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ひとこと養生噺(35)隠れ腎臓病 [健康]

 慢性腎臓病(CKD)があると、心臓病や脳卒中のリスクが高まり、透析になるよりも前にそうした病気で亡くなる人のほうが多いといわれています。

 貧血も起こり、高血圧になりやすいこともがわかっています。

 逆に、高血圧や糖尿病が、腎臓病を進行させることもあります。

 しかし、慢性腎臓病は、その進行度に応じて適切な治療をすれば、腎不全や心・血管病の発症を防ぐことができます。

 だが慢性腎臓病は、なかなか症状が出にくく、「隠れ腎臓病」と呼ばれます。

 進行を防ぐ決め手は早期発見・早期治療─これしかありません。

 早期発見の目じるしは、たんぱく尿です。

「尿検査」の試験紙法でたんぱくの有無をチェックするのが、尿たんぱく検査。

 陰性(-)だったらノープロブレムですが、陽性(+)でも1回のみの検査で「異常」とは限りません。

 発熱時、運動後、立ち仕事の後などでは陽性になることがあるからです。生理的たんぱく尿といいます。

 たんぱくが1日150㍉㌘以上持続的に排せつされている場合、病的たんぱく尿と認められます。

 検尿だけでは確定診断はできませんが、簡単な検査で有益な情報が得られるので、スクリーニングとして欠かせないのです。

 健診でたんぱく尿陽性と判定されたら、必ず再検査を受けましょう。

 日本腎臓学会のデータでは、たんぱく尿がある人は、ない人に比べて、腎機能が2倍以上のスピードで低下することが明らかにされています。

 尿検査では尿糖と潜血もわかります。

 尿糖が陽性になる病気は、まず糖尿病ですが(血糖値が170㍉㌘を超えると、尿に糖が出てくる)、バセドウ病、膵(すい)炎、肝硬変、胃切除後などでも陽性になります。

 糖尿病でも血糖値が170以下なら陽性にはなりません。

 肉眼では見えない血尿が腎臓、尿管、膀胱などの病気を教えてくれます。

 私ごとですが、2008年10月、長寿健診の尿検査で潜血を指摘されて、尿管がんが見つかり、左の腎臓・尿管の全摘手術を受けました。

 尿検査は、腎・尿路系の検査のなかで最も重要かつ基本的な検査です。
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