ひとこと養生噺（３９）主婦湿疹

水仕事と手

　野山に春の気配がただよい、沼や池などの水がなんとなくあたたまってきたように感じられます。

　朝夕の水仕事が楽になった（と、朝夕を共にしている者がいっています）。

　水ぬるむ主婦のよろこび口に出て　　山口波津女

　けれど、それに気を許して手指の手入れをなおざりにすると、手の荒れが冬場よりもひどくなる（と、皮膚科医は注意しています）。

　手のひらの荒れは水仕事が原因になることが多く、主婦湿疹（しっしん）と呼ばれたりもしますが、正式の病名は「進行性指掌角皮症」だそうです。

　最初は利き手の親指から中指にかけて、指先の腹側がザラザラして皮がむけやすくなり、だんだん出血したり、ひび、あかぎれ状になります。

　さらにひどくなると指紋がなくなって、ひびも深くなります。

　指の腹側の全体から手のひらまでおかされます。

　このころになると、反対側の手指も同じようにおかされてきます。

　手仕事、パソコン、裁縫など、指先を使う仕事はなるべく避け、水仕事をするときはゴム手袋の下に木綿の手袋をはめるよう勧められます。

　洗剤を使ったあとはよく洗い落とし、クリームを─。

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