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水分補給の誤解 [ひとこと養生記]

 夏の脳梗塞の主因の一つは脱水症状。

 予防には水分補給が大切ですが、ただ多くとればいいというものではありません。

 夏の脳梗塞には、発症しやすいタイプや時間帯、水分補給のコツ、生活上の注意などに特徴があります。

 水分補給は、汗をかいたときに水を飲めばいい……そんなふうにカンタンに考えていませんか? 

 これは二つの点で間違っています。

 間違い1

 水分を摂取しても、からだ全体に浸透するには15~20分はかかります。

 水を飲んでも、すぐに血液の流れがよくなるわけではありません。

 汗をかいていなくても、早め早めに、こまめに水分補給を行うことです。

 とくにスポーツ時や外出時など、汗をたくさんかくときは、普通の水よりも、スポーツドリンクが適しています。

 からだへの吸収が速いことと、汗と一緒に消耗した塩分などのミネラル補給にも役立つからです。

 間違い2

 もうひとつの間違いは、夏には汗をかかなくても、脱水症状を起こすことがあることです。

 その典型は、エアコンとアルコールによるものです。

 エアコンの効いた室内は、思いのほか乾燥しています。

 汗をかかなくても、常に体から少しずつ水分が奪われています。

 室内にいるときも、ときどきお茶などを飲んで、きちんと水分補給をするようにしましょう。

 高齢になるほど、のどの渇きに気付きにくくなるので、定期的に水分をとることが大切です。

 室内にいると脱水症状に気づきにくいのですが、トイレに行ったとき、尿の色が濃くなっていたら水分不足のサインだと思ってください。

 夏には、仕事帰りや自宅で冷えたビールをグイッと飲むことも多くなります。

 ビールなど飲んでいると、たくさん水分をとっているように感じるかもしれません。

 実際には逆で、アルコール類には利尿作用があるため、飲んだ以上に尿となって水分が排出されてしまうケースが多いのです。

 それだけにアルコールを飲むときは、飲みすぎに気を付けると同時に、最後に水を1~2杯飲んでおく習慣をつけましょう。
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