医者と薬と患者 [雑感小文]
昔、こんな話を聞いたことがある。
ある製薬会社が、新薬の治験を多くの病院に依頼したところ、一人の医師だけが、ほとんど効かないばかりか、副作用が多過ぎるといってきた。
不思議に思って、当の先生を訪ねてお話を拝聴するうち、理由が納得できた。
「まるで時代劇の悪代官に白衣を着せたような居丈高な物言いをされる先生で、こんな医者がくれる薬にロクなものがあるわけない、みなさん、そう思われたのではないでしょうか」
──と、そんなような話だった。
これとは正反対の実例もある。
スペインのある病院で、慢性胃炎の患者に、これはプラセボ(偽薬)です─と告げたうえで、
「でも、治るかどうか、試してみましょう」とのんでもらった。
結果、八割の人の自覚症状が改善した。
なぜか?
本郷道夫・東北大学医学部教授の説明は、こうだ。
「それは、実験を行ったメアリンという先生への信頼感です。
この先生にならすべて任せても大丈夫と信じてのんだから、偽薬とわかっていても、それだけよくなったのです」
ある製薬会社が、新薬の治験を多くの病院に依頼したところ、一人の医師だけが、ほとんど効かないばかりか、副作用が多過ぎるといってきた。
不思議に思って、当の先生を訪ねてお話を拝聴するうち、理由が納得できた。
「まるで時代劇の悪代官に白衣を着せたような居丈高な物言いをされる先生で、こんな医者がくれる薬にロクなものがあるわけない、みなさん、そう思われたのではないでしょうか」
──と、そんなような話だった。
これとは正反対の実例もある。
スペインのある病院で、慢性胃炎の患者に、これはプラセボ(偽薬)です─と告げたうえで、
「でも、治るかどうか、試してみましょう」とのんでもらった。
結果、八割の人の自覚症状が改善した。
なぜか?
本郷道夫・東北大学医学部教授の説明は、こうだ。
「それは、実験を行ったメアリンという先生への信頼感です。
この先生にならすべて任せても大丈夫と信じてのんだから、偽薬とわかっていても、それだけよくなったのです」
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