立ちションVS座りション [雑感小文]
「おたくは立ちション? 座りション?」と、旧い悪友からおかしなメール。
久しぶりに外で飲み、帰宅するなりトイレへ直行、盛大放水の快感にひたったのだが、ビールで満杯になった膀胱をカラッポにするのに少々時間がかかった。
その間、酔った足がちょっとふらついたのか、照準がそれたらしく、床面に点滴が散らばった。
「だから、いつも座ってやって! と、いってるでしょう!」
大いに叱られ(あ、だから「お叱呼」なのか)、すでに解決済みだったはずの論議が蒸し返されることになったのだ、という。
日用品メーカーのライオンの研究発表が契機となって、立ちションVS座りションの家庭内紛争が勃発したのは、何年前だったか?
家庭の洋式トイレの気になるにおいは、男性が立ったまま小便をするのが主因。
便器の中の水面に跳ね返った尿が、便器のふちの裏側にたまると、落ちにくい汚れに変質し、臭気が発生する。
尿の中のリン酸カルシウムと、空気中の菌が便器に付着・増殖してできる酸性たんぱく質が結合してできる「尿石」が、その正体である。
──というのが、当該研究の要旨だった。
ライオンは、「男性も座って用を足せば主因はへる」と指摘するとともに、落ちにくい尿石がよく落ちる新洗剤を開発・発売した。
同じころ、トイレメーカーのTOTO(だったか?)が問題提起した、「トイレのふた&便座論争」というのもあった。
洋式トイレの状態には、①ふたを閉めた ②便座を下ろした ③便座を上げた の三態がある。
未使用時は① 女性は② 男性は③ が、通常の使用形態である。
ここで悶着が起こる。
女性は、どうせ座るのだから、ふたを開けたり閉めたりするのは、とくに面倒ではない。
だが立ったまま排尿する男性にとって、便座の上げ下ろしに加えてふたの開閉、という二度手間はじつに面倒くさい。つい便座もふたも上げたままになりがちである。
また、立ったままだと、例の床面への飛沫散乱という不祥事が、ときに(または、しばしば)みられ、「座ってやって! ふたをしめて!」という要請ないし強制が行われることとなる。
要請か、強制かは、家庭内の力関係によって異なる。
友人宅では、彼が現役だったころは、家にいることも少なく、発言力もそれなりに大であったので、主婦の圧力に全面的に屈することはなかったらしい。
しかし、定年とともに家にいることが多くなり、発言力も弱まり、いつしか座りションが常態になっていた。
だが、先夜のような切迫状況下で、手早くホースを引き出すには立ちションを選択するしかないではないか。
それさえ一々、とがめられては、おれの立場がない、男の沽券にかかわる。
──と、いったしだいで、鬱憤の捌け口を求めての長文メール(なにしろいまやヒマだけはたっぷりあるのだ)の到来となったわけである。
で、きみはどうなんだ? ──への、当方の答えは、
「おれは、むかしから白隠式の便学を実践してるからね。ずっと座りションだよ」
「なんじゃ、それは? 長い腐れ縁だが、初めて聞くな」
「然らば教えて進ぜよう」
こんどはこちらが長文メールを打つ番だ。
その駄弁のあらましは、明日──。
久しぶりに外で飲み、帰宅するなりトイレへ直行、盛大放水の快感にひたったのだが、ビールで満杯になった膀胱をカラッポにするのに少々時間がかかった。
その間、酔った足がちょっとふらついたのか、照準がそれたらしく、床面に点滴が散らばった。
「だから、いつも座ってやって! と、いってるでしょう!」
大いに叱られ(あ、だから「お叱呼」なのか)、すでに解決済みだったはずの論議が蒸し返されることになったのだ、という。
日用品メーカーのライオンの研究発表が契機となって、立ちションVS座りションの家庭内紛争が勃発したのは、何年前だったか?
家庭の洋式トイレの気になるにおいは、男性が立ったまま小便をするのが主因。
便器の中の水面に跳ね返った尿が、便器のふちの裏側にたまると、落ちにくい汚れに変質し、臭気が発生する。
尿の中のリン酸カルシウムと、空気中の菌が便器に付着・増殖してできる酸性たんぱく質が結合してできる「尿石」が、その正体である。
──というのが、当該研究の要旨だった。
ライオンは、「男性も座って用を足せば主因はへる」と指摘するとともに、落ちにくい尿石がよく落ちる新洗剤を開発・発売した。
同じころ、トイレメーカーのTOTO(だったか?)が問題提起した、「トイレのふた&便座論争」というのもあった。
洋式トイレの状態には、①ふたを閉めた ②便座を下ろした ③便座を上げた の三態がある。
未使用時は① 女性は② 男性は③ が、通常の使用形態である。
ここで悶着が起こる。
女性は、どうせ座るのだから、ふたを開けたり閉めたりするのは、とくに面倒ではない。
だが立ったまま排尿する男性にとって、便座の上げ下ろしに加えてふたの開閉、という二度手間はじつに面倒くさい。つい便座もふたも上げたままになりがちである。
また、立ったままだと、例の床面への飛沫散乱という不祥事が、ときに(または、しばしば)みられ、「座ってやって! ふたをしめて!」という要請ないし強制が行われることとなる。
要請か、強制かは、家庭内の力関係によって異なる。
友人宅では、彼が現役だったころは、家にいることも少なく、発言力もそれなりに大であったので、主婦の圧力に全面的に屈することはなかったらしい。
しかし、定年とともに家にいることが多くなり、発言力も弱まり、いつしか座りションが常態になっていた。
だが、先夜のような切迫状況下で、手早くホースを引き出すには立ちションを選択するしかないではないか。
それさえ一々、とがめられては、おれの立場がない、男の沽券にかかわる。
──と、いったしだいで、鬱憤の捌け口を求めての長文メール(なにしろいまやヒマだけはたっぷりあるのだ)の到来となったわけである。
で、きみはどうなんだ? ──への、当方の答えは、
「おれは、むかしから白隠式の便学を実践してるからね。ずっと座りションだよ」
「なんじゃ、それは? 長い腐れ縁だが、初めて聞くな」
「然らば教えて進ぜよう」
こんどはこちらが長文メールを打つ番だ。
その駄弁のあらましは、明日──。
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