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高貴幸齢者 [日記・雑感]

疎開児童も お爺さんになりました

疎開児童も お婆さんになりました

信じられない時の迅さ

茨木のり子の詩「疎開児童も」の冒頭のスタンザだ。(筑摩書房刊『倚りかからず』所収)

 本当にそうだ。

「戦争が終った!」と聞いて、胸の底から突き上げてくる喜びを抑えきれず、夏草の茂る小道を歩いていた足がひとりでに走り出した中学1年生の自分と、こけおどしのような赤茶色の封筒で届いた「後期高齢者医療保険料額決定通知書」なるものに、胸の底からふつふつと煮え立つ怒りを抑えかねた老人の自分と、その間に飛び去った六十有四年のなんと迅速だったことだろう。

「光陰矢のごとし」とはよく言ったものだ。
 むろん現実にはさまざまな転変があった。
 親たちがいなくなり、恩を受けた先輩や心をゆるした友の何人かにも、もうこの世では会うことができない。
「そこは涼しい風が吹いていますか」と呼びかけてみたい。

「こっちはご存じのひどい暑さで、おれは相変わらず貧乏で、『高貴幸齢者』というものになりました」。

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