翌年にはシラミが媒介する発疹チフスがまん延。
進駐軍の指令でDDTの散布が行われた。
米兵が手にした白い粉の噴出するホースを、襟首から突っ込まれて、シュッ! とやられたものだった。
ノミやシラミが姿を消したあと、ハバをきかせるようになったのがダニだ。
最もタチが悪く、しぶとい生命力を持つヤツが残った。
ダニにはノミの愛きょうも、シラミのひ弱さもない。
だから早い話、〝街のダニ〟とはいったが、〝街のノミ〟とはいわなかった。
ダニは、ぜんそくなどアレルギー性疾患の原因となる物質―抗原の一つとされている。
卵、牛乳、ソバなどの食物抗原は食べさえしなければよいわけだが、ダニはそうはいかない。
抗原としてはるかに邪悪だといえる。
重症のぜんそくやアトピー性皮膚炎の患者が、入院しただけで軽快する例が多いのは、病院にはダニがいないからだと専門医は言っている。
蚤(のみ)も亦(また)世に容(い)れられず減りにけり 藤田湘子
昭和20年代初めの家にはたいていノミがいた。
終戦の翌年にはシラミが媒介する発疹チフスがまん延。
進駐軍の指令でDDTの散布が行われた。
米兵が手にした白い粉の噴出するホースを、襟首から突っ込まれて、シュッ! とやられたものだった。
ノミやシラミが姿を消したあと、ハバをきかせるようになったのがダニだ。
最もタチが悪く、しぶとい生命力を持つヤツが残った。
ダニにはノミの愛きょうも、シラミのひ弱さもない。
だから早い話、〝街のダニ〟とはいったが、〝街のノミ〟とはいわなかった。
ダニは、ぜんそくなどアレルギー性疾患の原因となる物質―抗原の一つとされている。
卵、牛乳、ソバなどの食物抗原は食べさえしなければよいわけだが、ダニはそうはいかない。
抗原としてはるかに邪悪だといえる。
重症のぜんそくやアトピー性皮膚炎の患者が、入院しただけで軽快する例が多いのは、病院にはダニがいないからだと専門医は言っている。
2015-08-22 00:00
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