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あほんだら日本語格闘記(5) [プロテスト]

 2011年7月17日。
「分からない男」のウソ

 昔、芸能レポーターのすっぱ抜き報道にハラを立てた、ある女優が、「あの人たち、みんなリッパな大学を出てるんでしょう」と言ったことがある。教養ある者が、なぜ、これほど低劣にふるまえるの? そう言いたかったのだろう。

 同じ台詞が、いま、おれの頭にも浮かんでいる。君、いったいこれまでどんな日本語を学んできたの? と。

「分かる」「わかる」でモメたとき、彼はこうも言って寄越した。

「弊社は不特定多数の新聞社に記事を売っていますので、統一基準を設けなければなりません。『記者ハンドブック』に掲載されている語句に関しては、個人的に判断せず、この本を基準にしようと考えています」

「不特定多数の新聞社」には、笑った。配信先の新聞社は特定されているのだから、「多数の新聞社」とすべきところを、語勢を強める余りつい「不特定多数」とやったのだろう。

 小なりとはいえ、各地の地方新聞に小説やコラムを配信している通信社の編集者が、なぜそんな書き間違いをするのだろうか? 要するに日本語がわかってないのだ。だから自分の質問を「ご質問」というなど、敬語と謙譲語の使い分けもできないのだ。

「個人的に判断せず」ではなく、はなから自分の判断を放棄しているのである。そう思うしかなかった。

 それよりなにより、『記者ハンドブック』には、「表記例のうち、漢字で掲げてあるものは、原則として漢字書きにするが、漢語を除いて平仮名書きしてもよい。文章の硬軟、文脈に応じて平仮名書きを活用する。また平仮名書きの表記例は必要に応じて片仮名書きにしてもよい」とあるのだ(同書「用字用語集 使用の原則」太字も原文のまま)

「バカ」や「わかる」がこの適応例であるのは、言うまでもないことだ。

 だから、なぜ、彼ひいてはG芸通信社が、そのように「ばか」や「分かる」に固執するのか? どうにも不可解だったが、いまふと気がついた。

 彼ならびに彼らは、『記者ハンドブック』を金科玉条のごとくあがめてはいても、必要に応じて開いてみるのは、「表記例」のページだけなのではないか。

で、そこには、「ばか(馬鹿 莫迦)→ばか」とあるから、「バカ」はダメなのだと思い込み、「わかる(解る、判る)→分かる」とあるから「わかる」はダメなのだと決めつけているのではないだろうか。どうも、そうとしか思えない。

 つまり彼らは、彼らの信奉する『記者ハンドブック』を、きちんと読んだことがないのである。いつも部分的にページを開いて、語句を参照しているだけなのだろう。

 一般の読者ならそれで少しもかまわない。だが、仮にも新聞社相手に仕事をしている通信社の編者者なのだ。プロなのだ。それではいけないだろう。

 そして結果、言い合いに負けると、「上半期が終わる6月下旬をもちまして、『健康歳時記』の配信を中止することとなりました」と、きた。それもこともあろうに、「未曾有の大震災」を口実にして…。

 それは見え透いたウソであった。なぜなら七月からは、別のライターによる同じコラムを配信しているからだ。その後がまのライターを探す時間かせぎに、「上半期が終わる6月下旬」という都合のいい区切りを持ち出してきたのに、こちらはそれにすっかりだまされて、言いなりになったわけだ。

低能のうえに卑劣なウソツキどもは、してやったりとほくそ笑んだことだろう。(この間のことは日を改めてお話しする)。

 むろん、地方紙への配信は、そちらの営業なのだから、止めたければ止めればいい。
 こちらもそんな相手と仕事をするバカさ加減にはうんざりした。
 きれいさっぱり縁が切れて、せいせいしたところで、積年の憤懣を遠慮会釈なしにぶちまける機会を得たことをよろこびたい。

 この怒りをエネルギーに変えて、おれ自身も自己改革し、もっとましな仕事をしたい。
 手始めにウェブサイトで「健康1日1話」というブログをはじめることにした。
 気が向いたら訪ねてみてください。

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